11 / 26
序章 迷子の子猫ちゃん状態
そこに寝ている美女。何も起きない筈がなく…
しおりを挟むモンスター討伐には解体、という作業がつきものだ。
その名の通りの作業で倒したモンスターから有用な部位を取るものである。ドラゴンなら牙、鱗、目玉…と、アンコウかよとツッコミたくなるような捨てる部分がないモンスターだ。例の上げ方がおかしかった。
素人にはキツイ、でも専門職である解体場では手数料として素材が数%取られてしまう。なら、仕事を覚えよう! 的な役割を担うのがシーフである。シェルダの役目であるのだが…。
ほぼ標本とかしたウィンドドラゴンの王は解体、というよりジグソーパズルに似たおもちゃ感を感じてしまう。達成感も苦労も何もないのだ。傷がほとんどない、初めて見る個体の素材に胸は躍るが存在意義が無くなっているよな…と、思わなくもなかった。
実際、シェルダの表情は無表情だ。
「やっぱ、お前の目からして見てもアクの魔法はおかしいよな?」
そんな事務的な解体を見ながらギルバはキルビアに話しかける。
ながらについさっき起きた超常現象を思い出していた。
やっていたことは魔法に理解の少ないギルバでも理解ができる。
視界を奪って、逃げ場を無くし、急所に必殺の攻撃を当てる。剣士であるギルバと似たような戦法である。だが、精度が段違いであり、それを後押しするような魔法の強度があった。
対峙した時に言った、大人数で準備を万端な状態にしてやっと挑める相手なのだ。可愛い表情で癇癪をおこしながら倒せるレベルの相手ではない。歴戦の戦士、と豪語しても良いギルバでさえ足が竦んでしまったのだ。
さて、ある程度の知識のあるキルビアは何と言うか。どこかワクワクとした少年のような心持ちで待つ。
戦闘後、一言二言交わし、人が切れた人形のように眠りこけてしまったアクの頬を何度も撫で、愛でるように見ていたキルビアはふっ、と顔を上げた。
「…理解はできるの。最初に使った魔法の名前は『ストーンバレット』、次に足を沈めたのが『泥沼の縛り』、最後は詠唱強化っていう補助魔法をかけての『ストーンバレット』。理解はできるのよ…」
膝の上に頭を乗せ、発動の媒体にしていたアクの手をじっくりと見る。戦闘中に浮かび上がっていた魔法陣は今は出ていなかった。そして流れるようにマシュマロのような肌触りの手を遠慮なく触る。吐息が熱くなってきた。
普段見ることができない百合園に鼻の奥の血のダムが崩壊しかねない、と気を改め、気合を入れて入れ直すギルバ。最初は魔法量の限界を迎え、絶えてしまったのだと顔面蒼白だった数分前が嘘のようである。空気感すらも元に戻せる良い子なんだね、アク。
「理解はできるけど威力と、三種類の魔法を同時に発動できるスペックがよく分からないの。ツインズマジック、として二つ同時の詠唱は習ったことはあるけどそれを実現できた人はいないし、いたとしても伝記上」
「伝記上のさらに上をいく三重詠唱か…まさか、な」
ふと、どこか聞いた事ある話がギルバの頭を過ぎる。
それを見逃す甘い女ではなかった。キルビアは追及する。
「まさかって、何か思い当たる節でも? アクちゃんの今を治せる?」
普段の和らげな大人びた表情とは違う、必死な形相に思わずギルバは後ずさってしまう。だが言葉の中の助けたい、そんな気持ちを理解する。
「…聞いた話なんだけどな。亜人族って知ってるか?」
「ええ、聞いた事あるわ。サキュバスとかでしょ?」
「最初にそれが出るあたりキルビアだよな…。まあ、そんな感じだ。魔法に適性のありすぎる種族に与えられる種族の総称だな」
他に、ワーウルフ、ドワーフ、エルフとかもいるな。と、付け足す。
前者二つは魔法適性でも肉体強化に適性があり、後者は純粋な魔法詠唱に適性がある。サキュバスはゴリゴリの後者である。
それがアクちゃんと関係あるの? キルビアは続きを促す。
「ああ、ある…と思う。確証はねえ。ねえが人間でここまで魔法に適性のある奴なんて…ほら、あれだあれ。えっと…」
老化が始まっているのか必死に思いだそうと頭を叩く。寧ろ出ていっている感じ。ホコリか何かかな?
