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第399話 積極的な姿勢
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何でそんなピンポイントの言葉を出して来るの!?
私は内心気が気でない状態で、どうするればいいのか分からず完全に黙る事しか出来ずにいた。
落ち着け私! このまま黙っていたら、肯定してると思われるんじゃないのか? とりあえず一度否定して、直ぐに皆方に合流。
よし、この流れでいける!
「あははは、何言ってるんだよモラン。そんな訳ないだろ。ちょっと考え事してただけで意識が回らなかっただけさ」
「考え事?」
「そう。俺修学旅行楽しみにしててさ、それで浮かれちゃって次はどんな所を見れるのかを考えちゃってさ」
私は自分で苦しい言い訳だと思いつつも、とりあえず話を逸らしつつモランの疑いも逸らそうとした。
が、モランはまだ少し納得してない表情で何かを言いたげな顔をして、再び口を開こうとした時だった。
「何してるの、二人共」
「っ! ジュリル」
そこへ背後から声を掛けて来たジュリルに、二人は驚き顔を向ける。
「皆が待っているわ、クリス、モラン。続きの話をするなら座ってからで、お願いしますわ」
ジュリルはそう告げて皆が待っている席へと戻り始めると、モランは「ごめんなさい」と口にして皆の方へと歩いて行く。
私は安堵の息をつき、テラス席へと向かった。
席は運がいいのか、男子と女子の班で別れる様に座っており、モランとは真逆の位置の席に着いた。
それからは、ジュリルがおすすめのメニューを教えてくれ各自注文を決め、オーダーをするのだった。
昼食はそれらの食事を楽しみながら、雑談をしたり景色を見て有意義な時間を過ごした。
ちなみに私はどこからモランが先程の話を再びしてくるのではないかと、少しドキドキしていたがその様なそぶりは一切なく、先程の会話の続きをする事はなかった。
納得してくれた? それとも諦めたのかな? まぁ、どっちにしろ向こうから来ないのなら、それはそれで放置しておこう。
わざわざ自分から厄介事を突くのは、いい事なんてある訳ない。
私はそう考え、こちらからはモランの方へと暫く近付かない様に決めるんだった。
一方でモランは食後の時間に、シルマとミュルテに連れられ少し離れた空き席に引っ張られて密談を始めた。
「で、何か進展したんでしょうねモラン?」
シルマの問いかけにミュルテは頷いてモランの方を見る。
モランは急に連れてこられて何の話をしているのか理解出来ずにいると、二人はそんなモランの反応を見てため息をつく。
「モランちゃん、さすがに分かるでしょ」
「そうだぞモラン。クリスとの事に決まってるだろ。さっき二人きりだったし、何か話してたろ? アピールできたか?」
少しニヤニヤしながら聞いて来るシルマに、モランは「どうだろうね? 私にも分からないや」と少し首を傾げながら答えた。
モランの返事と表情から二人は思っていたものと違い、一度互いに顔を見合わせて小声で話し始めた。
「何かモラン、変じゃないか? いつもこの話題だと少し赤くなりながら答えるのに、今日は全然冷静だぞ」
「そうね。と言うより、何か考え事してる感じだよシルマちゃん」
二人はそっとモランの方を見ると、モランは景色の方を見つめつつ何かを考え込む表情をしていた。
「(やっぱり今日のクリスは何か変な気がする。それに、さっきの私が呼び捨てした件も、考え過ぎかもしれないけどいつもなら直ぐにどうしたのって訊いて来る気がするのよね)」
モランはそこで視線前へと戻し、シルマとミュルテ越しにクリスへと視線を向ける。
「(いやでも、そんな風に私が思うこと自体変なのかも。別に誰だって隠し事や知られたくない事はあるだろうし、それがクリスもあるのも薄々分かっている。それを気になるからってグイグイと行くのはどうなの?)」
