とある令嬢が男装し第二王子がいる全寮制魔法学院へ転入する

春夏秋冬/光逆榮

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第485話 ふてくされる

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「おい見ろ! 校舎入口に何人かいるぞ」
「でも何か向こうも出られない雰囲気そうだぞ」
「この目の前にある結界と同じ様に、目を細めると向こうにもこういうのがある様に見えるぞ」

 正門前に集まっていた学院生たちが騒ぎ始め中へと入ろうと迫り始めるが、教員方が学院生たちを前で止める。
 そんな光景を後ろの方からオービンたちが見つめていた。

「こっからだと、エリスがあそこにいるのかは分からないな」
「そのフェンっていう奴と一緒にいるんじゃないのか?」
「いや、そうじゃないみたいだね。フェンがここから見えるあの集団にいるみたいだし」
「じゃエリスはあいつと会えてないって事なんじゃないのか」
「その可能性もあるけど、フェンがわざわざ研究室を出ている時点で何かしらの接触があって、外に出ていると考えられる」

 ミカロスはそう口にし、それをエリスがフェンと接触したからだと考えるのだった。
 オービンもその場から遠く離れた校舎入口を見つめ、再度エリスがいるかどうかを確認したが、エリスの姿は見られなかった。

「(フェンの性格上ミカロスの考える通り、エリスが中に侵入出来て接触したと考えるのが妥当かな。侵入者側が接触したという線もあるが、そもそも彼女の居場所自体偶然見つけられるものじゃないから、その線は薄いはずだ。それじゃ仮にフェンと協力出来たとして、何故エリスがあの場にいない? 内部で侵入者との戦闘があり、負傷または足止めとうをしはぐれている。または、校舎内にて別行動をとっているか。どちらにしろ、こちらからの連絡手段であった通信用魔道具も使えない今、状況把握は難しいな)」

 エリスに持たせていた通信用魔道具との連絡が取れない為、手に持っていた通信用魔道具をオービンは一度しまう。
 するとそこでヒビキが口を開く。

「オービン、それしまうなら俺によこせ」
「どうしてだい?」
「しまって、偶然連絡があったらどうするんだよ。ずっと持っているのが面倒なら、俺が持っててやるからよこせって言ってんだ」

 ヒビキの言葉にオービンは小さく笑う。
 それに対しヒビキは「何笑ってるんだ」と言い返す。

「なんだかんだ優しいなって」
「っ! う、うるせぇ!」

 顔を背けるヒビキに対しオービンはしまった通信用魔道具を取り出し、ヒビキに渡した。

「オービン、あそこ。王国軍とマイナ学院長」

 ミカロスがそう指をさし、オービンとヒビキがその方に視線を向ける。
 視線の先には正門から離れた場所にて、王国軍数名とマイナが話し合っている姿があった。

「王国軍も来ていたのか。オービン、ひとまず話を聞きに行くか? エリスの件もあるし」
「そうだな。何を話しているのかも気になるし、協力できることがあるかもしれないしな」

 そうしてオービンたちは、マイナと王国軍が話している場所へと向かって行くのだった。


 ――作戦室にて。


 タツミを先頭にしルークたちが作戦室にやって来る。
 既に作戦室には、ダンデやロムロスたちが集まっていた。

「これで奪還組は全員だな。他にサポート班にレオンが追加か」

 レオンは奪還組からある程度の状況を聞いた状態でこの場に参加していた。
 サポート班ではクリスと共に居た、シンリ、ガードル、ピースとケビンが作戦室内にいた。
 そしてタツミ主導の下、状況整理を行い始める。
 まずは奪還組の行動から始め、最初の結界内にて解除コードを奪取するまでの経緯の説明を行う。
 その中で偶然レオンと遭遇し協力してもった話しもする。

「それで、その後サポート班と合流したんだな?」
「はい。マックスと合流出来、解除コードを渡しました。そして、サポート班と別れ次の結界を目指し始めた時にまたマックスと会ったんです」

 トウマはそう口にしながら、強く手を握りしめていた。
 トウマたちの説明曰く、もう一人のマックスと出会った後先程解除コードを渡した相手が偽者だと判明し、数名ごと班になり解除コードを渡したマックスの捜索を行った。
 そしてダンデの班がそのマックスを捕らえたと連絡があり、向かうも解除コードを持っているはずのマックスは既に解除コードを持っていないと判明する。
 更に捕まえたマックスは、偽者ではなく本物だったのだ。
 つまりは、その後に出会ったマックスこそが偽者でトウマたちを混乱させ、更にはバラバラになる様に仕向けたのだった。
 元々解除コードを持っていたマックスは、レオンがルークたちから預かる様にと言われているという言葉を信じ渡したと明かしたのだ。
 するとそこにルークと共に行動していたレオンが現れるが、ルークの証言からマックスと接触した相手が本物ではなく偽者だと判明する。
 その後、レオンが向かった先が学院方面であった事からルークとレオンがいち早く追いかけたのであった。

「そうか、それで先程の状況に繋がる訳だな」
「……はい」

 トウマの返事に対し、ルークは奥歯を強く噛みしめ俯き、レオンは申し訳なさそうな顔をした後視線を下に落とした。
 そんな中ダンデがルークたちが結界内で何があったのかの説明を求め、タツミが簡易的にこの場の全員に対し説明を行った。
 その説明を聞き、思わぬ状況に皆は驚いてしまう。
 どうしてクリスが? 人質か? 内部の結界を通り抜けられた? 何が目的なんだ?
 などと皆が動揺してなのか思った事を口に出し始めると、タツミが一度手を叩く。

「いいか、まず最初に言っておくが絶対に勝手な行動はするな。これ以上余計な事態を招きかねない。いいな? 特にルーク、それにレオンお前たちだ」
「……分かりました」

 レオンは返事をしたが、ルークは黙っているとタツミがもう一度強く「いいな?」と訊くと「……分かったよ」と返事をする。
 それを聞いた後タツミが今後についてマイナと相談するので、一度トウマたちには待機を言い渡した時だった。
 作戦室にマイナが戻って来る。
 いいタイミングでやって来たのでタツミが声を掛けようとしたが、マイナの後ろから数名が付いてやって来た。
 その人物たちを見て一番最初に反応したのは、ルークであった。

「っ兄貴!?」
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