アクと出会って二日目であるにもかかわらず、妙な関心を持っているキルビアは驚異的な脳の回転を見せ、ギルバの先をいった。
「聖女、とかかしら? 神聖神教会の聖書に出てくる人」
ビビビビンっ!! と、頭の毛が正解です、と訴えてきそうなほどの勢いで頭をあげる。表情は便秘三日目の朝。解消され、トイレから出てきたおっさん並みのすっきりとしたものだ。
「それだ! んで、あるにしても聖女とかぐらいしかいねえわけだ。まあ、それも真実か知らねえけどさ」
「…そう考えると亜人って見るのが妥当なのかしらね。でも、主張的な部位がどこにもないじゃない」
ワーウルフなら猛烈に良い毛並み。ドワーフなら筋肉質な体に低身長。エルフなら病弱なまでの肌の白さと金色の瞳。
それぞれが魔法に適性があるため、それぞれの属性に連なる主張的な部位が出てくるのだ。
キルビアの上げたサキュバスで考えるなら猛烈に異性を誘惑するフェロモンと…男女共に意見がある美顔。
考えてみるとますますアクの種族がサキュバスに思えてきたキルビア。
「キリッとしていて鋭さを感じるものの、人をどこか惹きつけてしまう黒い瞳に、可愛らしい鼻に親指ほどにしか開かないんじゃないかと思うほどの小さな口。……そうよね、どこをどう見てもアクちゃんはサキュバスよね」
「いや、それにしたら強調的なスペードの形の尻尾が生えてねえんだよな」
「それは気のせいね」
コンマ数秒の世界でキルビアは即答する。あまりの速さにギルバの脳は追いつけていなかった。
「きっと、尻尾はこの服のせいで隠れているのよ…ほら…」
そう言って大雑把に短く切られたスカートの中に手を伸ばす。完全なセクハラである。いやセクハラを既に通り越し、痴漢まである。強姦すらワンチャン?
アクが今、起きていたのなら「この、同性愛者が! せめて同意をとれよっ!!」と、内心で叫びながら嬉々として受け入れていただろう。
全てはキルビアの顔が整っているのが悪い。美女なら何をやっても絵になって犯罪的ではなくなるのだ。
寧ろ心地良さそうな表情を浮かべるアク。なすがままだった。
服装はボロボロのウェディングドレスに材質が底辺のパンツである。申し訳程度にスポブラが胸を押さえつけている現状だが全然余裕がなかった。成長期である。よかったね、満足感たっぷりだよ!
初日以外、ほとんどボディータッチをしていないアクである。2人目のボディータッチ者がキルビアなことは幸運なのか不運なのか…。まあ、表情を見るに幸運だと思っていそうだ。
バレなきゃ犯罪ではなく、ただのスキンシップである。捏造真っ最中だった。
ゆっくりと、すべてを許しているアクの柔肌に這い寄るようにしてキルビアの手が秘所に向かっていく。尻尾の場所は尾てい骨じゃないのか。分かってか、分からずか。キルビアの手の勢いはマシ、高速チカンが炸裂する。
「あ…れ? もしかして…ない…? そんな訳は…」
一切の抵抗がない、摩擦力ゼロの湾曲を疑問に思い、もう一度トライする。縦列駐車みたいなものである。痴漢の縦列駐車って…。
そんな風にツッコむのは誰1人としていなかった。ギルバは顔を真っ赤に染めながら両手で視界を隠している。案の定指の隙間から見ているが。
トライし、トライする。
何度も何度も同じ動作を繰り返す中でキルビアの頭の中の火照りは徐々に冷め、思考のギアが回ってきた。
サキュバスらしき部位はない。ならどんな種族だ? マーメイドか? それは魚人だ。論外。じゃあ、ハーピィ? それも論外。あれは空飛ぶ老婆だ。必死に悩み一つの結論が出る。
「生殖器のない体に中性的な声、この部分から考えると…まさかの龍人?」
リザードマン?