その時、冬休み前に二人だけで話をした時の事をモランは思い出していた。
すると視線の先にいたクリスが立ち上がり、ジュリルと共に店内へと向かって行く。
モランはそのまま二人が歩いて行くのを追う様に視線を向けていると、シルマが話し掛けて来る。
「モラン、今あいつの事視線で追ってたろ?」
「え!? あっ……う、うん」
「(あれ、いつもみたいな反応に戻った)」
そこでシルマはミュルテに目配せをすると、ミュルテは軽く頷いた。
「モランちゃん、せっかくの修学旅行で男子側とは今日で一緒に居れる時間は最後なんだから、待っているだけじゃダメだよ」
「そうそう。チャンスは自分から作りに行かないと! もっとあいつと話をしたんじゃないのか?」
「それはそうだけど……」
「なら行くしかないじゃないモラン。ただでさえ人が多いんだから、二人きりは難しいぞ。今ならジュリル様と店内にいるだけ――あれ? 何で二人は店内に向かったんだ?」
「注文じゃないの? もしくは飲み物とりに行ったとか。ほらさっき店員さんが、セットメニュー頼んだ時に好きな飲み物をおとりくださいって言ってたでしょ。あれが一階にあるのよ」
「そう言えば、そんな事言ってた気が」
「メイン料理に夢中で聞いてなかったんじゃないの、シルマちゃん」
「あたいはそんな食い意地張って――ってそんな話は今いいんだよ! とりあえず、今二人だけのチャンスが作れるって事だ! だから行って来い、モラン」
「ジュリルちゃんもモランちゃんがクリスに話があるって言えば、二人だけにしてくれると思うよ」
「シルマ、ミュルテ……うん、分かった。私行ってくるよ!」
いつになく積極的な姿勢のモランに、少し二人は嬉しくなり小声で「頑張れ」「焦らないでね」と声を掛け、立ち上がったモランを見送った。
「(とりあえず、もう一度クリスと話してみよう。私の気にし過ぎなのかとか確かめる為にも)」
そう決意をしてモランはクリスとジュリルの後を追い、店内へと入り一階へと降りて行く。
するとタイミング悪く、テラス席の方でタツミが立ち上がり、同じ様に飲み物をとりに行こうと移動を始める。
が、シルマとミュルテはそれを見逃さずにすぐさま立ち塞がった。
「な、何だよ急に」
「飲み物か? 飲み物ならこっちに沢山あるから、好きなの選んでくれよ」
「ささ、こっちにどうぞ~」
「おい、ちょっと!?」
トウマはそのまま二人に押され引っ張られる様に、奥の席へと連れていかれるのだった。
そんな事がテラス席で行われている間に、モランは一階に降り飲み物をとる場所にいるはずのクリスとジュリルを探していた。
「(確か、こっちのはずだったけど)」
モランが柱に隠れながら探していると、一階のテラスの立食スペースに二人の姿を目にする。
そこで二人は何か話をしており、モランはそっと近付いて行くとその話が聞こえてしまい耳を疑った。
「さっきはありがとう、ジュリル。今の記憶がない俺の状態じゃ、いつボロが出るか」
「こんな外でその話は止めなさい、クリス」
「そうだな。軽率だった」
「記憶がないってどう言う事、クリス?」
モランはそのまま驚きのあまり、話している二人に向かって声を出していた。
二人は驚き、クリスは慌てるがジュリルは頭を抱え小さくため息をついた。
「い、いやこれはだな」
「変だとは思っていたけど、記憶がなかったのクリス? いつからなの? 私の事も覚えてないの?」
「違う、違う。さっきのは、その……」
「ジュリルは知ってたのね。クリスが記憶がなくなってるって事」
「……ええ、そうよ。でも私も昨日偶然知った所ですわ。なので、クリスに口止めされていて私も大事にする訳にはいかないと共感し、話さなかっただけですわ」
ジュリルは隠す事無くモランに対して答えた。
「ちょっとジュリル!?」
