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第一章―旅立ちと双子―
1−6・古代文明
しおりを挟む―――山小屋―――
メイが取り出した設計図は、電気を作る発電機だった。しかし、文面は見たことない文字や暗号で書かれており、まったく読めない。
「これじゃあ、読めないよ。ドラえ――」
「あぁぁぁ!!読める!何でっ!?」
早紀の言葉に遮られ、僕ももう一度設計図を見直す。
「あれ……読める?何で?もしかして翻訳コンニャ――」
「あぁぁぁ!!そっか!能力開花で翻訳されたのね!」
ことごとく、大事な所が遮られる。早紀って意外と真面目なんだね――
「うん……そっか、これとこれがあれば……街に行けばあるかな。お金も少しはあるし、作ってみたいな!」
「え?早紀ちゃん、この世界のお金拾ったの?」
「あっ!そうなの。舞と変態桃矢が力を使い果たした後に、二人はメイが担いでくれて、私は倒した獣の残骸からお金や道具を拾って帰ったのよ」
「フフ、そうなんデス。この世界は魔物と呼ばれる種族がいまして、倒すとお金やアイテムがドロップするんデス」
「そうなんだ!私も集めたい!早紀ちゃん魔物倒しに行こうよぉ!」
「えぇ!私には無理だよ!変態桃矢なら大丈夫かもしれないけど!」
「……変態ですいません」
「フフ、皆様には魔物との戦闘も覚えて頂きませんとネ!いずれお役に立ちますからネ」
意味深な事を言われるが、今は気にしないでおこう。戦闘はさておき、電気というキーワードに僕は食いついた。
電気があれば何でも出来る――気がする。
◆◇◆◇◆
――翌日
「ねぇ、薪割りしてくんない?」
「んん、もうちょっと寝させ――」
「桃矢くんはなまけものさんなのぉ!」
「はぁ……もう、舞、水汲みに行きましょ!まったくもぅ……」
「はぁい!」
んん……困った。昨夜、トイレに行くのを我慢しておもらしをしてしまった。早紀と舞がいないうちに洗濯しないと――
僕は早紀と舞がいなくなるのを待って、シーツとパンツを洗う。
ゴシゴシゴシゴシ……
ザァァァ――
洗濯機欲しいな……いや、今はそれより早く洗濯を終わらせないと――
「――もう早紀ちゃんったら、桶忘れたら水が汲めないのにぃ!」
「ははは!ごめん!ごめん!桃矢がイライラさせるか……ら……あっ」
「あっ……」
「あれぇぇ!桃矢くんおもらししたのぉ?」
「ち、違うよ。天気良いから洗濯を――」
「パンツとお布団だけを?」
「ギクッ」
「はぁぁぁぁ。そうならそうと言ってくれたら洗って――」
「え?そうなの?洗ってくれ――」
「下半身裸でこっちを振り向くなーー!!」
ゴンッ!!
早紀の拳がみぞおちに入り、倒れ込む僕!
「カハッ!」
「早紀ちゃんの勝ちぃ!はははは!」
「ハァハァハァ……変態桃矢!汚いモノを見せるな!」
「ず……ずみまぜん……」
僕たちが山奥の小さな山小屋で生活をし始めて一ヶ月。近くには小川があり、山小屋周辺は原っぱになっている。
少し歩くと杉林が広がり、杉林を抜けると遠くに村も見える。村まで歩くと三時間弱位だろうか。一度行ってはみたものの、言葉がわからず追い返された。身なりも違っていたし、ここがどこの国かもわからない。
「悪かったわよ、私達があなたをここへ連れて来たんだから……ほら、パンツ貸しなさい、洗ってあげるから」
「ひひひぃ~早紀ちゃん優しい~」
「ありがとう。そっか……この世界へ来て、もう一ヶ月経つのか……」
「皆様!!ようやく連絡がつきまシタ!明日、村まで行けますヨ!」
「メイッ!聞いて!桃矢がおもら――」
「ちょっと!わざわざ言わなくても!」
「桃矢くんおもらししたぁ!」
「おもらし村マデは――」
「おもらし村って何だっ!?」
色々混ざってしまったが、僕達は翌日近くの集落に再度向かうことにした。言葉の壁だけどうにかなれば……と思いながら――
◆◇◆◇◆
「飛ぶのっ!?飛べるの?舞!私はこう見えて高所恐怖症だよ!しかも狭いとこも苦手!」
「さ、早紀ちゃん落ち着いて……」
朝から早紀と舞がお空を飛ぶ飛ばない、高所恐怖症だの閉所恐怖症だの、色々言い合っている。
「ま、まぁ……とりあえず……飛んでみる?」
「はぁ?バカ桃矢に言われたくないわっ!私の胸を揉んだ事を一生後悔させてやるわ!」
八つ当たりだ……完全に八つ当たりだ。忘れかけてた胸揉み事件を思い出し、さらに獅子奮闘のご様子。
「それでは行きますヨ!れっつごー!」
遠足気分のメイ。こういうバスガイドさんいるよなぁ……と、何だか感慨深い。
するとバスガイドさんは、早紀の腕を掴み飛び上がる!!
「う、うわわわわ!ちょ!ちょ!無理無理無理!」
「早紀ちゃん!メイちゃん!私も!」
バシュッ!バシュッ!!
「よし、行くか!」
バシュッ!
「早紀様!目を開けてご覧なサイ。これがこの世界デス」
「そんな事言ったって!無理なん……だっ……て……!?」
四人が羽ばたく空からは、広大な大地や、森、川、山、そして朝日が見える。
朝日が川に反射し黄金色に染まり、鳥達は朝日を待っていたかのように大空を羽ばたく。
「綺麗……」
「何て綺麗なの……これがこの世界の景色……」
「あぁ……ビックリした。自然豊かな素晴らしい景色だ」
「フフ……そう言って頂けると何だか私まで嬉しいワ。ここは、私を作り出した創造神アリス様が作られた世界。名前はエスポワール……」
「エスポワール……美しい……」
「桃矢!おもらししないでよね!こんなに綺麗な世界なんだから!」
「ちょ!早紀!僕も言わせてもらうけどな!帰りたいって泣いてたのはどこのどい――」
「あぁ!ひっどい!もう桃矢なんか知らないっ!」
「アハハハ!おもらし村の桃矢くん!」
「おもらし村って言うなっ!!」
そんなやり取りをしながら、僕達は村へと飛んだのだった。
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