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第324話 “MELIA”
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「照明もう少し増やそう。それから服の調整ももう一度。」
「「はい!」」
一人のモデルに対し十数人のスタッフが動いている。そしてその全員が緊張の面持ちで仕事をしている。なぜここまで緊張感のある現場なのか。それはこれがミチナガ商会メリアブランド初のモデル事業だからである。
これまで長い期間をかけて、モデルの雇用、育成を進めて来た。そしてとうとうこの第一回のモデル事業で完成する写真集の出来次第で今後のモデル事業の行く末が決まる。そして何よりメリアはこのモデル事業に大きく力を入れていた。失敗すればメリアの名も地に落ちかねない。
世間はこの時、アンドリュー子爵によるダエーワ掃討戦で賑わいを見せている。中途半端なものではアンドリュー子爵の名前の前に埋もれてしまうだろう。ここで求められているのは最高の出来だけだ。
現場で撮影が続く中、その現場へメリア本人がやって来た。最近は化粧品開発で大忙しであるにも関わらず、なんとか時間をさいてやって来たのだ。そしてメリアはあくまで現場には口出しをせずに、その様子を眺めている。
それがまた重圧感を感じさせる。現場を任せてもらえるのは光栄だが、少しくらいは何か意見を言ってもらえると助かる。むしろここで怒鳴りながらでも現場を仕切ってくれた方がまだ気持ちは楽だ。
その後もこまめに照明の調整、モデルの立ち方の調整、服の調整などを行いながら撮影を続けた。撮影を行なっている使い魔もすでに数百枚、数千枚は撮影したであろう。疲れ果て、疲労が浮かんでいる。
そしてようやく撮影が終わると今度は撮影した映像の精査に入る。数千枚撮影しようとも使うのはほんの数枚だ。とにかく精査を行い、枚数を十数枚まで減らす。そして最終判断をメリアに任せるのだ。
この写真の精査には数日を要した。しかし他のモデルの写真も撮影が終わればその数はさらに増える。そして2ヶ月かけて写真を1000枚ほどまで絞った。ここからの判断はメリアに任せることになるのだが、提出した途端に即座に最終判断が降る。
「ダメダメダメダメ、これはいいわ。ダメダメダメダメダメダメ……」
2ヶ月かけて精査した写真をものの10分ほどで最終判断してしまった。精査したとはいえ1000枚近くあった写真が、精査が終わる頃には数十枚だ。しかし適当に判断したのではない。残された写真は他のものとは一線を画すものだ。
「これだけ残れば十分ね。この残った写真を使って写真集を作るわよ。」
「その…これだけでよろしいのでしょうか?もっと100ページ以上ある写真集にした方が…」
「間に商品の映像も挟むからもう少し増えるわよ。だけど100ページも必要ない。手軽に読めるくらいがちょうど良いの。それよりも今度は本にするために映像の掲載する順番や表紙のデザインなんかも決めるわよ。これから会議を行うから人を集めて。」
すぐに役員が集められて写真集の掲載順や注釈の言葉などが決められていく。それからものの数時間で写真集の試作品の構想が決められた。ただ一つだけ問題が起きた。それは表紙をどうするかだ。最初はモデルを起用しようかと思ったが、反対意見が多かった。
「やはりここはメリア所長。あなたにやって頂くべきだと思います。」
「私も賛成です。やはりブランドメリアから出版される初めての写真集はメリア所長が…」
「…そうね。それじゃあ今から撮影の準備できるかしら?さっさと撮って終わらせましょ。」
今から撮影を行うというまさかの発言に驚きを隠せない一同。せめて数週間かけて体を仕上げてくるかと思ったのだが、そんなものは必要ないようだ。そして2時間ほどかけて撮影の準備が整うとメリアが化粧と服装を変えてやって来た。
