推しを人気ものにしたい!!

推しを人気ものにしたい!!

今大人気のアニメ「キラキラ☆レボリューション」
のアニメーターの一人である私には推しているキャラクターがいる｡

それはこの作品のヒロインの一人・セレナ・グランドルク｡

緑髪のロングヘアーのルビーの瞳を持つ控え目ではとってもカワイイ少女｡

しかもこの作品のメイン舞台となるロスタリカ王国の第一王女で作中で最も治癒魔法に優れた天才であるという立派な肩書を持つ美少女｡
けれど

だけど視聴者やグッズ､イベント等での人気はいつも下から数えた方がいい位の不人気まっしぐら…。

何故なんだと彼らに心の中で疑問に思っていたが､それによると、
・他のヒロインに比べて容姿に華がなさすぎ。
・ヒロインの1人なのに出番や活躍が殆どないし、主人公や仲間の足を引っ張る描写があって不快な気分になる｡
挙げたらキリがない程のアンチ的なコメントばかりがあふれていて見てて不愉快な気分にさせられるが、その殆どが作中での描写に対して的を得たものが多い…悔しいけれど。

それに対して人気No.1のヒロイン・アリシナ・ポリストルには、
・美人で強くて一途なヒロイン!大好きです!
・最初は気が強くて暴力的な所が多くて嫌いだったけど､次第に他人を思いやる優しさや敵の幹部と戦いや主人公や仲間と一緒にラスボスを倒す展開はすごく熱かったです!
・ヒロインの中で彼女が一番の美人､カワイイ!!
というアンチ的なコメントは意外と少なく､推しのコメントが圧倒的に多い。

なんなんだこの差は!?

私は実はアリシナ・ポリストルが嫌いだ!

作中でも上位に入る位には。

彼女の見た目は確かにヒロインの中では金髪碧眼のショートヘアーでスタイル抜群､グッズやコラボイベント等では常に主人公の隣に立っていて他のヒロインよりも目立つ位置立っても違和感のない華のあるキャラクター｡

でも私にとって嫌なのはその男勝りで気が強く､すぐに拳を振るうし､戦闘になるとその強さで周囲のキャラクター達ビクビクと震えあがらせてしまう。

そんな事、言語道断である!!

それに比べて私の推しであるセレナは下手に出しゃばらず、女性としての嗜みを全て心得ている完璧な美少女であるというのに何故こうも不人気なのか…絶対に許せない!!

こうなったら愛しのセレナをあの女に負けないくらいの人気No.1ヒロインにして見せる!!

幸い私の他にもこの会社にはセレナのファンが沢山いるのだからメディアやグッズ等で嫌いなアリシナよりも目立つセンターの位置にいるようにし、アニメ内での出番や活躍を盛る事にした。

そうすればセレナの人気は爆発的に上がりNo.1ヒロインに成り代わる事が出来るはずだ!!

しかし､実際はそうはならず、前回よりも順位が上がったものの依然として不人気のまま｡

視聴者や作品のファンからは､
・見た目が地味で人気も低いのになんでアリシナよりもセンターにいるの?ここ最近多すぎ｡
・他のキャラクターの出番を減らしてコイツのに出番を増やすなんて酷い､不人気のにくせに!!
・足を引っ張る描写が多くなっているからイライラする｡

というアンチ的なコメントがものすごく増えている。

私は流石にキレた。いや、私だけではない、この会社のセレナファンだって案の定同じ事を思っている。

くそう、こうなったら仕方がない出番や活躍シーンを増やしても効果がない…。

そうだ､思いついた!!

大嫌いなアリシナや他のヒロインが何故人気があるのかを徹底的に調べ上げ､その描写や設定等を付け足し､アリシナや他のヒロインを悪く描写をすれば今度こそ人気者になるはずだ!!

実行に移した私達は、アニメ内にてセレナの容姿をアリシナの様な釣り目かつ金髪にしよう!
それでもロングヘアーはそのままで｡

しっかりとしている性格にしよう!

使える魔法も治癒以外に攻撃魔法も使える様にしよう!!

そうすれば戦闘において大きな活躍が期待できるぞ!!

そう張り切って私達は実行した。
その時からだ…私の同士がまた1人､また1人見るも無惨な死体となって発見されたのは…。

恐怖のあまり警察に調査を依頼した。

けれどいくら刑事が調べても犯人の手がかりや証拠も何一つとして見つからないという…。

何一つとして…。

それからまた1人､また1人と同士が無惨な形で死んでいく。

何故だ､何故犯人が未だに捕まらないんだ!!一体警察は何をやっているんだ!!

心の中で激しく狼狽えかけてるその時､
パッと部屋中が暗くなり､電源を切った筈のパソコン画面が開いた。

画面の中から出てきた少女は全身の肌が剥がれているのか血管がから浮き出て、赤い血に染まったあまりにもおぞましい姿をしている。

そうだ…思い出した……私の同士の死んだ姿によく似ている…。

違うと言ってくれ!!

『貴方のせいよ……｡』

静かで控え目でありながらも激しい憎悪にまみれた恐ろしい表情をしている…。

どういう事なんだ!!私が一体何をしたっていうんだ!!君は一体誰なんだ!!!?

目の前にいる少女に向かって大湖で叫ぶ｡
ガクガクブルブルと全身を震えた上がらせながら…。

『忘れたの……私を…なんて奴……あんなに酷い事をしておいて…貴方のせいで､こんな醜い姿になったというのに､絶対に許さない!!』

私の前で憎悪にまみれた彼女は恐怖のあまり逃げ出そうとする私に、

ブンッ!!

ブシャアアアアアアアア!!

目にも止まらぬ速さで私の腹を切りつけた。

イタイ!!イタイ!!イタイ!!イタアアアァイ!!

激しい激痛が走った為､床に倒れ込みのたうち回った挙げ句、

やっやめろ､やめてくれ――!!!

鼻水を垂らしなが泣き叫び続けたが、

『許さないって…言ったでしょ…｡』

邪悪な笑みを浮かべた彼女は私の心臓に刀を向け､

グサッ!!

と突いたのでその瞬間､

ガクッ!!

と倒れ込んだままピクリとも動かなくなった。

そう…私はこの場で死んだのだ…。

しばらくすると彼女は私の死体を見下ろし、

『死んだ貴方達に教えてやるわ…私はセレナ､セレナ・グランドルクよ!!!』

そう､私とその同士が彼女に対して容姿や性格全てを否定し､別人に作り変えた復讐を完了する為に…。

忌々しげに吐き捨てた後､私の体をビリビリと剥ぎ落としていく……。