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隠れ家――アンフェールとグレン4
アンフェールとおそろいティーカップと『契合』の話
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「アンフェール、獲物の血抜き中なんだが、他にする事はあるだろうか?」
「んー。特にないかな。お茶する?」
いつも通り、グレンはアンフェールの隠れ家に泊まりに来ている。
五年経過し、グレンはもの凄く成長した。
狩りを任せれば血抜きまでしてくれる。力持ちのグレンは大きな猪も軽々運搬してきてくれるのだ。
高貴な見た目なのにすっかり森の住人適性が上がっている。
多分、明日国が滅んでもソロで生き抜けるぐらいにサバイバル能力が上がっている。
アンフェールは料理の準備をし、待っているだけで良かった。完全に分担できるって素晴らしい。
たくさん成長した彼の変わらない所と言えば、あの弟詣でだ。
彼は未だにあの高台で、無為の時間を過ごしている。
アンフェールは時々、離宮を見つめる彼を見つめに高台にこっそり行っている。
高台にある大岩に座り、身動ぎもせず離宮を眺めるグレン。一枚の絵のようなその姿が絵ではないと分かるのは、風に長い髪が揺れるからだ。
高台は風が強い。日を遮るものも無い。
寒い時期も、暑い時期も、彼はそうして弟を想っている。
彼がその行為中、何を考えているのかは分からない。
それでも遠目に見る横顔は真剣で美しく、纏う空気は神聖で、アンフェールは崇高な神事を見ているような気分になるのだ。
アンフェールも、アヴァロニアに歌う時はこんな顔をしているだろうか。
手の届かない、守りたかった誰かを思う顔。
少し、嫉妬する。
彼の想う弟がアンフェール自身なのだとしても、現時点でグレンの中では別の存在になっている訳で。
二人分のカップに紅茶を注ぐ。
カップはアンフェール渾身の作だ。
グレンのカップには彼の瞳の色である赤で、アンフェールのカップには自身の瞳の色である青で絵付けしている。
どちらもリンゴの木に二匹の鳥が止まっており、その向こうに双満月が輝いているという絵柄になっている。
『双満月の友』と呼んでくれた彼へのメッセージのような絵。
これを見せた時、グレンは本当に喜んでくれた。親友の証だというニュアンスが伝わったからかもしれない。
「はいどうぞ、グレン」
グレンの前に彼の色である赤いカップを置いた。
「アンフェール、私はそちらの青いカップで頂きたいのだが」
「うん? いいけど」
アンフェールは言われるままに青い方をグレンに渡した。
グレンはアンフェールの色である青いカップにそっと唇を寄せて紅茶を楽しんでいる。
アンフェールはカップに触れるグレンの唇を凝視してしまって、思わず喉を鳴らしてしまった。
自分にされてる訳じゃないのに、口づけされたように感じて尻の辺りがもぞもぞする。
何だか、こう、最近のグレンの所作は色々と照れるのだ。お互いの距離感がグラグラしていると、アンフェールは感じている。
「どうした?」
「なっ、なんでもない……」
グレンに問いかけられて、アンフェールは慌てて紅茶に口を付けた。
コクコクと数口飲んで、ちらりと顔を上げると、グレンがこちらを見ていた。
いつから見ていたんだろう。こちらが飲む様子をずっと見ていたんだろうか。
目が合うと、彼はふっと目元を緩ませて笑った。
――顔が、熱い。
アンフェールは、みるみる血が上り、真っ赤になってしまった。
(最近はこんな事ばかりだ……。肉体年齢に引っ張られているのだ。この私が、思春期の子供のようではないか)
アンフェールは思考を飛ばす様にプルプルと首を振った。
グレンは普通にしているのに、アンフェールだけがおかしい。