そして皆、そのオーラに当てられて声も出せなくなった。その姿、佇まいはまるで芸術品のようだ。体を仕上げる必要なんてない。いつでもメリアは完成しきっている。そしてそのまま撮影場所に向かい、椅子に腰掛けると使い魔が撮影を一度だけ行った。
『カメ・…撮影終了で良いかな。出来上がった映像だけど確認して。』
「まあ良いんじゃないかしら。じゃあそれを表紙にして。数日中には完成するかしら。」
『カメ・明後日までには完成させます。』
「そう。それじゃあよろしくね。」
そういうとその場を後にしたメリア。他の人々は未だに動くことができずにいる。まさかたった1枚撮影するだけで終わるとは夢にも思わなかった。その様子を見学に来たモデルたちも動くことができない。やがて一人、また一人と無言のまま片付けを行う。
そして片付けも終えて帰り支度をしていた時、ようやく己の体が震えていることに気がついた。この震えは恐れからの震えか、それとも寒気による震えか。いや、きっとその両方からくるものだろう。
「すげぇ…すげぇ…やっぱ俺ここで働いててよかった。本当に良かった。」
「俺こんなに鳥肌立つんだ。脳天から電流が走ったと思ったぜ。だけど本当に…あんな映像を1発で取れるもんかね。」
「私もっともっとモデルとして頑張る!いつかあんな風に撮影できるように!」
「正直生涯かけてあのレベルに到達できると思わないんだけど…私これからもやっていけるかな…」
それから2日後、写真集の試作品が完成した。そこから小さな表記ミスや手直しを加えたのちに写真集は完成した。そこから1ヶ月増産されたのちに5000部の初の写真集、“MELIA”は発売された。
写真集“MELIA”は一冊金貨50枚という高値で発売された。その8割以上は貴族向けに販売される。そしてごく一部をミチナガ商会の店頭で展示という形で置いておいたのだが、一般市民からも購入者が殺到した。
5000部などあっという間に売り切れた。すぐに増産され、新たに店頭に並ぶのだがそれでもなくなる始末だ。中にはどうしても手に入れたいとミチナガ商会がオープンする何時間も前から並ぶものまで現れた。
貴族たちもこぞって求めた。中には貴族たちの間でさらなる高値で転売されるケースまで出て来た。ターゲットは貴族女性であったのだが、予想以上に貴族男性からの購入者も多い。とにかく毎日作っては出荷、作っては出荷を繰り返している。
そして多くの貴族女性からモデルが着ていた服を購入したいと申し込みが殺到した。これは非常に珍しいことだ。本来貴族は世間体を大切にする。モデルは何人か貴族令嬢などがいるが、下級貴族だし、ほとんどは平民だ。
つまり下級貴族や平民の真似をするということは貴族としてプライドに関わる。しかしそんなものはもう関係ない。なんとしてでも欲しいと思わせてしまったのだ。そう思わせてしまう、魅了する何かをその写真集“MELIA”から感じたのだ。
写真集“MELIA”を発売してから1ヶ月。それまでのブランドメリアの売り上げをはるかに超える売り上げを記録した。そしてその勢いはとどまることを知らない。やがてメリアの名は確固たるものとなった。
いつの世も女性たちは美しさを求める。美しさのためならば、秘薬を求め冒険者を雇って危険な旅に出させることもある。美しさのためならばどんな苦痛、どんな困難だろうと耐えきることができる。そんな美の世界に彼女の名は轟いた。
世界中の美を司る、美の女王メリア。
魔王クラスとして名を挙げた彼女が魔帝クラスにたどり着くのもそう遠い日ではない。
『ムーン#1・あ、メリアお疲れ様。仕事順調だね。売り上げもどんどん上がっていくし。この表紙だって良い表情してんじゃん。』
「や、やめてくださいよ店長!それ本当に恥ずかしかったんですから。みんなが撮れ撮れっていうから仕方なくやったんですよ。パパッと撮影して美味しいご飯食べて恥ずかしいの忘れたんですから。」
『ムーン#1・そんなに恥ずかしそうには見えないけどなぁ。この自信満々な表情!結構まんざらでもなかったでしょ。』
「それは!……まあ綺麗に撮ってもらえるのは嬉しいですけど。まあちょっと?いけてるかなぁ~なんて…でもやっぱり恥ずかしい!」
