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第1章
想起
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何時間経過しただろうか。
目が覚めた。
スマートスピーカーの電子表示に10:22とある。
肩こりがすごい。
なにか夢を見ていた気がするが気持ちが悪い感覚が強くて中身がイマイチだ。
スマホで時間を確認しようとした。
画面が蜘蛛の巣のように綺麗に割れてる。
寝ながら叩きつけてしまっただろうか。
保険は効くのだろうか。
社会と断絶される部屋。
無音。
困ったものだ。退屈極まりない。
テレビをつける。
また殺人事件か。
「霧臥森公園付近の雑木林で変死体発見」
キャスターが深刻そうに話す。
住んでる近くのニュースくらいは見るタイプだ。
パソコンを立ち上げて検索する。
表のニュースでは変死体という表現だが、タウィッター民の情報によれば心臓がくり抜かれてる状態だったようだった。
胸部陥没、空き缶の直径程度の穴。
心臓がすっぽりない。
虚空がそこにあるという。
少し読んでいるだけでも気持ちが悪い。
喉が渇いた。
冷蔵庫をあける。
炭酸飲料は喉がスッキリするから好きだ。
眠気まなこに手探りで取り出したのはトマト缶だった。間違えてしまった。炭酸飲料が飲みたかったのに。
しかし、なんだかずっしり重い。
トマト缶が開栓されている。
赤黒い液体がしたたっている。
まだ乾いてない、赤黒い血がトマト缶の表面にしたたって、へばりついていた。
恐る恐る切り取られた缶の上部を覗き込んでみると、そこには赤いヘドロで汚れた物体が収められていた。
なぜ。
ここにこんなものがある。
いつもの勢いで手にとってしまったので、すでにおれの手には血がへばりついている。
床にしたたる鮮血。
その場で硬直してしまった。動けるわけが無い。今にも動き出しそうな"それ"を流し台に転がした。
急いで手を洗う。
昨晩の記憶はない。
「霧臥森公園で変死体が…」
テレビは繰り返しそのワードを出す。
おれじゃない。
だがこれはなんだ。
悪い夢か。
まだ覚めてないのか。
生臭い匂いが立ち上り思考を遮る。
急いで密封容器に移し替える。
袋を何重にも縛って臭いごと閉じ込めた。
これはさっきまで、おそらく人間のそれだった。
でも今は生ゴミだ。早く何とかしないと。
気が動転しているのが分かる。
誰かを探したがおれ以外にこの部屋にはいない。幸いだ。
自転車。
室内に保管している折りたたみ自転車がない。
「まずい。」
咄嗟に口にした。
おれは自分がやってないという証明が出来ずに隠す方法を考えてしまった。
どうすればいいのか。
この生ゴミも自転車も、、。
そうだ、凶器はどこだ。
シンクの下をあける。
赤い液体のついた包丁が、そこにあった。
ネットで買ったペティナイフ。
こいつはよく切れる。
だが空き缶程のくり抜きを胸部に開けられるのか。
考えても考えても答えは見えない。
身体が限界をむかえたのか、はたまた精神の限界か、おれはその場に崩れ落ち、嘔吐した。
目が覚めた。
スマートスピーカーの電子表示に10:22とある。
肩こりがすごい。
なにか夢を見ていた気がするが気持ちが悪い感覚が強くて中身がイマイチだ。
スマホで時間を確認しようとした。
画面が蜘蛛の巣のように綺麗に割れてる。
寝ながら叩きつけてしまっただろうか。
保険は効くのだろうか。
社会と断絶される部屋。
無音。
困ったものだ。退屈極まりない。
テレビをつける。
また殺人事件か。
「霧臥森公園付近の雑木林で変死体発見」
キャスターが深刻そうに話す。
住んでる近くのニュースくらいは見るタイプだ。
パソコンを立ち上げて検索する。
表のニュースでは変死体という表現だが、タウィッター民の情報によれば心臓がくり抜かれてる状態だったようだった。
胸部陥没、空き缶の直径程度の穴。
心臓がすっぽりない。
虚空がそこにあるという。
少し読んでいるだけでも気持ちが悪い。
喉が渇いた。
冷蔵庫をあける。
炭酸飲料は喉がスッキリするから好きだ。
眠気まなこに手探りで取り出したのはトマト缶だった。間違えてしまった。炭酸飲料が飲みたかったのに。
しかし、なんだかずっしり重い。
トマト缶が開栓されている。
赤黒い液体がしたたっている。
まだ乾いてない、赤黒い血がトマト缶の表面にしたたって、へばりついていた。
恐る恐る切り取られた缶の上部を覗き込んでみると、そこには赤いヘドロで汚れた物体が収められていた。
なぜ。
ここにこんなものがある。
いつもの勢いで手にとってしまったので、すでにおれの手には血がへばりついている。
床にしたたる鮮血。
その場で硬直してしまった。動けるわけが無い。今にも動き出しそうな"それ"を流し台に転がした。
急いで手を洗う。
昨晩の記憶はない。
「霧臥森公園で変死体が…」
テレビは繰り返しそのワードを出す。
おれじゃない。
だがこれはなんだ。
悪い夢か。
まだ覚めてないのか。
生臭い匂いが立ち上り思考を遮る。
急いで密封容器に移し替える。
袋を何重にも縛って臭いごと閉じ込めた。
これはさっきまで、おそらく人間のそれだった。
でも今は生ゴミだ。早く何とかしないと。
気が動転しているのが分かる。
誰かを探したがおれ以外にこの部屋にはいない。幸いだ。
自転車。
室内に保管している折りたたみ自転車がない。
「まずい。」
咄嗟に口にした。
おれは自分がやってないという証明が出来ずに隠す方法を考えてしまった。
どうすればいいのか。
この生ゴミも自転車も、、。
そうだ、凶器はどこだ。
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赤い液体のついた包丁が、そこにあった。
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こいつはよく切れる。
だが空き缶程のくり抜きを胸部に開けられるのか。
考えても考えても答えは見えない。
身体が限界をむかえたのか、はたまた精神の限界か、おれはその場に崩れ落ち、嘔吐した。
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