そもそもグレンが良い匂いを振りまくからおかしくなるのだ。と、アンフェールは責任転嫁する。
(こんなちょっとした事で幸せを感じて堪らなくなる。最近の浮つきようといったら、情けない程だ。
……前世、グレングリーズは私に対してこんな気持ちでいたのか。……それを、私は)
こんなに幸せで。
産まれた卵を腕に抱いて。
アンフェールの死が迫ってさえいなければ、グレングリーズは幸せの絶頂だったろう。
アンフェールはそんな気持ちでいた彼を置いて、死の安寧に逃げたのだ。寿命だったとはいえ、延命の方法だってあった。
命を分け合い死を共に迎える禁呪だ。『契合』という。
アンフェールだって番をフェロモンで感じられれば、その術――『契合』に対し躊躇いは無かったと思う。
彼が好きだったし『番』だと言って貰っていた。
それに、アンフェールの匂いに対する彼の反応を見て『番』なのだろう、と状況証拠で判断もしていた。
でもどうしても、『契合』を使うという一線を踏み越える事が出来なかった。きっと心の奥底では『番』だと信じ切れてなかったのだ。
『契合』は生命を犯す禁忌だ。
番でない者に施すなど、あってはならない事だ。
寿命の少ない方が術を使うという事は命に対する略奪行為に当たるからだ。
古竜種達は『契合』を新種の竜には伝えなかった。
神にも等しい長さを生きる古竜種は命に対する執着が薄いが、新種は寿命が短い。『契合』を知られれば生命の奪い合いが起こる可能性があったからだ。
ましてや、術が人間に渡ってしまったら。
アンフェール自身の余命が限りなくゼロに近かったから、分け合うという事は、グレングリーズの寿命を半分奪うという事だった。
『契合』という禁忌を『番』の確証も持てない相手に施すのは罪でしかない。
人間たちから『略奪』という大罪で、故郷――竜の谷を滅ぼされたアンフェールは『略奪』に対し、その時強い忌避感を持っていた。
『契合』を使って命を奪った挙句、グレングリーズが番でなかったら、あの人間たちと何も変わらないのでは、と。
いつもフェンリルに言われる通り、アンフェールは頭で考えすぎなのだ。
あの時、確かにグレングリーズを好いていた。細かいことを考えず、ただ、好きな相手と共にいたいと、単純に考えればよかったのだ。
――王の責務も何もかも投げ出して。
(……無理だな。あの時点で、殺された者も拉致された者も救えなかったと、その気持ちが心の大半を占めていた。谷が滅んでも、心は王のままだった。……恋情はそれを越えなかったのだ)
今、アンフェールがグレンに抱いている気持ちを考えてみれば、グレングリーズは喜んで命を差し出してくれただろうと想像できる。
彼はフェロモンを感じる事が出来たし、アンフェールに対し深い愛情を持っていた。
『契合』の存在をグレングリーズには教えていない。
だから彼は死ぬまでアンフェールに置いて行かれた事を知らなかっただろう。
この裏切ってしまったように感じる悔恨は、アンフェールだけに残っているものだ。
フェンリルは、あるがまま幸せを受け入れればいいという。そう出来たらどれだけ良いか。
転生を経たもののグレングリーズと過ごした日々を、アンフェールはついこの間のように感じている。十二歳なので十二年前の事、位の感覚だ。
グレングリーズは確かに『番』だった。長い人生――いや、竜生の愛をアンフェールのみに捧げてくれる事で、それを証明してくれた。
そんな彼の記憶がまだ鮮明にあるのに、グレンに対し浮ついた気持になっている。
(軽薄な事だ。グレングリーズと共にある生を選ばなかったくせに。
自分が『番』だと感じるグレンに対しては恋情に振り回されている。グレンにフェロモンを感じさせないよう抑えているくせに、こちらを見て欲しいと心のどこかで強く願っている。
私はフェロモンも何も関係なく、グレンに恋情を持って欲しいとでも思っているのか?