「もう隠しようがないですわ、クリス。だから外でその話はすべきではないと言っておきましたのに」
「っ……ご、ごめん」
「こうなった以上もう話して協力してもらう方が一番いいと思いますわ」
「そう、だね」
「モラン、クリスがこれまでの説明をしますので、もう少し近くに」
モランはジュリルにそう言われて二人に近付き、クリスから記憶を失った経緯やこれまでの話をされるのだった。
私は内心気が気でない状態で、どうするればいいのか分からず完全に黙る事しか出来ずにいた。
落ち着け私! このまま黙っていたら、肯定してると思われるんじゃないのか? とりあえず一度否定して、直ぐに皆方に合流。
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「何してるの、二人共」
「っ! ジュリル」
そこへ背後から声を掛けて来たジュリルに、二人は驚き顔を向ける。
「皆が待っているわ、クリス、モラン。続きの話をするなら座ってからで、お願いしますわ」
ジュリルはそう告げて皆が待っている席へと戻り始めると、モランは「ごめんなさい」と口にして皆の方へと歩いて行く。
私は安堵の息をつき、テラス席へと向かった。
席は運がいいのか、男子と女子の班で別れる様に座っており、モランとは真逆の位置の席に着いた。
それからは、ジュリルがおすすめのメニューを教えてくれ各自注文を決め、オーダーをするのだった。
昼食はそれらの食事を楽しみながら、雑談をしたり景色を見て有意義な時間を過ごした。
ちなみに私はどこからモランが先程の話を再びしてくるのではないかと、少しドキドキしていたがその様なそぶりは一切なく、先程の会話の続きをする事はなかった。
納得してくれた? それとも諦めたのかな? まぁ、どっちにしろ向こうから来ないのなら、それはそれで放置しておこう。
わざわざ自分から厄介事を突くのは、いい事なんてある訳ない。
私はそう考え、こちらからはモランの方へと暫く近付かない様に決めるんだった。
一方でモランは食後の時間に、シルマとミュルテに連れられ少し離れた空き席に引っ張られて密談を始めた。
「で、何か進展したんでしょうねモラン?」
シルマの問いかけにミュルテは頷いてモランの方を見る。
モランは急に連れてこられて何の話をしているのか理解出来ずにいると、二人はそんなモランの反応を見てため息をつく。
「モランちゃん、さすがに分かるでしょ」
「そうだぞモラン。クリスとの事に決まってるだろ。さっき二人きりだったし、何か話してたろ? アピールできたか?」
少しニヤニヤしながら聞いて来るシルマに、モランは「どうだろうね? 私にも分からないや」と少し首を傾げながら答えた。
モランの返事と表情から二人は思っていたものと違い、一度互いに顔を見合わせて小声で話し始めた。
「何かモラン、変じゃないか? いつもこの話題だと少し赤くなりながら答えるのに、今日は全然冷静だぞ」
「そうね。と言うより、何か考え事してる感じだよシルマちゃん」
二人はそっとモランの方を見ると、モランは景色の方を見つめつつ何かを考え込む表情をしていた。
「(やっぱり今日のクリスは何か変な気がする。それに、さっきの私が呼び捨てした件も、考え過ぎかもしれないけどいつもなら直ぐにどうしたのって訊いて来る気がするのよね)」
モランはそこで視線前へと戻し、シルマとミュルテ越しにクリスへと視線を向ける。
「(いやでも、そんな風に私が思うこと自体変なのかも。別に誰だって隠し事や知られたくない事はあるだろうし、それがクリスもあるのも薄々分かっている。それを気になるからってグイグイと行くのはどうなの?)」
その時、冬休み前に二人だけで話をした時の事をモランは思い出していた。
すると視線の先にいたクリスが立ち上がり、ジュリルと共に店内へと向かって行く。
モランはそのまま二人が歩いて行くのを追う様に視線を向けていると、シルマが話し掛けて来る。
