公爵は妻となった私よりも浮気相手を本気で愛し、新たな妻にしたいと思っていますが、絶対に許しません!

ウェルヘムの回想③

私はスカーレットとの優雅で楽しいダンスパーティーが終わり、その後も恒例のイベントや豪華なディナーを終えたた後で、夜空の星が辺り一面に輝く美しい景色が眺める塔の中に着いた｡

塔の中は暖炉の灯りで暖かな光に包まれ､アンティークの家具や絨毯が重厚な雰囲気を醸し出している。

窓からは星が輝く夜空が広がっている。

美しい!

私自らスカーレットの為にこの場所をセッティングして本当に良かった｡

私は内心では大喜びでも、表情に出したりしない。

あくまで冷静を装うのだ。

「お気に召しましたか?ここは私が密かに好きな場所で夜の夜空は特に美しいです。」

「あなたとの時間は、何とも言えない安らぎを与えてくれてありがとう、ウェルヘム様。だけど、貴方には奥様が…。」

愛らしい笑顔を見せてくれた後で、表情を曇らせてしまうスカーレット。

「家族との調和を保つ事も大事ではあるが、私自身は､妻との関係に内心では辟易してしまっている｡だからこそ時には今の自分自身から解き放ってくれる素敵な女性を探していたが､それが君自身だよスカーレット。」

優しく見つめた後で、私は彼女に甘い言葉を囁く。

すると彼女は頬を赤めながら私を上目遣いで見つめてくれる。

「本当にありがとうございます、ウェルヘム様｡あなた程のお方が私の様な者を本気で愛してくださってくださるのですね…。」

「ああ、そうだよ。私は初めて見たときから君の美しさや、その慎ましくて暖かな表情を見せる君に一瞬で心を奪われてしまった。これは紛れもない事実｡だからこそ私はこの美しい景色を眺める豪華な塔を待ち合わせ場所に選んだんだよ、スカーレット。」

私は事実を言ったまでだよ?スカーレット。

真剣に彼女に告げる私に彼女はうっすらと涙を浮かべる。

その儚さと言ったら…!!

スカーレットは私にこう告げる

「ウェルヘム様、私もあなたの事がすきです、本気であなたを愛しています。奥様がおられるのは分かっていますが、それでも心の中ではあなたをお慕いしていました。まさか、あなたも私の事を本気で愛してくださって……私は今、すごく幸せですわ｡」

眩い笑顔を綻ばせるスカーレットに私は……なんて美しいんだ!!!と内心では卒倒しかけたが､それをおくびにも出さずに爽やか笑顔を向ける。

「君と私との関係は決して許されるものではないが、それでも君は私との関係を続けたいか?」

質問はして見るが、彼女の表情から見るともう答えは決まっているみたいだ。

スカーレットは答える。

「あなたの様な素敵な殿方と一緒にはいることが私にとっての一番の幸せですわ｡だからこれからもあなたとお付き合いをしていきたいと思っておりましたので、私で良ければ…。」

スカーレットが緊張しながら答えを出した瞬間、あまりの彼女の愛おしさに私は思わず彼女を抱きしめる｡

スカーレットもまた､同じように私を強く抱きしめた。

その後二人は窓際の椅子に座り､夜空の美しい景色を背にしながら深い会話を続けた。