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はじめまして皆様!
私の名前はアリスベータと申します!
まぁそこそこの権力者でございますわ!
おほほほほ。
そんな事より!私、外交のため夫とともに隣国の夜会へと来ておりますの。
なんだか面白そうな催し物が始まりますわよ?
「カルナ・マドーナ公爵令嬢!あなたと婚約破棄することを今ここで宣言す!そして、リリア・メルーナ伯爵令嬢と婚約を結ぶ事を宣言す!」
「ど、どうしてですか!王子様!……私はあなたのために……貴方を想って今までやってきたのであります!」
涙ながらにそう訴える少女、カルナ公爵令嬢は今にも倒れそうに震えている。
それに比べ、アルファレット・インディード第3王子は冷めた目でカルナ公爵令嬢を見ている。その横には不安そうにアルファレット王子に縋り付くリリア伯爵令嬢が見える。
「決まっているであろう?少し我とリリアが話しただけで、リリアを虐めていたであろう?」
「……確かに……確かに私はリリア様に詰め寄りましたわ。ですがそれは貴方様と親しくしておられたからです。それに、不純なことをしていらしたから、私はそういう行為をしてしまったのですわ!」
観客は嬉々としてこの茶番を見ている。
リリア伯爵令嬢にどうやって取り入ろうか、王家との繋がりをどう作るか、早々にマドーナ家を見放そうと様々な発言がこそこそと飛び交っている。
「ふん。それでもリリアはたいへん傷ついた。将来の王子妃に危害を与えた罰として、牢屋に5年入っておけ、これはリリアの優しさだ。これからの王国に期待せよ」
口角を上げ、カルナ公爵令嬢を見下している第3王子。
公爵令嬢が婚約破棄など絶対にありえないが、誰も異論を唱えるものはいない。
1人、ぷるぷると震え、笑いをこらえているもの以外は至って普通だった。ここでアリスベータの恋愛ポリシーを1つ紹介する。
浮気男は死すべし!!!!!
兵士によって連れていかれそうになっているカルナ公爵令嬢の叫びと、アリスベータの笑いが起こるのは同時だった。
「殿下!!殿下!!!!」
「おほほほほ……むりですわっあははははっはは!!」
甲高い高笑いが会場中に響いた。
アリスベータは確かに笑っていた。しかし、目は絶対零度だった。
アリスベータに着いてきていたメイドもアリスベータの隠者も頭を抱え、アリスベータを見ていた。
「またやらかしやがるぞ」
と言う思いを胸にしながら。
私の名前はアリスベータと申します!
まぁそこそこの権力者でございますわ!
おほほほほ。
そんな事より!私、外交のため夫とともに隣国の夜会へと来ておりますの。
なんだか面白そうな催し物が始まりますわよ?
「カルナ・マドーナ公爵令嬢!あなたと婚約破棄することを今ここで宣言す!そして、リリア・メルーナ伯爵令嬢と婚約を結ぶ事を宣言す!」
「ど、どうしてですか!王子様!……私はあなたのために……貴方を想って今までやってきたのであります!」
涙ながらにそう訴える少女、カルナ公爵令嬢は今にも倒れそうに震えている。
それに比べ、アルファレット・インディード第3王子は冷めた目でカルナ公爵令嬢を見ている。その横には不安そうにアルファレット王子に縋り付くリリア伯爵令嬢が見える。
「決まっているであろう?少し我とリリアが話しただけで、リリアを虐めていたであろう?」
「……確かに……確かに私はリリア様に詰め寄りましたわ。ですがそれは貴方様と親しくしておられたからです。それに、不純なことをしていらしたから、私はそういう行為をしてしまったのですわ!」
観客は嬉々としてこの茶番を見ている。
リリア伯爵令嬢にどうやって取り入ろうか、王家との繋がりをどう作るか、早々にマドーナ家を見放そうと様々な発言がこそこそと飛び交っている。
「ふん。それでもリリアはたいへん傷ついた。将来の王子妃に危害を与えた罰として、牢屋に5年入っておけ、これはリリアの優しさだ。これからの王国に期待せよ」
口角を上げ、カルナ公爵令嬢を見下している第3王子。
公爵令嬢が婚約破棄など絶対にありえないが、誰も異論を唱えるものはいない。
1人、ぷるぷると震え、笑いをこらえているもの以外は至って普通だった。ここでアリスベータの恋愛ポリシーを1つ紹介する。
浮気男は死すべし!!!!!
兵士によって連れていかれそうになっているカルナ公爵令嬢の叫びと、アリスベータの笑いが起こるのは同時だった。
「殿下!!殿下!!!!」
「おほほほほ……むりですわっあははははっはは!!」
甲高い高笑いが会場中に響いた。
アリスベータは確かに笑っていた。しかし、目は絶対零度だった。
アリスベータに着いてきていたメイドもアリスベータの隠者も頭を抱え、アリスベータを見ていた。
「またやらかしやがるぞ」
と言う思いを胸にしながら。
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