『ムーン#1・メリアはやっぱり乙女だねぇ~。ほら、美味しいご飯用紙するから座って待ってな。』
「は~い。」
「「はい!」」
一人のモデルに対し十数人のスタッフが動いている。そしてその全員が緊張の面持ちで仕事をしている。なぜここまで緊張感のある現場なのか。それはこれがミチナガ商会メリアブランド初のモデル事業だからである。
これまで長い期間をかけて、モデルの雇用、育成を進めて来た。そしてとうとうこの第一回のモデル事業で完成する写真集の出来次第で今後のモデル事業の行く末が決まる。そして何よりメリアはこのモデル事業に大きく力を入れていた。失敗すればメリアの名も地に落ちかねない。
世間はこの時、アンドリュー子爵によるダエーワ掃討戦で賑わいを見せている。中途半端なものではアンドリュー子爵の名前の前に埋もれてしまうだろう。ここで求められているのは最高の出来だけだ。
現場で撮影が続く中、その現場へメリア本人がやって来た。最近は化粧品開発で大忙しであるにも関わらず、なんとか時間をさいてやって来たのだ。そしてメリアはあくまで現場には口出しをせずに、その様子を眺めている。
それがまた重圧感を感じさせる。現場を任せてもらえるのは光栄だが、少しくらいは何か意見を言ってもらえると助かる。むしろここで怒鳴りながらでも現場を仕切ってくれた方がまだ気持ちは楽だ。
その後もこまめに照明の調整、モデルの立ち方の調整、服の調整などを行いながら撮影を続けた。撮影を行なっている使い魔もすでに数百枚、数千枚は撮影したであろう。疲れ果て、疲労が浮かんでいる。
そしてようやく撮影が終わると今度は撮影した映像の精査に入る。数千枚撮影しようとも使うのはほんの数枚だ。とにかく精査を行い、枚数を十数枚まで減らす。そして最終判断をメリアに任せるのだ。
この写真の精査には数日を要した。しかし他のモデルの写真も撮影が終わればその数はさらに増える。そして2ヶ月かけて写真を1000枚ほどまで絞った。ここからの判断はメリアに任せることになるのだが、提出した途端に即座に最終判断が降る。
「ダメダメダメダメ、これはいいわ。ダメダメダメダメダメダメ……」
2ヶ月かけて精査した写真をものの10分ほどで最終判断してしまった。精査したとはいえ1000枚近くあった写真が、精査が終わる頃には数十枚だ。しかし適当に判断したのではない。残された写真は他のものとは一線を画すものだ。
「これだけ残れば十分ね。この残った写真を使って写真集を作るわよ。」
「その…これだけでよろしいのでしょうか?もっと100ページ以上ある写真集にした方が…」
「間に商品の映像も挟むからもう少し増えるわよ。だけど100ページも必要ない。手軽に読めるくらいがちょうど良いの。それよりも今度は本にするために映像の掲載する順番や表紙のデザインなんかも決めるわよ。これから会議を行うから人を集めて。」
すぐに役員が集められて写真集の掲載順や注釈の言葉などが決められていく。それからものの数時間で写真集の試作品の構想が決められた。ただ一つだけ問題が起きた。それは表紙をどうするかだ。最初はモデルを起用しようかと思ったが、反対意見が多かった。
「やはりここはメリア所長。あなたにやって頂くべきだと思います。」
「私も賛成です。やはりブランドメリアから出版される初めての写真集はメリア所長が…」
「…そうね。それじゃあ今から撮影の準備できるかしら?さっさと撮って終わらせましょ。」
今から撮影を行うというまさかの発言に驚きを隠せない一同。せめて数週間かけて体を仕上げてくるかと思ったのだが、そんなものは必要ないようだ。そして2時間ほどかけて撮影の準備が整うとメリアが化粧と服装を変えてやって来た。
そして皆、そのオーラに当てられて声も出せなくなった。その姿、佇まいはまるで芸術品のようだ。体を仕上げる必要なんてない。いつでもメリアは完成しきっている。そしてそのまま撮影場所に向かい、椅子に腰掛けると使い魔が撮影を一度だけ行った。
