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母と子
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彼は何時もの様に帰宅する。彼が住んでいる家は、街外れにある安物アパートの2階だった。
築30年以上が経過したボロアパートで、入居者も彼の家族と、下の階に住む老夫婦だけだった…。彼は部屋のドアを開けると、部屋には珍しく母の姿があった。
普段…母は仕事の関係上、帰宅は毎日夜6時~7時位だったが…その日は、まだ4時位なのに帰宅していた。
「ただいま、珍しいね母さん…今日は仕事終わったの?」
「あ…お帰り徹、ちょうど良いわ。大事な話があるのよ…ランドセルを置いて来なさい」
「はい」
ランドセルを置いて来た徹は、居間にで待っている母のところへと向かい、テーブルの前に座り母が話を始める。
「ねえ…徹、母は再婚する事に決めたわ」
「え…何で急に?」
「色々と考えてね…本当はもっと早くに伝えようと思ったけど、中々言えなくてね…何よりも、貴方の事を思っての事よ…。ちょうど知り合いが紹介してくれた相手と会って、とても良い人なのよ。貴方も今度の日曜日に一緒に来てもらうわね」
突然の話に徹は少し驚いた。
「僕は今のままでも十分だけど…で、相手の人って誰なの?」
「竜ヶ崎って言う方なのよ、貴方も会えばきっと気に入ってくれると思うわ」
「ふ~ん」
(え…竜ヶ崎?)
徹はハッと麗奈の言葉が頭を横切る『まあ、いずれ分かるだろう』その言葉の意味が、今理解出来た。
(ま…まさか、今日…僕を見ていたのも全て、この事だったの?あんな無表情で不愛想な女と一緒になるの?)
彼は今日学校で男子達の前で言った言葉が自分に跳ね返って来るのを感じた。
「お…お母さんは、もう…その相手と会ったの?」
「ええ…もう、お互い何度か会っているわ、今度貴方達も会って…そこで正式再婚の話を決めるのよ」
「そ…そうなんだ」
徹は愛想笑いしながら答える。
(きっと…別人だ、アイツが母の再婚相手の子である筈が無い)
少し震えながら、徹は湯飲みに茶を入れて軽く飲み始める。
「そう言えば…相手の人も貴方と同じ位の年齢の子が居るとか言ってたわね…」
ブッ!
徹は思わずお茶を吹き出してしまった。
「ゴホッ、ゴホッ!」
「どうしたの…大丈夫?」
「う…うん、平気」
ますます麗奈と一緒になる可能性が濃くなって来た。
(こ…今度の日曜日まで3日ある。それまでにアイツに直接聞こう)
ー 翌日
徹は学校へ行くなり、隣の教室へと向かい麗奈を呼ぶ。
「どうした、朝早くから何かあったのか道化君?」
麗奈は会うなり勝手に人を道化呼ばわりして来た。
「何で僕が道化なのさ」
「ん…お前、面白いから」
(この女子は…どうも好きになれないな…)
と、徹は心の中で呟く。
「で…何の話だ?」
「母の再婚の話だけど、あれって…つまりは…」
「私のパパだ」
その一言に徹は何か重たい物を担がされた気がした。
「これからはお前と私は姉弟になるんだ、良かったな」
「何で僕と君と姉弟になるんだよ」
「親が再婚すれば、一緒に生活する事になるだろう、そうすれば自然とお前と私は義理の姉弟になる」
「それ以上に、どうして知っていたのに何も言わなかったんだよ」
「いや…もう知っているのかと思っていたんだ…、昨日の下校時にも確認したんだ。お前だけ何も知らなかったんだな。で…他に何か聞きたい事は?」
「もう…良い、何か疲れた」
「そっか、まあ今度の日曜日が楽しみだな」
(こっちは最悪だよ、日曜日から何処か遠くへ旅に出掛けたい気分だ)
築30年以上が経過したボロアパートで、入居者も彼の家族と、下の階に住む老夫婦だけだった…。彼は部屋のドアを開けると、部屋には珍しく母の姿があった。
普段…母は仕事の関係上、帰宅は毎日夜6時~7時位だったが…その日は、まだ4時位なのに帰宅していた。
「ただいま、珍しいね母さん…今日は仕事終わったの?」
「あ…お帰り徹、ちょうど良いわ。大事な話があるのよ…ランドセルを置いて来なさい」
「はい」
ランドセルを置いて来た徹は、居間にで待っている母のところへと向かい、テーブルの前に座り母が話を始める。
「ねえ…徹、母は再婚する事に決めたわ」
「え…何で急に?」
「色々と考えてね…本当はもっと早くに伝えようと思ったけど、中々言えなくてね…何よりも、貴方の事を思っての事よ…。ちょうど知り合いが紹介してくれた相手と会って、とても良い人なのよ。貴方も今度の日曜日に一緒に来てもらうわね」
突然の話に徹は少し驚いた。
「僕は今のままでも十分だけど…で、相手の人って誰なの?」
「竜ヶ崎って言う方なのよ、貴方も会えばきっと気に入ってくれると思うわ」
「ふ~ん」
(え…竜ヶ崎?)
徹はハッと麗奈の言葉が頭を横切る『まあ、いずれ分かるだろう』その言葉の意味が、今理解出来た。
(ま…まさか、今日…僕を見ていたのも全て、この事だったの?あんな無表情で不愛想な女と一緒になるの?)
彼は今日学校で男子達の前で言った言葉が自分に跳ね返って来るのを感じた。
「お…お母さんは、もう…その相手と会ったの?」
「ええ…もう、お互い何度か会っているわ、今度貴方達も会って…そこで正式再婚の話を決めるのよ」
「そ…そうなんだ」
徹は愛想笑いしながら答える。
(きっと…別人だ、アイツが母の再婚相手の子である筈が無い)
少し震えながら、徹は湯飲みに茶を入れて軽く飲み始める。
「そう言えば…相手の人も貴方と同じ位の年齢の子が居るとか言ってたわね…」
ブッ!
徹は思わずお茶を吹き出してしまった。
「ゴホッ、ゴホッ!」
「どうしたの…大丈夫?」
「う…うん、平気」
ますます麗奈と一緒になる可能性が濃くなって来た。
(こ…今度の日曜日まで3日ある。それまでにアイツに直接聞こう)
ー 翌日
徹は学校へ行くなり、隣の教室へと向かい麗奈を呼ぶ。
「どうした、朝早くから何かあったのか道化君?」
麗奈は会うなり勝手に人を道化呼ばわりして来た。
「何で僕が道化なのさ」
「ん…お前、面白いから」
(この女子は…どうも好きになれないな…)
と、徹は心の中で呟く。
「で…何の話だ?」
「母の再婚の話だけど、あれって…つまりは…」
「私のパパだ」
その一言に徹は何か重たい物を担がされた気がした。
「これからはお前と私は姉弟になるんだ、良かったな」
「何で僕と君と姉弟になるんだよ」
「親が再婚すれば、一緒に生活する事になるだろう、そうすれば自然とお前と私は義理の姉弟になる」
「それ以上に、どうして知っていたのに何も言わなかったんだよ」
「いや…もう知っているのかと思っていたんだ…、昨日の下校時にも確認したんだ。お前だけ何も知らなかったんだな。で…他に何か聞きたい事は?」
「もう…良い、何か疲れた」
「そっか、まあ今度の日曜日が楽しみだな」
(こっちは最悪だよ、日曜日から何処か遠くへ旅に出掛けたい気分だ)
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