前世、私は恋情よりも王である事を選んだというのに。
……グレングリーズは私に何も押し付けなかった。王である私を尊重してくれた。同じ様でありたいなら、私もそうあるべきだろう。グレンはこの国の王になるのだから)
アンフェールは長考しつつ、グレンの話に相槌を打ちながら紅茶を飲んでいた。
そんな上の空でいる頭を、ぐっと引き戻す言葉が耳に飛び込んできた。
「――ついに王位継承に向けての準備に入るらしい。しばらく忙しくなるかもしれない」
「んー。特にないかな。お茶する?」
いつも通り、グレンはアンフェールの隠れ家に泊まりに来ている。
五年経過し、グレンはもの凄く成長した。
狩りを任せれば血抜きまでしてくれる。力持ちのグレンは大きな猪も軽々運搬してきてくれるのだ。
高貴な見た目なのにすっかり森の住人適性が上がっている。
多分、明日国が滅んでもソロで生き抜けるぐらいにサバイバル能力が上がっている。
アンフェールは料理の準備をし、待っているだけで良かった。完全に分担できるって素晴らしい。
たくさん成長した彼の変わらない所と言えば、あの弟詣でだ。
彼は未だにあの高台で、無為の時間を過ごしている。
アンフェールは時々、離宮を見つめる彼を見つめに高台にこっそり行っている。
高台にある大岩に座り、身動ぎもせず離宮を眺めるグレン。一枚の絵のようなその姿が絵ではないと分かるのは、風に長い髪が揺れるからだ。
高台は風が強い。日を遮るものも無い。
寒い時期も、暑い時期も、彼はそうして弟を想っている。
彼がその行為中、何を考えているのかは分からない。
それでも遠目に見る横顔は真剣で美しく、纏う空気は神聖で、アンフェールは崇高な神事を見ているような気分になるのだ。
アンフェールも、アヴァロニアに歌う時はこんな顔をしているだろうか。
手の届かない、守りたかった誰かを思う顔。
少し、嫉妬する。
彼の想う弟がアンフェール自身なのだとしても、現時点でグレンの中では別の存在になっている訳で。
二人分のカップに紅茶を注ぐ。
カップはアンフェール渾身の作だ。
グレンのカップには彼の瞳の色である赤で、アンフェールのカップには自身の瞳の色である青で絵付けしている。
どちらもリンゴの木に二匹の鳥が止まっており、その向こうに双満月が輝いているという絵柄になっている。
『双満月の友』と呼んでくれた彼へのメッセージのような絵。
これを見せた時、グレンは本当に喜んでくれた。親友の証だというニュアンスが伝わったからかもしれない。
「はいどうぞ、グレン」
グレンの前に彼の色である赤いカップを置いた。
「アンフェール、私はそちらの青いカップで頂きたいのだが」
「うん? いいけど」
アンフェールは言われるままに青い方をグレンに渡した。
グレンはアンフェールの色である青いカップにそっと唇を寄せて紅茶を楽しんでいる。
アンフェールはカップに触れるグレンの唇を凝視してしまって、思わず喉を鳴らしてしまった。
自分にされてる訳じゃないのに、口づけされたように感じて尻の辺りがもぞもぞする。
何だか、こう、最近のグレンの所作は色々と照れるのだ。お互いの距離感がグラグラしていると、アンフェールは感じている。
「どうした?」
「なっ、なんでもない……」
グレンに問いかけられて、アンフェールは慌てて紅茶に口を付けた。
コクコクと数口飲んで、ちらりと顔を上げると、グレンがこちらを見ていた。
いつから見ていたんだろう。こちらが飲む様子をずっと見ていたんだろうか。
目が合うと、彼はふっと目元を緩ませて笑った。
――顔が、熱い。
アンフェールは、みるみる血が上り、真っ赤になってしまった。
(最近はこんな事ばかりだ……。肉体年齢に引っ張られているのだ。この私が、思春期の子供のようではないか)
アンフェールは思考を飛ばす様にプルプルと首を振った。
グレンは普通にしているのに、アンフェールだけがおかしい。
そもそもグレンが良い匂いを振りまくからおかしくなるのだ。と、アンフェールは責任転嫁する。
(こんなちょっとした事で幸せを感じて堪らなくなる。最近の浮つきようといったら、情けない程だ。
……前世、グレングリーズは私に対してこんな気持ちでいたのか。……それを、私は)
こんなに幸せで。
産まれた卵を腕に抱いて。
アンフェールの死が迫ってさえいなければ、グレングリーズは幸せの絶頂だったろう。
アンフェールはそんな気持ちでいた彼を置いて、死の安寧に逃げたのだ。寿命だったとはいえ、延命の方法だってあった。
命を分け合い死を共に迎える禁呪だ。『契合』という。
アンフェールだって番をフェロモンで感じられれば、その術――『契合』に対し躊躇いは無かったと思う。
彼が好きだったし『番』だと言って貰っていた。
それに、アンフェールの匂いに対する彼の反応を見て『番』なのだろう、と状況証拠で判断もしていた。
でもどうしても、『契合』を使うという一線を踏み越える事が出来なかった。きっと心の奥底では『番』だと信じ切れてなかったのだ。
『契合』は生命を犯す禁忌だ。
番でない者に施すなど、あってはならない事だ。
寿命の少ない方が術を使うという事は命に対する略奪行為に当たるからだ。
古竜種達は『契合』を新種の竜には伝えなかった。
神にも等しい長さを生きる古竜種は命に対する執着が薄いが、新種は寿命が短い。『契合』を知られれば生命の奪い合いが起こる可能性があったからだ。
ましてや、術が人間に渡ってしまったら。
アンフェール自身の余命が限りなくゼロに近かったから、分け合うという事は、グレングリーズの寿命を半分奪うという事だった。
『契合』という禁忌を『番』の確証も持てない相手に施すのは罪でしかない。
人間たちから『略奪』という大罪で、故郷――竜の谷を滅ぼされたアンフェールは『略奪』に対し、その時強い忌避感を持っていた。
『契合』を使って命を奪った挙句、グレングリーズが番でなかったら、あの人間たちと何も変わらないのでは、と。
いつもフェンリルに言われる通り、アンフェールは頭で考えすぎなのだ。
あの時、確かにグレングリーズを好いていた。細かいことを考えず、ただ、好きな相手と共にいたいと、単純に考えればよかったのだ。
――王の責務も何もかも投げ出して。
(……無理だな。あの時点で、殺された者も拉致された者も救えなかったと、その気持ちが心の大半を占めていた。谷が滅んでも、心は王のままだった。……恋情はそれを越えなかったのだ)
今、アンフェールがグレンに抱いている気持ちを考えてみれば、グレングリーズは喜んで命を差し出してくれただろうと想像できる。
彼はフェロモンを感じる事が出来たし、アンフェールに対し深い愛情を持っていた。
『契合』の存在をグレングリーズには教えていない。
だから彼は死ぬまでアンフェールに置いて行かれた事を知らなかっただろう。
この裏切ってしまったように感じる悔恨は、アンフェールだけに残っているものだ。
フェンリルは、あるがまま幸せを受け入れればいいという。そう出来たらどれだけ良いか。
転生を経たもののグレングリーズと過ごした日々を、アンフェールはついこの間のように感じている。十二歳なので十二年前の事、位の感覚だ。
グレングリーズは確かに『番』だった。長い人生――いや、竜生の愛をアンフェールのみに捧げてくれる事で、それを証明してくれた。
そんな彼の記憶がまだ鮮明にあるのに、グレンに対し浮ついた気持になっている。
(軽薄な事だ。グレングリーズと共にある生を選ばなかったくせに。
自分が『番』だと感じるグレンに対しては恋情に振り回されている。グレンにフェロモンを感じさせないよう抑えているくせに、こちらを見て欲しいと心のどこかで強く願っている。
私はフェロモンも何も関係なく、グレンに恋情を持って欲しいとでも思っているのか?
前世、私は恋情よりも王である事を選んだというのに。
……グレングリーズは私に何も押し付けなかった。王である私を尊重してくれた。同じ様でありたいなら、私もそうあるべきだろう。グレンはこの国の王になるのだから)
アンフェールは長考しつつ、グレンの話に相槌を打ちながら紅茶を飲んでいた。
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