夫は妹の虜になってしまい、私と離婚をして一緒に暮らす計画を立てているようです。

マミナ

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夫は妹の虜になってしまい、私と離婚をして一緒に暮らす計画を立てているようです。(終)

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数日後、私は夫と妹から呼び出された。

「僕は君の妹・アリシアを愛している。今まで妻として一緒に暮らし支えてくれた君には申し訳ないと思っているが僕は一人の女性として愛する事が出来ない、だからお願いだ僕と別れてくれないか。」

「ごめんなさい、お姉様には悪いと思っているけどこれは事実なの…、どうしてもあなたよりも私の方を愛していると本気で思っているから…。」

口ではそう言っているけど内心では全くそう思っていないのがバレバレで私の方から離婚の申し出をする事を本当は望んでいるのが見て取れた。

まあ、別に良いけど、これから後悔する事になるんだから。

「ええ、構いませんよ私の方も望んでいる事ですので。」

そう答えた私に妹は目を輝かせ笑顔になるが、

「私と離婚をして新しくご夫婦になるのはよろしいでしょうがその前にアリシア、あなたは私と夫に御自分の夫の事で嘘をついた事に対しての報いはしっかりと受けて貰いますわよ。ご覧の通り、探偵事務所に調査を依頼していましたので今までのあなた達の考えていた計画と本当の夫婦関係の事全てちゃんとした証拠がございますので。勿論、私と夫の両親、あなたの夫にも事前に見せていますので、後で沢山慰謝料を請求出来ますわ。」

ニコやかに話す私に夫と妹は次第に青ざめ、震えた手で夫は書類を手に取るとそこには妹の夫が暴力を振るった経緯が書かれていた。

実は、元々妹は大の男好きで美人でモテるのをいい事に何人もの男性と同時に付き合う事も珍しくなくいつも私や両親を困らせていた。

しかも、友逹の恋人を奪う事もあって一度は両親から厳しく叱られたこともあった。

結婚をしてからも実は何も変わっていなくて何人もの男性と浮気を繰り返し、その度に夫の財産を使い込んだり、家事を全くしないだらけ切った生活をする妹に怒りを覚え厳しく叱るも開き直った様に激しい怒りを向けられ罵詈雑言を言われた為に手を出してしまったたというのが真相だった。

私が見た妹の夫は誠実で真面目な性格なのか彼女に手を出してしまった事を後悔していて、しかも他人の夫と浮気していた事に激しくショックを受けていた。

「嘘だろ……なんとか言ってくれよ……今までの優しい君は嘘だったのか…こんな酷く身勝手な理由で夫とは別れたいと言っていたのか……しかも僕にこの事を隠しとうしていたのか……ふざけないでくれ給え!!アリシア、君との結婚は無しにしてもらう!!」

夫は妹に激しい怒りをぶつけた後で、

「すまない…今まで悪かった、だからこのろくでなしの妹と別れるから僕とまたやり直してくれないか…頼む、今度は君の事を大切にするから……。」

慌てて謝罪をしてくる夫と、

「私の方こそ悪かったわ、だからお願い…お許しくださいませ!!他に行く所がございますわ!!」

泣きながら許しをこう妹に、

「いいえ、私はもうあなた達と会うのはこれで最後に致しますわ、今までどれだけ尽くしてきたと思ってるの。今更謝罪をしたところでもう手遅れだわ。もうあなた達とはもう会いたくなんてありませんもの。」

冷たい目で言い放った後はガクリとうなだれるる夫と妹に見向きもせずにその場を立ち去った。

それからというもの、夫と妹は両親の援助を打ち切られた上に妹の方は自身の夫から離婚をされ、無一文となり娼館で働く事になり、夫の方も全てを失い危険な仕事に無理矢理働かされる様になった。

夫と離婚をした私はその後、両親と一緒に暮らし、数年後に外で働き始めた。

そこで知り合った男性と付き合った後でプロポーズをされ、結婚式を挙げた後夫婦となった。

新しく夫になった男性はとても一途に私を愛してくれてすごく幸せな生活を送っている。

―終―

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