「モラン、今あいつの事視線で追ってたろ?」
「え!? あっ……う、うん」
「(あれ、いつもみたいな反応に戻った)」
そこでシルマはミュルテに目配せをすると、ミュルテは軽く頷いた。
「モランちゃん、せっかくの修学旅行で男子側とは今日で一緒に居れる時間は最後なんだから、待っているだけじゃダメだよ」
「そうそう。チャンスは自分から作りに行かないと! もっとあいつと話をしたんじゃないのか?」
「それはそうだけど……」
「なら行くしかないじゃないモラン。ただでさえ人が多いんだから、二人きりは難しいぞ。今ならジュリル様と店内にいるだけ――あれ? 何で二人は店内に向かったんだ?」
「注文じゃないの? もしくは飲み物とりに行ったとか。ほらさっき店員さんが、セットメニュー頼んだ時に好きな飲み物をおとりくださいって言ってたでしょ。あれが一階にあるのよ」
「そう言えば、そんな事言ってた気が」
「メイン料理に夢中で聞いてなかったんじゃないの、シルマちゃん」
「あたいはそんな食い意地張って――ってそんな話は今いいんだよ! とりあえず、今二人だけのチャンスが作れるって事だ! だから行って来い、モラン」
「ジュリルちゃんもモランちゃんがクリスに話があるって言えば、二人だけにしてくれると思うよ」
「シルマ、ミュルテ……うん、分かった。私行ってくるよ!」
いつになく積極的な姿勢のモランに、少し二人は嬉しくなり小声で「頑張れ」「焦らないでね」と声を掛け、立ち上がったモランを見送った。
「(とりあえず、もう一度クリスと話してみよう。私の気にし過ぎなのかとか確かめる為にも)」
そう決意をしてモランはクリスとジュリルの後を追い、店内へと入り一階へと降りて行く。
するとタイミング悪く、テラス席の方でタツミが立ち上がり、同じ様に飲み物をとりに行こうと移動を始める。
が、シルマとミュルテはそれを見逃さずにすぐさま立ち塞がった。
「な、何だよ急に」
「飲み物か? 飲み物ならこっちに沢山あるから、好きなの選んでくれよ」
「ささ、こっちにどうぞ~」
「おい、ちょっと!?」
トウマはそのまま二人に押され引っ張られる様に、奥の席へと連れていかれるのだった。
そんな事がテラス席で行われている間に、モランは一階に降り飲み物をとる場所にいるはずのクリスとジュリルを探していた。
「(確か、こっちのはずだったけど)」
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そこで二人は何か話をしており、モランはそっと近付いて行くとその話が聞こえてしまい耳を疑った。
「さっきはありがとう、ジュリル。今の記憶がない俺の状態じゃ、いつボロが出るか」
「こんな外でその話は止めなさい、クリス」
「そうだな。軽率だった」
「記憶がないってどう言う事、クリス?」
モランはそのまま驚きのあまり、話している二人に向かって声を出していた。
二人は驚き、クリスは慌てるがジュリルは頭を抱え小さくため息をついた。
「い、いやこれはだな」
「変だとは思っていたけど、記憶がなかったのクリス? いつからなの? 私の事も覚えてないの?」
「違う、違う。さっきのは、その……」
「ジュリルは知ってたのね。クリスが記憶がなくなってるって事」
「……ええ、そうよ。でも私も昨日偶然知った所ですわ。なので、クリスに口止めされていて私も大事にする訳にはいかないと共感し、話さなかっただけですわ」
ジュリルは隠す事無くモランに対して答えた。
「ちょっとジュリル!?」
「もう隠しようがないですわ、クリス。だから外でその話はすべきではないと言っておきましたのに」
「っ……ご、ごめん」
「こうなった以上もう話して協力してもらう方が一番いいと思いますわ」
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