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こんな婚約者なんてくれてやるわよ!
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彼から突然呼び出された。
「俺はフロンティナを本気で愛してしまったんだ。だからすまないがこの期を持って君との婚約を今すぐこの場で破棄した後、新しく彼女との婚約したいのだ。」
そう告げられた私はまたなの、と内心呆れた。
今まで何度聞かされた言葉だから、
「はい、そうですか。貴方の好きなように私とは今すぐにでも婚約破棄を済ませてフロンティナという方と新たにご婚約をしたいというなら構いませんわ。」
吐き捨てるように返した。
「君との婚約は元々親同士が勝手に決めたものだし、それに君は気が強く怒りってばかりだ。ことあるごとにいちいち目くじらを立てる口出ししたり、怒鳴ってばかりの君と心底うんざりしてたんだ。そんな君とは違ってフロンティナはお淑やかで若く、美しい。だからもう終わりにしよう、君に対する愛情等欠片も残っていない、もうこの場で終わりにしたいんだ。」
どの口が言っているのかしら。
ベラベラと喋る目の前の彼に怒りがこみ上げる。
そんなに彼女と一緒になりたいの?
なら好きにすればいいわ。
彼が真面目で優しかったのはほんの一瞬だけ。
その後は、何人もの女性をとっかえひっかえ浮気をするようになった。自室に女性を連れ込みベッドを共にすることが何度もあった。
度重なる豪遊や賭け事、浮気した相手への高価プレゼント。
挙げ句ご両親が残してくれた遺産にまで手を付けようとした金遣いの荒さに我慢ができなくなり、
「貴方は何をしていらっしゃいますの!!」
と、顔を真っ赤になって怒っただけなのに。
この状態のままなんとか、やり繰り出来ていたのは私と私の両親が金銭的な多額の援助をしていたからなのに。
それでも、彼には私の意見を聞き入れてくれず、浮気と浪費癖を繰り返すだけ。
正直いって私の方も彼に対する愛情は冷めていて、定期的に開催されているパーティーにてフロンティナという方を連れて歩き、
「本当の婚約者は、アイツじゃない。フロンティナだ!」
自慢げに周囲に広めていた彼にはもう怒りをとうして呆れるしかなかった。
周囲の人達も彼に対して若干引き気味だったけど……。
いそいそと彼から渡された書類にサインをしたら、
「これでやっとフロンティナと一緒になれる。彼女の方も、俺が君との婚約破棄をした後で新たな婚約者になる事を臨んでいたからね。」
笑顔になる彼に、
「そうだったの、それはおめでたい事ですね。」
「君も喜んでくれるのかい?意外だね、いつもは怒っている癖に。」
嫌味を含めた言い方をした彼は、
「さようなら。今度こそ彼女と幸せになれる。」
意気揚々と私の元から去っていく彼に対して、
「無理に決まっているわ。」
ポツリと呟く。
むしろこんな女好きで浪費癖の激しい彼との婚約をしたいと望むフロンティナという方には感謝をしている位だ。
数年後、両親から勧められた新しい婚約者とのお付き合いはうまく行き、結婚する事になった。
新しい婚約者は、私に優しくとても大切にしてくれている。
新しく出来た親友から彼の事を聞かされた。
私との婚約を破棄した彼はすぐにフロンティナと婚約。
しかし、婚約してからというもの長くは続かなかったという。
フロンティナは元々酷く傲慢で我儘な性格なのだが、
莫大な財産と端正な顔立ちの彼を手に入れる為にわざと本性を隠してお淑やかなふりをして近付いていた事に気づいてしまったらしい。
自暴自棄になった彼は働くこともせず、浮気と浪費癖を繰り返すうちに、強引に彼女からおいだされて、
現在行方知らずになったという。
その話しを聞いた時、
ほらね、上手くいくわけなかったでしょう。
私は静かに微笑んだ。
「俺はフロンティナを本気で愛してしまったんだ。だからすまないがこの期を持って君との婚約を今すぐこの場で破棄した後、新しく彼女との婚約したいのだ。」
そう告げられた私はまたなの、と内心呆れた。
今まで何度聞かされた言葉だから、
「はい、そうですか。貴方の好きなように私とは今すぐにでも婚約破棄を済ませてフロンティナという方と新たにご婚約をしたいというなら構いませんわ。」
吐き捨てるように返した。
「君との婚約は元々親同士が勝手に決めたものだし、それに君は気が強く怒りってばかりだ。ことあるごとにいちいち目くじらを立てる口出ししたり、怒鳴ってばかりの君と心底うんざりしてたんだ。そんな君とは違ってフロンティナはお淑やかで若く、美しい。だからもう終わりにしよう、君に対する愛情等欠片も残っていない、もうこの場で終わりにしたいんだ。」
どの口が言っているのかしら。
ベラベラと喋る目の前の彼に怒りがこみ上げる。
そんなに彼女と一緒になりたいの?
なら好きにすればいいわ。
彼が真面目で優しかったのはほんの一瞬だけ。
その後は、何人もの女性をとっかえひっかえ浮気をするようになった。自室に女性を連れ込みベッドを共にすることが何度もあった。
度重なる豪遊や賭け事、浮気した相手への高価プレゼント。
挙げ句ご両親が残してくれた遺産にまで手を付けようとした金遣いの荒さに我慢ができなくなり、
「貴方は何をしていらっしゃいますの!!」
と、顔を真っ赤になって怒っただけなのに。
この状態のままなんとか、やり繰り出来ていたのは私と私の両親が金銭的な多額の援助をしていたからなのに。
それでも、彼には私の意見を聞き入れてくれず、浮気と浪費癖を繰り返すだけ。
正直いって私の方も彼に対する愛情は冷めていて、定期的に開催されているパーティーにてフロンティナという方を連れて歩き、
「本当の婚約者は、アイツじゃない。フロンティナだ!」
自慢げに周囲に広めていた彼にはもう怒りをとうして呆れるしかなかった。
周囲の人達も彼に対して若干引き気味だったけど……。
いそいそと彼から渡された書類にサインをしたら、
「これでやっとフロンティナと一緒になれる。彼女の方も、俺が君との婚約破棄をした後で新たな婚約者になる事を臨んでいたからね。」
笑顔になる彼に、
「そうだったの、それはおめでたい事ですね。」
「君も喜んでくれるのかい?意外だね、いつもは怒っている癖に。」
嫌味を含めた言い方をした彼は、
「さようなら。今度こそ彼女と幸せになれる。」
意気揚々と私の元から去っていく彼に対して、
「無理に決まっているわ。」
ポツリと呟く。
むしろこんな女好きで浪費癖の激しい彼との婚約をしたいと望むフロンティナという方には感謝をしている位だ。
数年後、両親から勧められた新しい婚約者とのお付き合いはうまく行き、結婚する事になった。
新しい婚約者は、私に優しくとても大切にしてくれている。
新しく出来た親友から彼の事を聞かされた。
私との婚約を破棄した彼はすぐにフロンティナと婚約。
しかし、婚約してからというもの長くは続かなかったという。
フロンティナは元々酷く傲慢で我儘な性格なのだが、
莫大な財産と端正な顔立ちの彼を手に入れる為にわざと本性を隠してお淑やかなふりをして近付いていた事に気づいてしまったらしい。
自暴自棄になった彼は働くこともせず、浮気と浪費癖を繰り返すうちに、強引に彼女からおいだされて、
現在行方知らずになったという。
その話しを聞いた時、
ほらね、上手くいくわけなかったでしょう。
私は静かに微笑んだ。
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