異世界おにぃたん漫遊記

ざこぴぃ。

文字の大きさ
23 / 92
第三章―尊さと鬼―

3−2・第二王女ミーサ

しおりを挟む

―――とある街の廃墟―――

「痛っ……!」
「大丈夫か?ミーサ」
「うん……平気……桃矢様……」
「それじゃ、いくよ……」
「うん……」

――オニノ国で見つけた扉を抜けると、見知らぬ土地へと転送された僕達。そこで見つけた廃墟となった街で、西の国エルバルトの第二王女ミーサと再会する。
そしてその日の夜、僕とミーサは重なり合い――

魔物と戦っていた……

「ガァァァァァァ!!」
「ミーサ下がって!桃矢!ミーサをお願い!」
「痛っ……!」
「大丈夫か?ミーサ!」
「うん……平気……桃矢様……」
「それじゃ、いくよ……」
「うん……」
「僕の後ろに隠れていて」
「はい……」

 街の中で繰り広げられる戦い。ミーサの部下のビル達が見回りをしていると、魔物に襲われ助けを求めてきた。殺された部下達を見て怒りに任せ、魔物に突っ込んでいくミーサ。ミーサを追いかけ、僕と早紀で助けに入る!

ダダダダダダダダダッ!!

 早紀が機関銃を乱射し、舞と愛が魔法で援護。メイが三人の壁になり、魔物はあっという間に倒れていく。

「これで終わり?」
「みたいだね……早紀ちゃん怪我はない?」
「えぇ、大丈夫。それよりミーサは?」
「大丈夫みたい、桃矢くんが傷の手当てをして――」
 
 振り返る早紀と舞が目にしたのは、気を失い倒れている桃矢とミーサの姿だった――

「桃矢っ!ミーサ!!」
「メイちゃんお願い!愛ちゃん!同化!」
「わかりマシタ舞サマッ!!」
「ねぇさん!わかった!」

 メイが桃矢とミーサの後ろに立っている何かに突っ込んで行く!
 舞と愛は融合し、マイア・マイエスタ神となり倒れた二人に回復をほどこす。
 早紀も武装し、上空からその者に狙いを定める!!

カチャ――

 夜空の雲の切れ間から月が顔を出し、その者の顔が浮かび上がる。

「お前はっ!?」

 そこにいたのは、先程助けを求めてきたはずのミーサの部下、ビルだった……

「ウオォォォォォ!!」

 メイが渾身の一撃をビルに放ち、ビルはあっけなく吹っ飛び動かなくなった……

◆◇◆◇◆

「気が付かれましタカ?桃矢サマ」
「……あれ?ここは……図書館?」
「そうデス。気を失われていましたので運びまシタ」
「……痛っ」
「まだ動かないでくだサイ」
「そうだ!魔物は!?」

ギシ……

「全部倒したわよ、まさか桃矢が後ろで襲われてるとは思わなかったけど」
「桃矢くん大丈夫?」
「あぁ……思い出した。後ろから殴られて……」
「そうデス。ミーサの部下のビルが二人を後ろから棍棒で殴ったのデス……」
「ミーサ!?」
「ミーサ様もご無事デス」

僕の寝ているベッドの横で寝息を立てるミーサの姿があった。

「良かった……」
「ビルは拘束して一階に縛ってあるわ。今は愛が見てるけど、今夜は交代で見張りましょう。当分起きないでしょうけどね」
「しかしどうして、ミーサの部下が……」
「桃矢くん、ビルさんは正気を失っていた。誰かに操られて……うぅん、憶測だから気にしないで」
「舞……」
「桃矢サマ、しばらくおやすみください。夜が明けたら周辺の捜索を致しマス」
「あぁ、わかった。皆も気を付けて」
「じゃ、桃矢また後でね」
「桃矢くんおやすみぃ」

バタン……

「参ったな……さすがにミーサをかばってて襲われるとは……反省しないとな」

寝息を立てるミーサの横顔が見える。

ギシ……

僕は起き上がり、ミーサの手を握る。

「すまなかった。僕が守ってやるつもりが怪我をさせてしまった……」
「……桃矢様」
「ミーサ、目が覚めたのか。今、メイ達を――」
「お静かに……」

そう言うと、ミーサは僕を抱き寄せキスをする。

「!?」

ビックリはしたが、なされるがままミーサのベッドに横たわる。

「傷口は大丈夫か?」
「えぇ……」
「怖かっただろう?すまなかっ――」
「謝らないでください。こうしてあなた様と生きてまたお会い出来ました――」

そう言うとお互いの吐息を感じ、朝まで過ごした……

ギシギシ……


◆◇◆◇◆

翌朝――

 ビルは目を覚ましたがほとんど何も覚えてなかった。ただ、記憶を失う前に甘い紅茶の匂いを嗅いだと言う。

「甘い紅茶の匂い……エルフの秘薬か」
「ビル、まさかあなた姉上に頼まれて!?」
「そんな事は絶対に御座いません!私はミーサ様直属の配下!エルバルト王より死しても護るよう言いつかっております!」
「へぇ……そのわりにはミーサを殺そうとしてたわね」
「早紀ちゃん!」
「舞も見たでしょ?」
「そうだけど、アレは操られてたからで……」
「どうだかねぇ……」
「早紀様!舞様!本当に申し訳ありませんでした!」
「もういいじゃないか、本人も覚えていないのならこれ以上問い詰めても何もない。それよりエルフの秘薬を使ったヤツが気になる……」
「まぁ、それもそうね。この図書館を調べたら一旦帰りましょうか。ミーサも来るでしょ?」
「え?私も行っても宜しいのですか」
「当たり前じゃないか。しばらく落ち着いて休息も取れてないんだろ?オニノ国に来てしばらく傷の手当てをしたらいい」
「桃矢様……ありがとうございます」
「ビル、あんたも……来るか?」
「よろしいのですか?」
「王様に言われて来てるんだったら、ミーサを護ってもらわないとな。ただ……次は無いけど」
「桃矢様!ありがとうございます!命に代えてもミーサ様をお護り致します!」
「皆!地図を見つけシタ!ここはサウスタンという街で、マサミカ大陸の南でスネ」
「メイ、良くやった!これで情報収集出来るな」
「エヘヘへ」

 それから数日かけて周辺の捜索やミーサのやられた部下の埋葬、図書館の本など調べていったのだった。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

処理中です...