急に発せられたキルビアの言葉に蜥蜴人間の図が頭を過ぎる。直ぐに振り払う。恐らく言っているのは二重詠唱と同様、伝記上で語られる『龍人』の事だろう。そう、あたりを付ける。まだ顔の火照りは取れていない。寧ろ、少しはだけたアクの姿にギルバのギルバもハッスルしてしまいそうだった。発射三秒前である。
龍人。
リザードマンのような二足歩行の蜥蜴ではなく、しっかりと人間の形を持ち、持った上でドラゴンの力を使える最強の名高い種族である。その特徴は出し入れ可能な爪、鱗、翼。そして両性具有の具有なしである。
何だよそのハンバーグの豚肉なし、牛肉なし、玉ねぎなし的な良いとこ抜きの生物は。と、思わずギルバはツッコんでしまう。誰にだよ。
出し入れ可能なドラゴンの特徴は確認できないが、生殖器がない特徴は龍人にしか当てはまらないものだ。恐らく、種族は確定なのだろう。
半分涙目のキルビアが優しくアクを抱き抱える。
「う…うぅ…アクちゃん、そうなのね…。生殖器がなかったのね…」
「いや、どんな悲しみ方だよ…」
今の今までギルバが目の前にいることに気がついていなかったのかギルバが言葉を発し終わる前に手元に落ちていた拳程の石を掴み、無造作に投げつける。鈍い音を響かせて胸の装甲が少し凹む。同時にギルバが背面に倒れた。一発KOである。
その音を聞き、作業を中断したシェルダが振り向く。
「え、何の音っすか? 奇襲? …え、ギルバ何やってんすか?」
無情な投擲がシェルダをも襲う。身軽な格好であるシェルダの左側面、後頭部にギルバのよりひと回り程小さいが石が命中する。犯人はキルビア…と、地面に書き残し崩れた。
パーティメンバー4人中3人脱落である。エルダートレントとかドラゴンとか襲われたらどうするんだ。そんな危機感は一切なかった。
「アクちゃん…」
より一層近づけ、デコを合わせる。変態だった。変態も一周回って常人になるかな、と思ったらそうはならなかった。感動的なシーンにすら思えない。だって、惨劇の主犯格はキルビアだもの。
ふと、どこか顔に当たる空気で意識を取り戻したアク。直前の戦いを思い出し、思いっきり立ち上がる。直後、鈍い痛みが頭部を襲った。
「ッ!! っま、今大丈夫か!? …て、えぇ?」
意識を失い、視界を閉じていたことによる明暗でクラクラするがそれでも目の前の光景は理解できた。
ギルバは胸を押さえてノックダウン。シェルダは仰向けに倒れ何か書いていた。キルビアは何故か白目でカエルのようにひっくり返っていた。
ふと体に感じた違和感に自分の服装を見る。大いにはだけていた。エロスもエロスである。おっぱいの頂点も見える寸前、三秒前である。
「頂点って何だよ…つか、何? 俺襲われていたの? 性的に」
だから今の惨状なのか。
俺を巡っての三つ巴。勝者はいなく、生き残ったのはアクだけ。
そんな考えが浮かぶ。んな訳はねえわな。
直ぐに切り替える。シェルダの近くに見えるきれいに揃えらた素材たちを見るにあのドラゴンは倒せたのだろう。倒せたのにこれって…と、疑問が浮かぶが無理やり納得する。だってギルバ達だもの。しゃーない。
結婚生活30年目くらいの寛大な心で理解し、はだけた服装を直す。練習の終わった柔道部並みのもろだし具合だった。いや出てるじゃん。大袈裟だった。
よく分からないが…無事そうなキルビアとギルバに冷水を浴びせさせ、起こすことに。危ないもんな。森の中だし。
意外にも常識人なアクだった。被害者とも言える。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる