異世界おにぃたん漫遊記

ざこぴぃ。

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第一章―旅立ちと双子―

1−4・能力開花

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―――集落―――

 桃矢は、お昼前にようやく山すその集落へと着いた。近くの木陰から集落の様子を伺う。

「やはり、村なのか……」

 村の入口には門番らしき人がいるが……どうも見た目が違う。日本人ではない……と思われる。桃矢は、木陰から歩き出し門番に近付き声をかける。

「すいません!道に迷ってしまって……ここはどこですか?」
「ΠΟΥ! από πού είσαι!」
「え?えぇと……」
「Άγνωστοι πάνε σπίτι!」
「トメェト?」
「Άγνωστοι πάνε σπίτι!」

駄目だ……言葉がまったくわからない……トメトと聞こえた気がしたが、ここはトメト村というのか……?
門番は手振りで帰れ、と言っているように見えた。

「あのぉ、道を教えて……」
「Άγνωστοι πάνε σπίτι!」

言葉が通じない……これ以上、何を話しても通じないだろう。僕は仕方なく帰ることにした。

◆◇◆◇◆

カチャ……

「ただいまぁ……はぁ、疲れた」
「桃矢!お帰りなさい!」
「桃矢くん!お帰りぃ!」
「トウヤサン?お帰りマシタ!」
「ただいマシタ……集落はあったんだけど、言葉が……て、あなた誰っ!?」

山小屋へと帰ると、知らない女性がいて美味しそうな匂いがする。

「え?いい匂い。え?誰?え?怪我してる?」

情報が多すぎて軽くパニックになる僕。
早紀と舞が代わる代わるに事情を説明してくれる。

――十分後

「そうか、メイさんと言うのか。僕は桃矢。よろしくね」
「きゅん♡私はメイさん。あなたと結婚シマシタ」
「してないよ。このロボット大丈夫なの?」

ちょっと設定ミスが否めない人形だが、なぜかどこかで会った気がし、懐かしい感じがした。

「とりあえず、冷めないうちに晩ごはんを頂きましょう!メイのおかげで久々のお肉だよ!」
「お肉~!!いただきますっ!!」
「いただきメス!」
「わ……ほんとにお肉だ。頂きます」

カチャカチャ……

もぐもぐ……

ごっくん――

『美味しいっ!!』
「これはうまい!!ビックリした……」

 メイのおかげでその日は久々のお肉が食べれ、お腹いっぱいになった。小さい事だが、これだけで生きている幸せを噛みしめれた。
 しかし、ここからが本当の始まりだった。僕たちの選択肢は二つ。この日はまだそれに気付けずにいた……

「――ガルゥゥゥゥ……」

◆◇◆◇◆

翌日――

「さて、皆さん。お集まり頂けマシタ」

若干、日本語がおかしいがロボットなので気にしない。

「アナタ方は、ここエスポワール大陸でこのまま生きていくという選択肢と、元の世界へ帰る、という二つの選択肢がございメス。どちらを選択するにせよ、よぉく考えてくだサイ」
「元の世界……?ここはやはり日本ではないのか。昨日の集落の人は言葉も違えば、服装も違った」
「元の世界ってどういうこと……?」

 メイの言う言葉に、三人共しゃくぜんとしない面持ちになる……このロボットの言う話に、そもそも信憑性があるかどうかも疑わしい。

「メイ……話が唐突すぎて良くわからないわ。ここは日本じゃなく別の国で、何ていうか……」
「もしかしてパラレルワールド……?」
「そう!それ!パラレルワールドとかって言うことなの?」
「ハイ。別世界デス」
「私は元の世界へ帰りたいよっ!ね!舞!」
「う、うん!早紀ちゃん……」
「僕は……正直どっちでも……というか……」
「何よ!桃矢!はっきり言いなさいよっ!」
「早紀と舞とのこの生活も悪くないな……て思ってた」
「え……ちょ、ちょっと!冗談はやめて!帰りたくないの?!」
「……ちょっと考えさせてくれ」
「桃矢くん……」
「もうっ!何言ってるの!しっかりして!私は一人でも帰るわよっ!」

早紀はそう言うと、小屋の外へと出ていく。

「早紀っ!」

早紀を追いかけようとすると、舞が腕を掴む。

「桃矢くんっ!」
「舞……」
「私は桃矢くんがこの世界に残るなら、私も残りたい!」
「わかった。僕はこの世界で……」

◆◇◆◇◆

「お二人共、落ち着かれましタカ」
「……」
「……はい」
「では、お二人にはこの世界で生きていくための能力と知識をお貸ししマス。腕を出してくだサメ」
「……能力と知識?」

 言われるがまま僕は左手を出し、舞は右手を出した。メイが二人の手首を掴み、呪文のような聞いたことのない言葉を発する。

「……ΤΟ ΑΝΤΙΓΡΑΦΟ!!」

メイの腕が赤く光かり、その光が腕に吸収されていく。焼けるような熱い感触がする!

「あつっ!!」

一瞬熱くなり、それは引いていく……

「これは……?」
「……これで終わりデス。さぁ、外に出て試してみましょウ」

メイにうながされ、外へと出る。

「舞、大丈夫か?」
「うん、平気。腕時計?みたいだね。時刻が出てる」
「ほんとだ。これが魔法というやつなのか?」
「わからないけど……ちょっと便利かも」

舞は案外、適応能力があるのかもしれない。

「さて、いいでスカ。この世界で暮らしていくには最低限の戦闘能力と最低限の知識が必要です。強さとは……ソレハ、その人の魂に依存シマス」
「魂に依存……」

 急にファンタジーな展開になり、落ち着かない様子の僕に対して、しっかりした表情で説明を聞く舞。
 いつもは妹みたいな雰囲気あるのに、芯は強い子なのだ、と改めた。

「舞様……意識を一点に集中してクダサイ。開花する能力が……それがあなたの強さデス」

舞が深呼吸し、意識を集中する。

「はぁぁぁぁぁ……」

すると……!!



舞を中心に青白い魔法陣が出現し、周囲を包み込む。優しく暖かい……

「な、なんだこれは!?体が軽くなる!?」

昨日、歩き疲れた体の疲労が一気に無くなった気がした……

「それがアナタの能力なのですネ、舞様……」

メイが静かにそう言った。

「ふぅぅぅ……コレ、疲れるね」

集中を止め、舞が一息つく。

「すごいな……そんな能力が……」

ただあっけにとられ、見守る僕だった……
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