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帰り道
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凍える冬の時期、仕事が終わったばかりの私は白い雪が降り積もる夜の歩道を通る。
「ウゥ、寒い。」
こんなに雪が降っているのならもっと厚い毛皮のコートを着とけば良かった。
内心でブツブツ言い、ブルブルと震えながらまっすぐ歩く。
「早く家に着かないかな。」
辺り一面が雪に覆われて真っ白になりかけていて、寒くなっていたので歩くスペードを速くする。
その時、ビクッと背筋が凍えるような感覚に襲われる。恐る恐る体ごと周囲を見渡した。
そこには、ボロボロの白い着物、しわしわの肌・目の部分は眼球が無いためどちら黒く濁っていて、ボロボロの黒い歯をした口元をニタリと歪ませた猫背の老婆が目の前で、腰掛けている木箱の中から何かを取り出す。
取り出されたソレに思わずゾッとして、恐怖のあまり体を震わせながら、
「キャアアアーー!!」
と周囲に聞こえる程の大声で叫ぶ。
老婆が取り出しソレは成人した人間の生足だ、どう見ても。皺がれた老婆は私に向かって、
「足はいらんかぇ。」
え……どういう事。戸惑い震えていると、
「左の足と右の足いらんかぇ」
表情を何一つとして変える事なく、笑みを浮かべたままのの老婆は再度恐ろしい質問をしてくる。
人間の生足とか欲しいわけが無いでしょ!
心の中で、そう叫んだ私は泣きそうになりながら震えた声で、
「い……いらないです……。」
そう答えた。すると老婆は、
「そうなのかい…。」
少し残念そうな顔をしてスッと一瞬で消え去る老婆に、え……と驚愕したあと、ガクガク震えていた体を奮い立たせて涙目のまま走って自宅へと帰った。
あれから、あの時の老婆は私の前には現れていない。ただ、あの時違う答えを言った場合は、どちらかの足がもぎ取られ周囲が血溜まりになっていたと言うことだ。
「ウゥ、寒い。」
こんなに雪が降っているのならもっと厚い毛皮のコートを着とけば良かった。
内心でブツブツ言い、ブルブルと震えながらまっすぐ歩く。
「早く家に着かないかな。」
辺り一面が雪に覆われて真っ白になりかけていて、寒くなっていたので歩くスペードを速くする。
その時、ビクッと背筋が凍えるような感覚に襲われる。恐る恐る体ごと周囲を見渡した。
そこには、ボロボロの白い着物、しわしわの肌・目の部分は眼球が無いためどちら黒く濁っていて、ボロボロの黒い歯をした口元をニタリと歪ませた猫背の老婆が目の前で、腰掛けている木箱の中から何かを取り出す。
取り出されたソレに思わずゾッとして、恐怖のあまり体を震わせながら、
「キャアアアーー!!」
と周囲に聞こえる程の大声で叫ぶ。
老婆が取り出しソレは成人した人間の生足だ、どう見ても。皺がれた老婆は私に向かって、
「足はいらんかぇ。」
え……どういう事。戸惑い震えていると、
「左の足と右の足いらんかぇ」
表情を何一つとして変える事なく、笑みを浮かべたままのの老婆は再度恐ろしい質問をしてくる。
人間の生足とか欲しいわけが無いでしょ!
心の中で、そう叫んだ私は泣きそうになりながら震えた声で、
「い……いらないです……。」
そう答えた。すると老婆は、
「そうなのかい…。」
少し残念そうな顔をしてスッと一瞬で消え去る老婆に、え……と驚愕したあと、ガクガク震えていた体を奮い立たせて涙目のまま走って自宅へと帰った。
あれから、あの時の老婆は私の前には現れていない。ただ、あの時違う答えを言った場合は、どちらかの足がもぎ取られ周囲が血溜まりになっていたと言うことだ。
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