異世界おにぃたん漫遊記

ざこぴぃ。

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第八章―赤蛇様―

8−10・会いたかった……

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【エスポワール大陸】
――マイア城付近―――

「あれが古代兵器オヘビウェポン……」
「早紀ちゃん!」
「えぇ、あれは私達にしか止められない……」

 百メートル以上あろうか。巨大な鉄の蛇が蛇行しながら、オニの国がある方角へ進んで行く。

「皆!準備を急げ!!準備が出来次第、サマーオトメ号を発進する!!」
「申し上げます!神の山より魔物が襲来しております!!その数、千を超えるそうです!」
「くっ!こんな時に!」
「申し上げます!エルバルト国で鬼達が暴れ出したとの報告が!!」
「そんなぁ……早紀ちゃん、どうしよう……」
「舞……全てはあの古代兵器が元凶のはず。全力でアレを壊すのよっ!!」
「う、うん!わかった!!」

 エスポワール大陸では、古代兵器の出現により各地で鬼達が暴れ出し、人間とのいざこざが起きていた。
 古代兵器オヘビウェポン。その鉄の塊から異様な毒素が吐き出される。それは鬼笛のそれと同じ物。心の奥底に眠る怒りや恨みが表ヘと現れる。
 空を赤く染め、風に乗り、その毒素は世界中へと広がっていく。

「早紀様!!準備が出来ました!!」
「行くわよ!全員持ち場に着け!!サマーオトメ号発進!!」

ゴゴゴゴゴゴ……

地響きを立てマイア城は姿を変え、立ち上がる。

「ヘビウェポンの正面に回りこむ!!オニの国へは絶対行かせない!!舞!愛!止めるわよっ!」
「うん!」
「任せて!!」

 サマーオトメ号は空を飛び、ヘビウェポンの行く道を遮る。

「聖域発動!!」

 舞が聖域を発動し、サマーオトメ号の周囲に光輝く陣形が現れる。

「来るよっ!!全員!!集中!!」
『オォォォォォ!!!』

 城内ではエルフ達が持ち場で声を上げる!そして同時にヘビウェポンはそのままサマーオトメ号に突っ込む!!

ズッドォォォォォォン!!!

 激しい轟音と衝撃が響き渡り、ヘビウェポンは止まった。

ギギ……ギギ……

「きゃぁぁぁ!!」
「早紀ちゃん!押されてる!!」
「出力上げてっ!!」
「右足故障箇所有り!!」
「ユリゲルさんに行ってもらって!」
「怪我人は聖域中央へ!」
「お姉ちゃん!!ヘビウェポンから何か出てる!」
「何……あれ……?」

ヘビウェポンの背中から無数の機械式ヘビが出てくる。

「ちょっ!ちょっと!あんなの聞いてないわ!」
「早紀ちゃん!城内に入られるとヤバいっ!」
「そうね!!エルフの皆!!レーザービームを照射!!」
『はいっ!!』

 サマーオトメ号から無数のレーザービームが発射され、機械ヘビは駆逐されていく。
 その間にも徐々に力負けし、少しづつ押されていく。

「嬢ちゃん!!右足が持たねぇ!!」
「ユリゲルさん!なんとか耐えて!!」
「早紀ちゃん!!私と愛で突撃して――!?」

 その時だった。ヘビウェポンが直立に立ち上がり、そのおぞましい本性を現す。
 腹の部分が開き、無数の足が出てくる。

「う、うそでしょ……あんなものどうやって防……」

ガッシャァァァァン!!!

 窓を突き破り、先端の尖った足がサマーオトメ号を貫く!!

『ビィィィィィィ!!』

城内には警報が鳴り響き、至る所で怪我人が横たわる。

「くっ!!ヤバ……」
「早紀ちゃん!!血が出てるっ!!一旦退却しましょ!!」
「お姉ちゃん!!機械ヘビが城内に来るっ!!」
「舞!愛を連れて逃げて!!動ける者は城外へ退避!!」
「早紀ちゃんは!!ねぇ!早紀ちゃん!!」
「……舞、愛。ありがとう」

早紀は緊急脱出用のレバーを下げる!!

「早紀ちゃ――!!」

ガコンッ!!

 舞と愛の座っていた椅子が床に落ち込みそのまま二人は脱出用の通路へと落ちていく。
 その間にもヘビウェポンは、サマーオトメ号を抱きかかえるように無数の足で寄りかかる。

ギギ……ギギ……

 サマーオトメ号の歪む音が響く。城内では動けず死を覚悟した者達が天を仰ぎ、諦めムードだった……。

「……桃矢。最後に一目……会いたかっ……た」

 血の味を噛み締め、早紀は『ドクロマーク』の描かれたボタンに手を添える。

自爆――脳裏には、もうそれしかないと早紀の背中を押す。

「……さようなら。桃矢……」

その時、早紀の耳に何かが聞こえた。

『――アイタカッタアイタカッタアイタカッタ!メイッ!!』
「……今、メイの声が聞こえ――!?」


竜の嘆き百叫ドラゴン・グリーヴ!!』


キュィィィィィィン!!!

 辺りが眩い光に包まれ、早紀の視界が真っ白になる!!

次の瞬間!!

ズドォォォォォォン!!!

 目の前に居た巨大な鉄の塊が一瞬で地面にめり込む!!!

キュイィィィィィィン!!
ズドォォォォォォォン!!!

 耳をつんざく音が響き、雷を帯びた閃光がヘビウェポンの頭上でほとばしり、絶え間なく降り注ぐ!!

ズドォォォォォォォン!!

「……バカ……遅いよ……ヒック……遅いよ!!バカ桃矢っ!!!」
「ん?早紀か。無事か?」
「ゴシュジンタマハーバカー!キャハハハ!」
「ぬ……あやつ硬いのぉ。まだうごめいておる」
「ちっ!竜の嘆きでも壊れないのか。誰だ、あんなモノ作ったのは……」

ギギ……ギギ……

「アレガ!ヘビーローテーションカッ!!」
「メイ!下がれ!来るぞ!」

グウン――

 ヘビウェポンの首が折れ曲がり、中から一回り小さな真っ黒な生き物らしきモノが出てくる。それでも数十メートルはありそうだった。

「ぬ……あれが本体のようじゃな。外皮が熱で焼けて、熱うて出てきおったわい」
「メイッ!!早紀を頼む!!ノア!行くぞ!」
「ガッテンショウチノスケベ……」
「ぬ……わしも戦うのかえ……はぁ……」
「おまえらやる気ねぇな……ふぅぅぅぅ!!」

鬼魂感魂キンコンカンコン!!』

ゾワゾワッ!!

 鬼の血が騒ぎ、頭の中で幼子が鬼の歌を歌い出す。
桃矢の頭にツノが一本現れ、体が青白く光る。

「グアァァァァァ!!!」

 桃矢は雄叫びを上げ鬼の姿になり、ヘビウェポンから出て来た得体の知れないモノに切りかかる!!

ぬる――

「え……?」

 剣は軌道を変えられ体制を崩す桃矢。すかさず、ひるがえし剣を構える。

「おい……アレは……」

桃矢達の前には巨大な……が、いた。
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