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迫害
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ドクンドクンと脈打つのは心臓でなく頭。
殴られた場所がひどく痛み、無意識のうちに頭の方へと向かって手を伸ばしながらラクは体を起こす。
目を開けることを恐れているのは自分が死んでしまったことを認識するのが嫌だからだろう。
だが実際問題彼は死んでおらず、瞳を開けた彼は自分が置かれている状況を理解することができずに頭を回転させる。
洞窟の中なのだろうか、天井は防がれており自分の手がうっすらと見えるほどの暗闇の中。
彼の視界いっぱいに入ってくるのは大きな鱗だ。
一枚一枚がラクの体ほどもあるその鱗は地球では一度も見たことがないものであり、生物的に逃れられない恐怖を覚えてしまうのは相手が捕食者だからだろう。
地球においては頂点捕食者であった人類もどうやらこの世界ではそうでもないようで、ラクは自分が食べられてしまうという現実をここに来てようやく理解した。
規則正しく体が上下していることから寝ているのだろうと判断したラクはゆっくりと自分をぐるりと囲んでいた鱗に手をかけてよじ登ると、巨大な顔と対面する。
爬虫類特有の顔に細い目はこちらをじらりと覗いており、ラクはこの世界に来て二度目に死を覚悟した。
見た目からして伝説に出てくる龍に酷似している目の前の生物はゆっくりと大きく口を開き――
「起きたか」
「――しゃ、喋った!?」
人型の生物が言葉をしゃべるのであれば理解できる。
例えば猿のような生き物が出てきて何かをしゃべったとして、まぁ異世界だからそのくらいのことはあるのだろうと思うことはできるだろう。
だが爬虫類ともなれば話は別だ。
驚きのあまりにラクは登っていた手を放して尻から地面に落ちると、龍はそんなラクをあろうことか心配する。
「大丈夫か人の子よ」
「だ、大丈夫です。これはどうもご丁寧にありがとうございます」
「言葉は通じているようだな。異界の言葉にこの魔法が適応しているかどうか不安だったが杞憂だったようだ」
「魔法っていうと……トリック的なあれでしょうか?」
「トリックではない。魔法とは空気中に存在する魔素を用いて――」
魔法というのがこの世界には存在するのだと説明を始めていた龍がふと急に言葉を止める。
そして再び先ほどと同じようにじっとこちらを見つめる龍を見て、ラクは自分が言わなければいけないことを伝え忘れていたことに気が付くと焦って言葉を並べ立てた。
「すいません助けていただいたのにお礼がまだでした! 助けていただいてありがとうございます!!」
「う、うむ。くるしゅうない」
なんだか照れているような表情をしている龍を前にして、ラクは自分が言った言葉が間違っていなかったことを理解すると同時になんとなく目の前の相手のことを理解する。
言葉の端々から感じられる優しさや、いまの状況から考えても目の前の龍は人とあまりしゃべる機会がなかったようだが優しい龍のようだ。
これはさっそくこの世界に来て初めての友達ができたらしいとラクはにこにこしながら痛む足をなんとか立たせて龍へと手を差し伸べる。
「俺の名前はラクです。異世界から来ましたあなたの名前は?」
「我の名前はー―」
言葉を発そうとして口を開いた龍は何かを躊躇っているようで、そんな龍を見てラクは事情を察する。
確か悪魔などは他人にその名前を知られると操られる特性などがあったはず。
龍も同じだと考えるのはさすがにやり過ぎだろうが、魔法がある世界において名前を教える行為というのはそう易々と行うべきものではないのだろう。
考えが及んでいなかったことをここは謝罪するべきだと考え、ラクは素直に頭を下げる。
「すいませんいきなり名前を聞くのは失礼でしたね。なにぶんこちらの世界に来たのはついさきほどなので」
「頭を下げる必要はない。それより……私が怖くはないのか?」
「はい? カッコいいとは思いますが、怖いとは思いませんね。食べるならわざわざ助けなくても食べているでしょうし」
楽観的すぎると言えばそれまでだが、いま自分が生きてこうして話をできている時点でいますぐこちらを殺す意図はないはずだ。
そう思ってのラクの言葉に龍は瞳をゆっくりと閉じると、ゴロゴロと地の底から響くような音で喉を鳴らす。
「お前は不思議な男だな。異世界の人間というのは全員そんなものなのか?」
「全員ではないですね。俺は面白そうなものが大好きなので気にならない部分も大きいですし」
「面白いものが好きなのか?」
「大好きです。それを他人に教えたりする時が一番生きてるって実感しますね、他者への奉仕とまでは行きませんけど他人がいないと俺は生きていけないので」
自分がいて相手がいる。
これ以上に素晴らしい状況など存在しないとラクは本気で思っているのだ。
その本質はもはや異常だと言ってもいい領域まで達しており、その証拠にラクは自分の事を殴って殺そうとしていた男達に対して悪意を抱いていない。
好意を抱いていたならばそれはそれで問題だが、自分を理不尽にも殴りつけ殺そうとしてきた相手に対してラクは(でもまぁまだ仲良くなれるかもしれないしな)と本気で思っている。
「お前は随分と人を信用しているのだな」
「人間関係における最強の道具は信用だと思っているので」
「そうだな。なら我もお前の事を信用してみようか、我の名前はベルハイザ・ラドゥーン。ベルとそう呼べ人の子よ」
ベルが自分に名前を教えてくれた。
