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第2章
白痴-9-
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数週間が経過して、ハートフル事業所は行政監査がいったらしい。是正命令によって人員の整理や、待遇改善の指導が入ったそうだ。
しかしそれでも何かが大きく変わることもなくて。場所も中身も変革というには程遠かった。
そんな事情を聞いたあとで、先生のご所望の買い出しにでて、桜と鯨の絵を描くあの子に遭遇した。
行く場所はハートフル事業所。
毎日通うルーティンができているらしい。
彼女にとっての居場所が少しばかり暗さを持った場所でも、そこは一応の居場所であって、奪われてしまっては彼女の日常を壊してしまうものなのかもしれない。
彼女は大きく膨らんだカバンからスケッチブックを取りだして僕に絵を見せてくれた。
花のない枯れた木の枝。そこに鯨の飛沫が咲き誇る花の用に覆いかぶさっていて、なんだか不思議な印象だった。
散りゆくこともあれば、それを補う用に何かが役割を果たす。そんな風に感じた。「たすけて」の声は形を変えて次の世界を見ているのかもしれない。
僕は自分のしたことの意味を考える。小さな変化。小さな力。
先生のそばで無力に等しい自分の、できることはなんだろうか。それを最近、必死に考えていて、答えは出なかった。
守りたいものを守るために、人はどれだけ努力すればいいのだろう。僕は報われるための、救いを求めているのかもしれない。自己効力感というやつだろうか。何者かになりたくて何者にもなれないような。
「田崎くんは、そのままでいてよ」
先生がときより声をかけてくれるこの一言が素直に受け取れない自分がいる。僕は何を目指し、何を志して生きているのだう。悪を裁く力もないし権利もない。でも、知ってしまった世界をそのままにしておきたくない。
そんな時にこそ、長い目で見て行くことも必要なのだろう。最近の僕は血の気が多くて、焦っているところがある。
何も変わらない日々の中で、今日もまた僕は先生の事務所に足を運ぶ。今の僕の居場所はここだと信じているから。僕の日常を非日常に変えてくれて、非日常を日常に落とし込んでくれた先生には感謝したい。
力及ばずの僕が少しでも、僕らしい判断と選択で先生の力になれたら。明日もきっと頑張れると思う。少なくともちっぽけでも僕には正義の心がある。心の中のマッチ1本分の正義が燃え上がって誰かの糧になるなら、僕はその灯し火をともし続けたいと思った。
「田崎くん、次の依頼がきたから準備よろしくね。」
「はい、かしこまりました。」
仕事の次はまた仕事。一歩一歩、ぼちぼちやろう。自分らしく。
しかしそれでも何かが大きく変わることもなくて。場所も中身も変革というには程遠かった。
そんな事情を聞いたあとで、先生のご所望の買い出しにでて、桜と鯨の絵を描くあの子に遭遇した。
行く場所はハートフル事業所。
毎日通うルーティンができているらしい。
彼女にとっての居場所が少しばかり暗さを持った場所でも、そこは一応の居場所であって、奪われてしまっては彼女の日常を壊してしまうものなのかもしれない。
彼女は大きく膨らんだカバンからスケッチブックを取りだして僕に絵を見せてくれた。
花のない枯れた木の枝。そこに鯨の飛沫が咲き誇る花の用に覆いかぶさっていて、なんだか不思議な印象だった。
散りゆくこともあれば、それを補う用に何かが役割を果たす。そんな風に感じた。「たすけて」の声は形を変えて次の世界を見ているのかもしれない。
僕は自分のしたことの意味を考える。小さな変化。小さな力。
先生のそばで無力に等しい自分の、できることはなんだろうか。それを最近、必死に考えていて、答えは出なかった。
守りたいものを守るために、人はどれだけ努力すればいいのだろう。僕は報われるための、救いを求めているのかもしれない。自己効力感というやつだろうか。何者かになりたくて何者にもなれないような。
「田崎くんは、そのままでいてよ」
先生がときより声をかけてくれるこの一言が素直に受け取れない自分がいる。僕は何を目指し、何を志して生きているのだう。悪を裁く力もないし権利もない。でも、知ってしまった世界をそのままにしておきたくない。
そんな時にこそ、長い目で見て行くことも必要なのだろう。最近の僕は血の気が多くて、焦っているところがある。
何も変わらない日々の中で、今日もまた僕は先生の事務所に足を運ぶ。今の僕の居場所はここだと信じているから。僕の日常を非日常に変えてくれて、非日常を日常に落とし込んでくれた先生には感謝したい。
力及ばずの僕が少しでも、僕らしい判断と選択で先生の力になれたら。明日もきっと頑張れると思う。少なくともちっぽけでも僕には正義の心がある。心の中のマッチ1本分の正義が燃え上がって誰かの糧になるなら、僕はその灯し火をともし続けたいと思った。
「田崎くん、次の依頼がきたから準備よろしくね。」
「はい、かしこまりました。」
仕事の次はまた仕事。一歩一歩、ぼちぼちやろう。自分らしく。
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