『カメ・…撮影終了で良いかな。出来上がった映像だけど確認して。』
「まあ良いんじゃないかしら。じゃあそれを表紙にして。数日中には完成するかしら。」
『カメ・明後日までには完成させます。』
「そう。それじゃあよろしくね。」
そういうとその場を後にしたメリア。他の人々は未だに動くことができずにいる。まさかたった1枚撮影するだけで終わるとは夢にも思わなかった。その様子を見学に来たモデルたちも動くことができない。やがて一人、また一人と無言のまま片付けを行う。
そして片付けも終えて帰り支度をしていた時、ようやく己の体が震えていることに気がついた。この震えは恐れからの震えか、それとも寒気による震えか。いや、きっとその両方からくるものだろう。
「すげぇ…すげぇ…やっぱ俺ここで働いててよかった。本当に良かった。」
「俺こんなに鳥肌立つんだ。脳天から電流が走ったと思ったぜ。だけど本当に…あんな映像を1発で取れるもんかね。」
「私もっともっとモデルとして頑張る!いつかあんな風に撮影できるように!」
「正直生涯かけてあのレベルに到達できると思わないんだけど…私これからもやっていけるかな…」
それから2日後、写真集の試作品が完成した。そこから小さな表記ミスや手直しを加えたのちに写真集は完成した。そこから1ヶ月増産されたのちに5000部の初の写真集、“MELIA”は発売された。
写真集“MELIA”は一冊金貨50枚という高値で発売された。その8割以上は貴族向けに販売される。そしてごく一部をミチナガ商会の店頭で展示という形で置いておいたのだが、一般市民からも購入者が殺到した。
5000部などあっという間に売り切れた。すぐに増産され、新たに店頭に並ぶのだがそれでもなくなる始末だ。中にはどうしても手に入れたいとミチナガ商会がオープンする何時間も前から並ぶものまで現れた。
貴族たちもこぞって求めた。中には貴族たちの間でさらなる高値で転売されるケースまで出て来た。ターゲットは貴族女性であったのだが、予想以上に貴族男性からの購入者も多い。とにかく毎日作っては出荷、作っては出荷を繰り返している。
そして多くの貴族女性からモデルが着ていた服を購入したいと申し込みが殺到した。これは非常に珍しいことだ。本来貴族は世間体を大切にする。モデルは何人か貴族令嬢などがいるが、下級貴族だし、ほとんどは平民だ。
つまり下級貴族や平民の真似をするということは貴族としてプライドに関わる。しかしそんなものはもう関係ない。なんとしてでも欲しいと思わせてしまったのだ。そう思わせてしまう、魅了する何かをその写真集“MELIA”から感じたのだ。
写真集“MELIA”を発売してから1ヶ月。それまでのブランドメリアの売り上げをはるかに超える売り上げを記録した。そしてその勢いはとどまることを知らない。やがてメリアの名は確固たるものとなった。
いつの世も女性たちは美しさを求める。美しさのためならば、秘薬を求め冒険者を雇って危険な旅に出させることもある。美しさのためならばどんな苦痛、どんな困難だろうと耐えきることができる。そんな美の世界に彼女の名は轟いた。
世界中の美を司る、美の女王メリア。
魔王クラスとして名を挙げた彼女が魔帝クラスにたどり着くのもそう遠い日ではない。
『ムーン#1・あ、メリアお疲れ様。仕事順調だね。売り上げもどんどん上がっていくし。この表紙だって良い表情してんじゃん。』
「や、やめてくださいよ店長!それ本当に恥ずかしかったんですから。みんなが撮れ撮れっていうから仕方なくやったんですよ。パパッと撮影して美味しいご飯食べて恥ずかしいの忘れたんですから。」
『ムーン#1・そんなに恥ずかしそうには見えないけどなぁ。この自信満々な表情!結構まんざらでもなかったでしょ。』
「それは!……まあ綺麗に撮ってもらえるのは嬉しいですけど。まあちょっと?いけてるかなぁ~なんて…でもやっぱり恥ずかしい!」
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