それがあまりにもうれしくてラクはにっこりと笑みを浮かべる。
こうしてこの世界に入って初めての友達ができたのだった。
殴られた場所がひどく痛み、無意識のうちに頭の方へと向かって手を伸ばしながらラクは体を起こす。
目を開けることを恐れているのは自分が死んでしまったことを認識するのが嫌だからだろう。
だが実際問題彼は死んでおらず、瞳を開けた彼は自分が置かれている状況を理解することができずに頭を回転させる。
洞窟の中なのだろうか、天井は防がれており自分の手がうっすらと見えるほどの暗闇の中。
彼の視界いっぱいに入ってくるのは大きな鱗だ。
一枚一枚がラクの体ほどもあるその鱗は地球では一度も見たことがないものであり、生物的に逃れられない恐怖を覚えてしまうのは相手が捕食者だからだろう。
地球においては頂点捕食者であった人類もどうやらこの世界ではそうでもないようで、ラクは自分が食べられてしまうという現実をここに来てようやく理解した。
規則正しく体が上下していることから寝ているのだろうと判断したラクはゆっくりと自分をぐるりと囲んでいた鱗に手をかけてよじ登ると、巨大な顔と対面する。
爬虫類特有の顔に細い目はこちらをじらりと覗いており、ラクはこの世界に来て二度目に死を覚悟した。
見た目からして伝説に出てくる龍に酷似している目の前の生物はゆっくりと大きく口を開き――
「起きたか」
「――しゃ、喋った!?」
人型の生物が言葉をしゃべるのであれば理解できる。
例えば猿のような生き物が出てきて何かをしゃべったとして、まぁ異世界だからそのくらいのことはあるのだろうと思うことはできるだろう。
だが爬虫類ともなれば話は別だ。
驚きのあまりにラクは登っていた手を放して尻から地面に落ちると、龍はそんなラクをあろうことか心配する。
「大丈夫か人の子よ」
「だ、大丈夫です。これはどうもご丁寧にありがとうございます」
「言葉は通じているようだな。異界の言葉にこの魔法が適応しているかどうか不安だったが杞憂だったようだ」
「魔法っていうと……トリック的なあれでしょうか?」
「トリックではない。魔法とは空気中に存在する魔素を用いて――」
魔法というのがこの世界には存在するのだと説明を始めていた龍がふと急に言葉を止める。
そして再び先ほどと同じようにじっとこちらを見つめる龍を見て、ラクは自分が言わなければいけないことを伝え忘れていたことに気が付くと焦って言葉を並べ立てた。
「すいません助けていただいたのにお礼がまだでした! 助けていただいてありがとうございます!!」
「う、うむ。くるしゅうない」
なんだか照れているような表情をしている龍を前にして、ラクは自分が言った言葉が間違っていなかったことを理解すると同時になんとなく目の前の相手のことを理解する。
言葉の端々から感じられる優しさや、いまの状況から考えても目の前の龍は人とあまりしゃべる機会がなかったようだが優しい龍のようだ。
これはさっそくこの世界に来て初めての友達ができたらしいとラクはにこにこしながら痛む足をなんとか立たせて龍へと手を差し伸べる。
「俺の名前はラクです。異世界から来ましたあなたの名前は?」
「我の名前はー―」
言葉を発そうとして口を開いた龍は何かを躊躇っているようで、そんな龍を見てラクは事情を察する。
確か悪魔などは他人にその名前を知られると操られる特性などがあったはず。
龍も同じだと考えるのはさすがにやり過ぎだろうが、魔法がある世界において名前を教える行為というのはそう易々と行うべきものではないのだろう。
考えが及んでいなかったことをここは謝罪するべきだと考え、ラクは素直に頭を下げる。
「すいませんいきなり名前を聞くのは失礼でしたね。なにぶんこちらの世界に来たのはついさきほどなので」
「頭を下げる必要はない。それより……私が怖くはないのか?」
「はい? カッコいいとは思いますが、怖いとは思いませんね。食べるならわざわざ助けなくても食べているでしょうし」
楽観的すぎると言えばそれまでだが、いま自分が生きてこうして話をできている時点でいますぐこちらを殺す意図はないはずだ。
そう思ってのラクの言葉に龍は瞳をゆっくりと閉じると、ゴロゴロと地の底から響くような音で喉を鳴らす。
「お前は不思議な男だな。異世界の人間というのは全員そんなものなのか?」
「全員ではないですね。俺は面白そうなものが大好きなので気にならない部分も大きいですし」
「面白いものが好きなのか?」
「大好きです。それを他人に教えたりする時が一番生きてるって実感しますね、他者への奉仕とまでは行きませんけど他人がいないと俺は生きていけないので」
自分がいて相手がいる。
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その本質はもはや異常だと言ってもいい領域まで達しており、その証拠にラクは自分の事を殴って殺そうとしていた男達に対して悪意を抱いていない。
好意を抱いていたならばそれはそれで問題だが、自分を理不尽にも殴りつけ殺そうとしてきた相手に対してラクは(でもまぁまだ仲良くなれるかもしれないしな)と本気で思っている。
「お前は随分と人を信用しているのだな」
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「そうだな。なら我もお前の事を信用してみようか、我の名前はベルハイザ・ラドゥーン。ベルとそう呼べ人の子よ」
ベルが自分に名前を教えてくれた。
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