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第三章―尊さと鬼―
3−2・第二王女ミーサ
しおりを挟む―――とある街の廃墟―――
「痛っ……!」
「大丈夫か?ミーサ」
「うん……平気……桃矢様……」
「それじゃ、いくよ……」
「うん……」
――オニノ国で見つけた扉を抜けると、見知らぬ土地へと転送された僕達。そこで見つけた廃墟となった街で、西の国エルバルトの第二王女ミーサと再会する。
そしてその日の夜、僕とミーサは重なり合い――
魔物と戦っていた……
「ガァァァァァァ!!」
「ミーサ下がって!桃矢!ミーサをお願い!」
「痛っ……!」
「大丈夫か?ミーサ!」
「うん……平気……桃矢様……」
「それじゃ、いくよ……」
「うん……」
「僕の後ろに隠れていて」
「はい……」
街の中で繰り広げられる戦い。ミーサの部下のビル達が見回りをしていると、魔物に襲われ助けを求めてきた。殺された部下達を見て怒りに任せ、魔物に突っ込んでいくミーサ。ミーサを追いかけ、僕と早紀で助けに入る!
ダダダダダダダダダッ!!
早紀が機関銃を乱射し、舞と愛が魔法で援護。メイが三人の壁になり、魔物はあっという間に倒れていく。
「これで終わり?」
「みたいだね……早紀ちゃん怪我はない?」
「えぇ、大丈夫。それよりミーサは?」
「大丈夫みたい、桃矢くんが傷の手当てをして――」
振り返る早紀と舞が目にしたのは、気を失い倒れている桃矢とミーサの姿だった――
「桃矢っ!ミーサ!!」
「メイちゃんお願い!愛ちゃん!同化!」
「わかりマシタ舞サマッ!!」
「ねぇさん!わかった!」
メイが桃矢とミーサの後ろに立っている何かに突っ込んで行く!
舞と愛は融合し、マイア・マイエスタ神となり倒れた二人に回復をほどこす。
早紀も武装し、上空からその者に狙いを定める!!
カチャ――
夜空の雲の切れ間から月が顔を出し、その者の顔が浮かび上がる。
「お前はっ!?」
そこにいたのは、先程助けを求めてきたはずのミーサの部下、ビルだった……
「ウオォォォォォ!!」
メイが渾身の一撃をビルに放ち、ビルはあっけなく吹っ飛び動かなくなった……
◆◇◆◇◆
「気が付かれましタカ?桃矢サマ」
「……あれ?ここは……図書館?」
「そうデス。気を失われていましたので運びまシタ」
「……痛っ」
「まだ動かないでくだサイ」
「そうだ!魔物は!?」
ギシ……
「全部倒したわよ、まさか桃矢が後ろで襲われてるとは思わなかったけど」
「桃矢くん大丈夫?」
「あぁ……思い出した。後ろから殴られて……」
「そうデス。ミーサの部下のビルが二人を後ろから棍棒で殴ったのデス……」
「ミーサ!?」
「ミーサ様もご無事デス」
僕の寝ているベッドの横で寝息を立てるミーサの姿があった。
「良かった……」
「ビルは拘束して一階に縛ってあるわ。今は愛が見てるけど、今夜は交代で見張りましょう。当分起きないでしょうけどね」
「しかしどうして、ミーサの部下が……」
「桃矢くん、ビルさんは正気を失っていた。誰かに操られて……うぅん、憶測だから気にしないで」
「舞……」
「桃矢サマ、しばらくおやすみください。夜が明けたら周辺の捜索を致しマス」
「あぁ、わかった。皆も気を付けて」
「じゃ、桃矢また後でね」
「桃矢くんおやすみぃ」
バタン……
「参ったな……さすがにミーサをかばってて襲われるとは……反省しないとな」
寝息を立てるミーサの横顔が見える。
ギシ……
僕は起き上がり、ミーサの手を握る。
「すまなかった。僕が守ってやるつもりが怪我をさせてしまった……」
「……桃矢様」
「ミーサ、目が覚めたのか。今、メイ達を――」
「お静かに……」
そう言うと、ミーサは僕を抱き寄せキスをする。
「!?」
ビックリはしたが、なされるがままミーサのベッドに横たわる。
「傷口は大丈夫か?」
「えぇ……」
「怖かっただろう?すまなかっ――」
「謝らないでください。こうしてあなた様と生きてまたお会い出来ました――」
そう言うとお互いの吐息を感じ、朝まで過ごした……
ギシギシ……
◆◇◆◇◆
翌朝――
ビルは目を覚ましたがほとんど何も覚えてなかった。ただ、記憶を失う前に甘い紅茶の匂いを嗅いだと言う。
「甘い紅茶の匂い……エルフの秘薬か」
「ビル、まさかあなた姉上に頼まれて!?」
「そんな事は絶対に御座いません!私はミーサ様直属の配下!エルバルト王より死しても護るよう言いつかっております!」
「へぇ……そのわりにはミーサを殺そうとしてたわね」
「早紀ちゃん!」
「舞も見たでしょ?」
「そうだけど、アレは操られてたからで……」
「どうだかねぇ……」
「早紀様!舞様!本当に申し訳ありませんでした!」
「もういいじゃないか、本人も覚えていないのならこれ以上問い詰めても何もない。それよりエルフの秘薬を使ったヤツが気になる……」
「まぁ、それもそうね。この図書館を調べたら一旦帰りましょうか。ミーサも来るでしょ?」
「え?私も行っても宜しいのですか」
「当たり前じゃないか。しばらく落ち着いて休息も取れてないんだろ?オニノ国に来てしばらく傷の手当てをしたらいい」
「桃矢様……ありがとうございます」
「ビル、あんたも……来るか?」
「よろしいのですか?」
「王様に言われて来てるんだったら、ミーサを護ってもらわないとな。ただ……次は無いけど」
「桃矢様!ありがとうございます!命に代えてもミーサ様をお護り致します!」
「皆!地図を見つけシタ!ここはサウスタンという街で、マサミカ大陸の南でスネ」
「メイ、良くやった!これで情報収集出来るな」
「エヘヘへ」
それから数日かけて周辺の捜索やミーサのやられた部下の埋葬、図書館の本など調べていったのだった。
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