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21話 答えのない想い
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蒼真からのメッセージは、夜遅くに届いていた。
《共有ありがとう。助かります》
短い一文。けれど、春菜はその画面を何度も見返していた。
(助かります、って……いつも通りなんだな)
言葉はあくまで業務的。それが、昨日聞いた話を思い出させる。
彼にとって、自分はやっぱり仕事上のパートナーでしかないのだろう。
それでいいのだと思いながらも、胸の奥に小さなもやもやが残った。
---
翌日、社に戻る途中のカフェで、春菜は偶然にも、蒼真の会社の篠原と再会した。
「水沢さん? おひさしぶりです。こないだの打ち合わせ、ありがとうございました」
「こちらこそ、お世話になりました」
篠原は穏やかな笑みを浮かべ、テイクアウトのコーヒーを手にしていた。
「高瀬社長、今日もすごく機嫌良かったですよ。水沢さんの資料、とても参考になったって」
「……そうでしたか? よかったです」
少し間を置いて、篠原がふと表情を変えた。
「……そういえば、社長のこと、何か聞いてませんか?最近、お見合いの話が進んでるって」
春菜の心臓が、わずかに強く打った。
「詳しくは知らないんですけど、会長の知り合いの娘さんとか。でも、社長、あまり乗り気じゃないみたいで……」
「乗り気じゃない?」
「仕事の話をしてる時は楽しそうなんですけど、その話になると、なんだか疲れた顔をされるんです」
春菜は、複雑な気持ちになった。
あの穏やかな声、冷静な指示、まっすぐな視線。
その奥に、彼なりの悩みがあるのかもしれない。
「あ、ごめんなさい。余計なこと言っちゃいましたね」
「……いえ。話してくれて、ありがとうございます」
篠原は最後に微笑んで、「また何か一緒にできるといいですね」と言って去っていった。
残された春菜の心には、静かな波紋が広がっていた。
(あの人も、色々と大変なんだ……)
それでも、その悩みに自分が関われるわけではない。
ただ、少しだけ、彼の人となりが見えたような気がした。
---
週明けの朝。春菜はいつもより早く出社し、自席で資料のチェックをしていた。
蒼真のことを考えないようにしていても、気がつくと頭の片隅によぎってしまう。
そんな中、スマートフォンが震えた。蒼真からのメッセージだった。
《午後、少しだけ時間が取れそうです。資料について直接話せたらと思いますが、オフィスに伺っても構いませんか?》
春菜は画面を見つめた。
いつもの業務連絡。でも、「直接話したい」という言葉に、なぜか心が動く。
(きっと、大事な案件だから)
そう自分に言い聞かせながら、返信を打つ。
《はい、お待ちしています》
送信ボタンを押した後、春菜は小さく息を吐いた。
また、彼に会える。それだけで、なぜか少し嬉しい自分がいた。
《共有ありがとう。助かります》
短い一文。けれど、春菜はその画面を何度も見返していた。
(助かります、って……いつも通りなんだな)
言葉はあくまで業務的。それが、昨日聞いた話を思い出させる。
彼にとって、自分はやっぱり仕事上のパートナーでしかないのだろう。
それでいいのだと思いながらも、胸の奥に小さなもやもやが残った。
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翌日、社に戻る途中のカフェで、春菜は偶然にも、蒼真の会社の篠原と再会した。
「水沢さん? おひさしぶりです。こないだの打ち合わせ、ありがとうございました」
「こちらこそ、お世話になりました」
篠原は穏やかな笑みを浮かべ、テイクアウトのコーヒーを手にしていた。
「高瀬社長、今日もすごく機嫌良かったですよ。水沢さんの資料、とても参考になったって」
「……そうでしたか? よかったです」
少し間を置いて、篠原がふと表情を変えた。
「……そういえば、社長のこと、何か聞いてませんか?最近、お見合いの話が進んでるって」
春菜の心臓が、わずかに強く打った。
「詳しくは知らないんですけど、会長の知り合いの娘さんとか。でも、社長、あまり乗り気じゃないみたいで……」
「乗り気じゃない?」
「仕事の話をしてる時は楽しそうなんですけど、その話になると、なんだか疲れた顔をされるんです」
春菜は、複雑な気持ちになった。
あの穏やかな声、冷静な指示、まっすぐな視線。
その奥に、彼なりの悩みがあるのかもしれない。
「あ、ごめんなさい。余計なこと言っちゃいましたね」
「……いえ。話してくれて、ありがとうございます」
篠原は最後に微笑んで、「また何か一緒にできるといいですね」と言って去っていった。
残された春菜の心には、静かな波紋が広がっていた。
(あの人も、色々と大変なんだ……)
それでも、その悩みに自分が関われるわけではない。
ただ、少しだけ、彼の人となりが見えたような気がした。
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週明けの朝。春菜はいつもより早く出社し、自席で資料のチェックをしていた。
蒼真のことを考えないようにしていても、気がつくと頭の片隅によぎってしまう。
そんな中、スマートフォンが震えた。蒼真からのメッセージだった。
《午後、少しだけ時間が取れそうです。資料について直接話せたらと思いますが、オフィスに伺っても構いませんか?》
春菜は画面を見つめた。
いつもの業務連絡。でも、「直接話したい」という言葉に、なぜか心が動く。
(きっと、大事な案件だから)
そう自分に言い聞かせながら、返信を打つ。
《はい、お待ちしています》
送信ボタンを押した後、春菜は小さく息を吐いた。
また、彼に会える。それだけで、なぜか少し嬉しい自分がいた。
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