とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第483話 過信

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「レオン!」

 私の呼びかけにレオンは驚いたのか身体を少しビクッとさせ振り返った。

「クリスか」
「何してるんだ、こんな所で? というか、さっき何か探してなかったか?」

 先程レオンの姿を見て気になって声を掛けた事を明かすと、レオンも慌てていた理由を教えてくれた。

「これをトウマたちから受け取って、早く学院内に届けようと思ってな」

 そう口にして取り出したのは、鍵の形状をし青白く光る物であった。
 私はそれを目にした瞬間、それが解除コードなのではないかと思い訊ねるとレオンは頷く。

「トウマから訊いた話では学院内に入れる抜け道があるって言っていたから、それを探していたんだが」
「それならこっちだよ」
「クリス、知っているのか?」

 レオンの疑問に私は少し前までタツミたちと共に第一の結界を抜けらる場所から内部を確認していた事を伝え、その場所へと案内しようと歩きだす。
 だが途中で私は足を止めた。

「? どうしたんだクリス?」
「いや、俺が案内するよりも先にマイナ学院長やタツミ先生に報告すべきだと思って。つい勢いで歩き出しちゃったけど、それが先だよな」

 そのまま私は回れ右をし、皆が居る方へと歩き出そうとしたがレオンに止められる。

「確かにそうだけど、今回は大丈夫なんだよ。今頃マックスが追い付いてきていて報告してくれている頃だからさ」
「マックスが? そもそもレオンはどこでトウマたちと会ったの? 奪取組のサポート班にも居なかったよな?」
「別の結界内に居たんだ。そこでトウマたちと会って、そのサポート班と偶然出くわして、協力する事を申し出たんだ。で、僕が解除コードを先に届けマックスが報告役になったんだ」
「わざわざ役割を分けたの? 別に分ける必要なんじゃ」
「それが途中で王国軍の隊長に捕まりそうになって、バラバラになったんだよ。それで偶然僕が解除コードを持っていたから、そこで通信用魔道具でやり取りしてそうなったんだ」

 私はそれからもう少し詳しくレオンからその当時の状況を訊き、状況を理解した。
 とりあえず分かったけども、このまま勝手に案内していいものなの? どっちにしろ一旦はタツミ先生ないしは、マイナ学院長に伝えてどうするべきか確認すべきよね。
 トウマたちはいち早く解除させようと思って託したのかもしれないけど、勝手に判断していい事ではない気がする。
 私はレオンの話を聞いたうえでそうすべきだと改めて判断し、レオンにも話し連れて行こうとしたがレオンは勝手に学院の壁周辺を触り抜け道を探し始めていたのだった。

「ちょっと、レオン!」
「状況はトウマたちから聞いているんだ。一刻を争うんだろ? だったら、早く届けないと」
「いやだから、それをするかはタツミ先生などに聞いてにすべき」

 と、私がレオンに話しているとレオンは偶然かタツミが作った抜け道を偶然見つけ、勝手に中へと入って行くのだった。
 え、嘘!? 入った!? ていうか、見つけられたの!?
 私はそのまま中へと消えて行ったレオンの姿を見て、どうしていいか分からず立ち尽くしてしまう。
 えーと、えーと、こういうときはどうすればいいの? 呼びに行くべき? それとも追うべきなの?
 あたふたしながら私は、行ったり来たりを繰り返し続けた後、私はこのまま勝手に何かされるのは避けるべきだと思いレオンの後を追い、連れ戻す事にした。
 第一の結界を私はタツミが作った抜け道を使い通り抜け、学院内に入りレオンの姿を探す。
 そして自分がタツミと調査した方にレオンの後ろ姿を目撃し、走って後を追いレオンの腕を捕まえる。
 急に腕を掴まれた事でレオンは止まった。

「ちょっと待ったレオン!」
「……どうして止めるんだクリス? 皆を助けたくないのか?」
「いや、そうじゃないよ。状況が分からないから、慎重に進めるべきだって言いたいの! 俺たちが勝手に何かして、状況が悪くなったら最悪だろ? その解除コードをすぐに使うべきかは、一度マイナ学院長に相談すべきだよ」
「……確認だが、まだ学院内から誰も出てきていないんだよな?」
「? そう聞いているけど、急に何?」

 すると急にレオンは一度深呼吸をした。

「そうか。分かった。僕も少し話だけを聞いて焦り過ぎていたのかもしれないし、僕が託されたからやらなきゃって思ってた節があったかもしれない」

 私はレオンのその言葉を聞き、冷静になって私の言葉を理解してくれたのだと安堵の息をついた。
 そしてレオンは私に近付いて来て、手にしていた解除コードを私に渡して来た。

「これは、クリスが持っていてくれ」
「え、俺が? 別にレオンが持っててもいいって」
「いや、僕が勝手に突っ走ってしまった事もあるし、頼む」
「っ……分かった」

 私は断って変にここで時間を使うべきじゃないと思い、しぶしぶレオンから解除コードを受け取った。
 そのまま私は来た道を戻り始めるが、そこでレオンが後ろから声を掛けて来た。

「クリス、もし今すぐこの結界内に入れるなら入りたいか?」
「また変な質問を。俺だけ入れても意味がないだろ? 何が出来るって訳じゃないんだから」

 レオンに対して私は足を止めずにそのまま歩き続けながら答えると、レオンからは「そうか」と聞こえた。
 その後特に後ろを振り返ることなく歩いていると、ふと以前レオンに伝えようとしていたことを思い出してしまう。
 今思い出すべき事ではないのだが、次にレオンと二人だけになった時に伝えようとしていたことであったので、偶然にも今がその状況であった為か頭の片隅から飛び出て来たのだ。
 だが、この状況で伝えるべきことではないので私はグッともう一度頭の片隅へとその言葉を押しやった。
 言おう、言おうとしていたんだけど、いざやろうとすると踏みとどまってしまった私が悪いんだけども、ここで思い出す普通?
 そう自分につっこむように自問自答していると、遠くからこちらに向かって来る人影が目に入り私は足を止めた。
 誰か来るな。もしかしてレオンがさっき言ってたマックスからの報告を聞いて、タツミ先生たちが探しに来たのかな? そうなるとこの状況は、私が連れ込んだ的な事になるかな。
 私はどう状況を説明すべきかに頭を回転させていると、私の前にやって来たのは思いもしない人物であった。

「クリス!? どうしてここに?」
「っ!? え、ちょっレオン!? いやでもレオンは後ろにいるし、え、え!? 何?」
「クリス! ひとまずこっちに来い!」

 そう口にしたのは、私の前にやって来たもう一人のレオンと一緒にやって来たルークであった。
 だが、私は状況が理解出来ず咄嗟に動く事など出来なかった。
 すると突然背後から両腕を掴まれ引き寄せられ、腕を後ろで拘束され口元も押さえつけられてしまう。

「うっぐうっ!?」
「はぁ~もうちょっとゆっくり来てくれよ」

 そう呆れた様に私を背後から拘束したレオンが口にするのだった。
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