怖い日常

マミナ

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呪われた絵画

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夜の美術館は静かだった。

私、警備員の佐藤は、いつものように巡回を゙始める。

いつもここの美術館の夜は不気味だなぁ…。

私は、仕事で仕方がないとはいえ、この美術館の夜の薄暗い雰囲気には慣れていなかった。

それでも仕事だから仕方がないと割り切っているのだが。

新しい展示品、古い肖像画が今から公開された。

その絵画の前で立ち止まると、何故か背筋が凍るような感覚に襲われる。

「こんなこともあろうかと…」と、私はポケットからお守りを取り出し、絵画に向かって小さく祈る。

しかし、その時、絵画かの中の人物が微笑んだように見えた。

「気のせいか…さっきから絵の中の人物の表情が変わったような…?」

絵画を見ながら、つぶやき、私は巡回を続ける。

しかし、その夜から奇妙ななことが起こり始めた。

絵画の前を通るたびに、囁やき声が聞こえる。

そして、訪れた者たちが一人また一人と消えていった。

ある夜、私は何故か絵画の前で目を覚ます。

どうやら眠ってしまったらしい。

しかし、目の前の光景は現実とは思えないものだった。

絵画の中の世界が、まるで生きているかのように動いている。

「これは…夢か?」

私は自分の頬をつねってみるが、痛みはリアルだった。

絵画の中の人物たちが、私に手招きをしている。

「来てください。あなたを待っていましたよ」

絵画の中の紳士が言う。

彼の声は優しく、しかし何かを隠しているようにも聞こえた。

私は恐怖を感じながらも、絵画の中に一步踏み入れる。

すると、絵画の世界が私を飲み込こんだ。

美しい庭園、豪華な宴会、そして、絵画の家族との歓談。

しかし、彼らの目は冷たく、私にはその理由がわからなかった。

どうしてだ…なんか奇妙だ…、

日が経つにつれ、私は絵画での生活に慣れていった。

しかし、ある日、絵画の家族が私に真実を告げる。

「あなたはもう、ここから出られないのです」

家族の長が言う。

私の心臓が凍りつく。

私は絵画の呪いに囚われてしまったのだ。

絵画の世界は、初めは美しく思えた。

しかし、やがてその美しさが歪んで見え始まる。

家族の笑顔の裏に隠された陰鬱な真実が、徐々に明らかになっていった。

「あなたは選ばれし者です」

家族の長が言う。

その声には冷たい期待が込められていた。

私は、この家族が何世紀にも渡って、絵画の中で生贄を求めていたことを知る。

夜が来るたび、絵画の家族は私を宴会に招き、奇妙な儀式を行う。

彼らは私の精神をゆっくりと侵食し、私は抵抗するが、絵画の力は強大だった。

「もう時間です」と、ある夜、家族の長が告げる。

私は絵画の枠の中に引きずり込めれ、私の叫び声は、絵画の中の森に吸い込まれ、やがて静寂に包まれる。

美術館の訪問者は、絵画の前で立ち尽くす。

彼らは新たに加わった人物を見つめ、その表情がどこか悲痛に見えることに気付く。

そして、囁やき声が再び聞こえ始める。

「次はあなたの番ですよ…」

警備員の私は、絵画の中での生活が現実だと思い込むようになった。

絵画の家族は、奇妙な儀式を強いる。

彼らは私の体と精神を徐々に変えていき、私は人間であることを忘れ始まる。

ある日、絵画の家族が私に最後の儀式を告げる。

「あなたは我々の世界の一部になる為、最後の試練を受けなければなりません」

彼らは言う。

その試練とは、絵画の中から現実世界に戻り、新たな犠牲者を連れて来ることだった。

私は現実世界に戻る方法を知らされ、美術館の夜の静けさに紛れて、訪れた者たちを絵画の中へと誘う。

私の心は抗えない。

最早強力な洗脳とも言っていい呪いの力で私は疑うことなく命令に従う

そして、私は最初の犠牲者を絵画の中に引きずり込む。

その瞬間、私の体は完全に絵画の一部と化し、私の意識は闇の中に消えていく。

私は最早人間ではなく、絵画の悪霊となり、次の犠牲者を待ち続ける。

美術館の訪問者は、絵画の前で新たに人物を見つける。

「あれ…何かおかしいな…」

訪問者は、新たな人物の表情が恐怖で歪んでいることに気付く。

訪問者は驚く。

そして、絵画からは新たな囁やき声が聞こえて来る。

「あなたもすぐこちらへ…」
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