36 / 40
三田さん
三田さん②
しおりを挟む
電車の外をよくみると一両だけのようだ。形も変。流線型の最新の新幹線のよう。
車内の電光掲示板に文字が流れる。
『木島町2丁目の真理亜ちゃん宅に停車します』
木島?僕の故郷だ。しかも僕の実家も2丁目。
電車が動きだす。
と同時に木島の町並みが車窓に、しかも空高く上空からうつしだされる。
『あぁ懐かしい・・・』
思わず口からでた言葉だった。涙がこぼれそうになる。泣かない。しかし、目の奥に熱くなるモノを感じた。
よく遊んだ公園。友達の家。学校。そして僕の家。
僕の家!
『到着しました』
電光掲示板が文字を流す。
僕の・・・実家だ。
列車は急下降し雪の降り積もる僕の実家の裏へと降りた。
『シューッ!』
扉が開き外へでる。確かに僕の実家だ。時間はもう0時をまわっていた。辺りは街灯の光だけが雪をてらしている。
僕が電車?から降りると電車は水のようにうねりながら、消えていった。
さて、、、、サンタって煙突から入るんだよな、、そんな事を考えながら家を見返す。
しかし煙突なんか無い。
恐る恐る玄関の方へと足をやる。
『ガチャ』
開いた。真っ暗な家の中を見た瞬間記憶は一気に5年前にもどる。家の中の匂いもあのまま。そう僕の故郷。
でも、、真理亜ちゃんって?
僕には3つ年上の兄がいる。連絡もとっていない。親の反対を押しきり就職し家を出たのだ。連絡もくる事もなく、時は過ぎていた。
真理亜ちゃんって、まさか、
兄は結婚していたのだ。子供も産まれていた。その子が真理亜だった。
暗い家の中でも歩けた。思い出したのだ。廊下を進むと甘い香りがする部屋があった。
真理亜の部屋だ。
そこにはまだ1歳にもならないような赤ちゃんが眠っていた。
兄夫婦も隣で眠っていた。
『帰ってきたよ。俺。』
寝静まった部屋で、小声でつぶやく。
また、涙が出そうになった。
幸せな家庭がそこにはあった。
僕は4畳半のアパートで一人。朝から晩まで働いて。一人。
『良いな。家族って』
心からそう思った。暖かい空気がクリスマスの夜を包んでいた。
その時、僕は気付く。
『プレゼント・・・持ってきてない・・・』
三田はサンタになったのにプレゼントを持っていなかった。
『どうしよう・・・』
車内の電光掲示板に文字が流れる。
『木島町2丁目の真理亜ちゃん宅に停車します』
木島?僕の故郷だ。しかも僕の実家も2丁目。
電車が動きだす。
と同時に木島の町並みが車窓に、しかも空高く上空からうつしだされる。
『あぁ懐かしい・・・』
思わず口からでた言葉だった。涙がこぼれそうになる。泣かない。しかし、目の奥に熱くなるモノを感じた。
よく遊んだ公園。友達の家。学校。そして僕の家。
僕の家!
『到着しました』
電光掲示板が文字を流す。
僕の・・・実家だ。
列車は急下降し雪の降り積もる僕の実家の裏へと降りた。
『シューッ!』
扉が開き外へでる。確かに僕の実家だ。時間はもう0時をまわっていた。辺りは街灯の光だけが雪をてらしている。
僕が電車?から降りると電車は水のようにうねりながら、消えていった。
さて、、、、サンタって煙突から入るんだよな、、そんな事を考えながら家を見返す。
しかし煙突なんか無い。
恐る恐る玄関の方へと足をやる。
『ガチャ』
開いた。真っ暗な家の中を見た瞬間記憶は一気に5年前にもどる。家の中の匂いもあのまま。そう僕の故郷。
でも、、真理亜ちゃんって?
僕には3つ年上の兄がいる。連絡もとっていない。親の反対を押しきり就職し家を出たのだ。連絡もくる事もなく、時は過ぎていた。
真理亜ちゃんって、まさか、
兄は結婚していたのだ。子供も産まれていた。その子が真理亜だった。
暗い家の中でも歩けた。思い出したのだ。廊下を進むと甘い香りがする部屋があった。
真理亜の部屋だ。
そこにはまだ1歳にもならないような赤ちゃんが眠っていた。
兄夫婦も隣で眠っていた。
『帰ってきたよ。俺。』
寝静まった部屋で、小声でつぶやく。
また、涙が出そうになった。
幸せな家庭がそこにはあった。
僕は4畳半のアパートで一人。朝から晩まで働いて。一人。
『良いな。家族って』
心からそう思った。暖かい空気がクリスマスの夜を包んでいた。
その時、僕は気付く。
『プレゼント・・・持ってきてない・・・』
三田はサンタになったのにプレゼントを持っていなかった。
『どうしよう・・・』
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
0
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる