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青年期学問都市
人騒がせな者達
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大規模魔法を作成する事を目標として作り出された部活、派手魔法研究部は今日も今日とて派手な魔法を研究することに邁進していた。
「術式の形成が上手くいきませんね……基本には沿っているはずなのですが」
魔法とは基本的に使用魔法を司る神の名前、その次にしたい事ーー燃やす凍らすなどーーそして魔法の造形が挟まり、最終的に威力で形成されている。
魔法の実験段階においては最終項目である威力だけを極限まで下げ、その魔法がどのような影響を辺りに与えるかを計算して実際に人のいないところで発射し、そこでようやく使用許可が下りるのだ。
派手魔法研究部などという名前なので一部の生徒からは馬鹿にされているこの部ではあるが、一年間のうちに五つ以上の新しい魔法を作り出す事はかなり凄い事である。
一般的に一つの国家で一年かけて作られる新魔法が10を超えるか越えないかという事を考えれば、実用的であるかどうかを除けばいかにそれが凄いことか分かるだろう。
そんな彼らだがどうやら難題に当たってしまったらしく、部内にいる十数人が頭を抱えてなんとかこの事態を解決させようと頭をひねる。
「そもそも生物以外を召喚魔法で呼ぼうとするのが無謀なんじゃ?」
「無謀なのは百も承知、ですがこの魔法陣が完成さえすれば、魔法の使えない農民達であっても擬似的に魔法のような物を使えるようにできます。我々は諦めるわけにはいきません」
リーダー格の男にアウローラが疑問を投げかけると、そんな大層な答えが返ってきてアウローラも口を閉じる。
正直に言ってしまえば、それが確実に無理である事をアウローラは知っている。
何故なら今回題材となっている生物以外の魔法召喚は、雨雲を召喚するという形で既に王国にいた頃エルピスが実験していたのを知っているからだ。
結果として召喚には成功こそすれど消費魔力は尋常で無いものになったらしく、通常の魔法使いならば何度か死んでもおかしく無いほどの魔力を吸い取られていたのをアウローラも確認している。
それほどの魔力量があれば通常の魔法使いなら10回は雨雲を呼ぶことが出来るだろう。
単純に効率が悪いのである。
精霊と契約して雨を降らせるという方法もあるにはあるのだが、あれは森霊種やそれこそ精霊と仲の良い種族のもので無いと契約すらしてもらえない。
「お疲れ様です皆さん、どうやら手詰まっているようですね」
「そうなんです。お題はこれなんですが……」
そう言いながら部室に入ってきたのは、この部室の顧問でありアウローラ達の最上位クラスの魔法操作を担当している元冒険者の先生だ。
この学園の先生は基本的に元はどこかの国のお抱えの魔法使いや冒険者であることが多く、実力者だらけなのでこうして行き詰まった時はヒントをくれることが多い。
とは言え今回はお題がお題なだけあって、普段ならば直ぐに訂正案が出てくるが返答が少し経っても帰ってこない。
「これは実現不可能ですね、召喚陣を使用しての生物以外の召喚は条件が曖昧すぎて不可能です」
「そんな……」
「正し今回の場合は目的が雨雲や晴れを召喚し超高難度である広範囲の天候操作を可能とすること、召喚陣が無理ならば目的が明確にあるのだから手段を変えれば良いのです」
そう言って教師が黒板に書き出したのは、土地に直接刻印するタイプの魔法陣。
使用方法によっては土地自体にかける呪いとも取れるそれは、一定期間その魔法陣の効果範囲にいる生物達から魔素を徴収し、規定量に達すると魔法を発動させるという物である。
事前にその周辺にいる生物全てに告知する義務が四大国主導の元作られた国際規約に有るが、それさえクリアしてしまえば安定して雨を降らすことができるとも言える高性能な魔法だ。
「た、確かに。これならば召喚陣を使わずとも条件をクリアすることができます」
「柔軟な発想力は必要な物だからね、後はその術式を如何に負担なく設定するかが肝だから頑張って」
「「はい!」」
こうして先生の言葉に対して部員達が元気に返答したのが一週間ほど前だろうか。
作業はその後順調に進み、一応仮実験の段階まで持っていけるだけの物は作り出すことが出来た。
今回は魔法発動まで待つことが出来ないので起動を確認して直ぐに魔法自体は消すが、一週間でここまで作り上げたのは数の力と生徒達の質のおかげだろう。
「ようやく完成しましたね部長!」
「ああ、実験場は既に借りてある。直ぐにでもこれを試そう!」
「あ、あの最終チェックはしなくても良いんでしょうか……?」
「大丈夫だ仮実験だぞ? たとえ何があったとしても危なく無い」
生徒の一人が部長に対して疑問を投げかけるが、それを問題ないと一蹴し部員達は実験場として開けてもらっている第二運動場へと移動していく。
大体こうして強行する時はろくな事が起こらない。
経験談でしかないがそもそも実験段階で余裕がない部署は、後になって致命的なバグを発見したりするのだ。
「エルピスに援護に来てもらいたいところだけれど、今日は外出するって言っていたし…。まずいかもしれないわねこれは」
杞憂で終わればそれで良い。
ただこの不安感が真実になってしまった時、いまこの島にそれを解決できる人間がいるかどうか。
新入部員であるアウローラの話を聞いてくれる他の部員はいまの所いないので、部長の判断に逆らえないのが辛いところである。
「それでは魔法陣を描いていきます。先生方は少しお下がりください」
現場にたどり着いてみれば顧問以外にも校長やその他の教員の姿がちらほらみえ、おそらく強行した理由はこれなのだろうとアウローラはなんと無く想像する。
校長は数日後に帝国で開催される武闘祭という、王国でいうところの王国祭に参加することが決まっているので、それまでにこの実験を見ておいてほしかったのだと思われる。
「魔法の起動を開始します、魔法の神の名の下にーー」
長い魔法の詠唱を横で聴きながら、アウローラは万が一の時のためにいつでも魔法が打てるようにしておく。
エルピス達と旅を共にしすぎて感覚が麻痺してしまっているが、戦術級魔法の詠唱はかなり長い。
込められている魔力量が少ないので威力自体は出ないが、詠唱は起動と操作に関わってくる部分なので込める魔力量が少なくても詠唱を短くする事はできないのだ。
「後四節くらいかしら、後ろに下がってなさい。もし何かあっても守れるから」
「は、はい! ありがとうございます」
先程怯えていた生徒の一人を自分より後ろにし、万が一何が起きても対処できるようにしておく。
最悪アウローラ自体は障壁を自分に貼らなくてもエルピスが貼った障壁があるので、自信を守る必要もそれほどない。
魔力を感じないのでアウローラには今も貼られているか分からないが、エルピスの事だ、きっと貼ってくれているだろう。
「戦術級儀式魔法〈雨雲〉」
言っている間にいつの間にか詠唱は完了していたようで、魔法が発動され少しだけ魔力が吸い取られる感覚に襲われる。
この程度の魔力消費量ならば大事には至らないだろう、そう思っていたのも束の間、召喚陣が光り輝きアウローラの全魔力を持っても止められないほどの魔力が辺りに吹き荒れていく。
髪の毛をはためかせるものは風ではなく、質量を持って暴れている魔力そのものだ。
召喚陣から噴き出された魔力でこれだ、召喚陣自体にかかっている魔力を考えると末恐ろしいものがある。
「なっ!? 魔法陣を早く解除しーー」
「ーー馬鹿者! 魔法は絶対に解除するなッ! この魔力がそのまま外に出ればここも吹き飛ぶぞ!!」
魔法陣を無理やり解除しようとしていた生徒達に対して、校長が見たことのない怒り顔を見せながら冷静に注意を飛ばす。
魔力は制御できるものが存在しない場合、一箇所にこうして集まりすぎると無属性魔法の爆破となる。
込められた魔力量によって名称が変わる爆発魔法だが、この規模の魔力量だと〈滅爆発〉になるのだろうか。
アウローラも知識としては知っている爆発魔法だが、国級の中でも最上位クラスの爆発魔法なので使用しているところを見たことは一度もない。
一先ず自分達の場女の安置を確保したアウローラは、そこから飛び出すと部長の元へと駆け寄っていく。
「アウローラ! 危ないわよ!!」
「良いから貴方達はそこに居て! それで部長、一体どんな設定を組んだらこんな事になるのかしら?」
「違う、合っていたはずなんだ、何も間違っていなかったッ!! このグラウンドを中心地として周囲5キロ以内の生物から2%程だけ魔力を吸い取るように設定した……計算上はそれでも超級程度の威力になるはず、こんなことあり得ない……そうあり得ないんだよッ!!」
理由は分かった、原因もだ。
タイミングの悪さとこう言ってしまうと語弊があるが、目の前の彼の無知が招いた事故だとも言える。
それに仮実験である筈の今回の魔法発動で、超位魔法に近い魔法を発動させようとさせるからいけないのだ。
この島にはいま無尽蔵の魔力を持つ人物が、アウローラが知っているだけで少なくとも三人もいるのだから。
(来て欲しいとは思ったけれどタイミングが悪いわよ、エルピス)
@@@@@@@
ーーところ変わってエルピス達。
海神との会談を終えようやく島に帰ってきていたエルピスは、吹き飛ばされそうになる雨の中現状の把握を急いでいた。
数分前ではあるが、呪い系統に属する魔力吸収系の魔法陣が学園の何処かから発せられ、エルピスは邪神の権能で自動的に効果を弾くことができたが、ニルとセラが若干ではあるものの魔力を吸われてしまいこの惨状が出来上がってしまったのだ。
悪意は感じられなかったので、おそらくは学園内の誰かが実験で使用したものだと思うのだが、随分と甘い設定にしたものだ。
少し先のものすら見えないほどに降り頻る雨と大荒れの海を見つめながら、腹から張り上げるようにしてエルピスは声を上げる。
「セラとニルは生徒の安全の確保をお願い。フェル!」
「ーーはい! お呼びでしょうか!」
「状況は分かってるね? 居ないとは思うけれど海に落ちた奴らを拾ってきて、即死してなかったら俺の回廊使って回復入れて良いから」
「了解しました!」
音もなく消えていく三人を見送り、エルピスも〈神域〉を使用して場所を把握し、召喚陣の方へと転移魔法を使用する。
見てみれば校長その他先生が数名、生徒が数十名にアウローラとこちらにやってくるエルピスと同じ教室の生徒達がやってくるのを感じられた。
おそらくは人数を増やして無理やり無効化させるつもりなのだろうが、この段階まで入った魔法を無効化させるにはかなりの魔力量を必要とするので生徒達には不可能だろう。
「校長すいません、緊急事態なので転移魔法を使用しました!」
「構わん! それよりエルピス君、何か解決策は有るか!?」
「お願いエルピス! このままだとこの学園も沈みかけないの!!」
学長にお願いされなんとか自分の手を使わずに穏便に解決出来ないかと考えていたエルピスは、だがアウローラにそう言われて仕方ないかと意識を切り替える。
こちらに向かってくる同じクラスの生徒の中に法国の者が数人混じっているのが感じられたので神の力は使いたくなかったが、アウローラの言う通りこれ以上魔法を長引かせると建物にも危害が出かねない。
「任せろアウローラ! それじゃあ離れてろよ風凄いから!」
「頼んだわよ!」
久方ぶりでは有るものの、魔神の権能を意識してエルピスは起動させる。
魔神の権能の中でも最も強い権能、魔法の完全支配を使用し無理やり暴れ狂う魔力の塊を抑えにいく。
共和国での魔力は自分の魔力だけだったから簡単に停止させることができたが、今回のはこの学園に居る生徒達の魔力が混じりに混じっているので難しさは前までの比ではない。
驚く程の暴風がエルピスの周囲を吹き荒れ、たなびく服の鬱陶しさに嫌気がさしつつも針の穴を通すような作業を何度も何度も行なっていく。
「なんという事だ……あの魔力の濁流が一瞬で沈静化されていく」
「これが最高位冒険者ですか、いやはや我々とはレベルが違う」
肌を切り裂くほどの暴風は、やがて頬を撫でる風となり、最終的には何も感じ無くなるほど辺りは静まり返っていく。
複雑に絡み合った様々な特性を持つ魔力を一つ一つ解き沈静化させる超高難度の作業も、権能を使って仕舞えば簡単なもので有る。
権能の使用のせいで若干身体からいつもより神人としての性質が色濃く出ているが、それを除けばそれ程変化もなく終えることができた。
「これは──校長、魔法の方は無事に?」
「ああ。エルピス君が上手く処理してくれた、イロアスと同じ、いやそれ以上の神才じゃよ彼は」
「神才だってさーエルピス君、良かったね?」
にしゃと笑みを浮かべながらそんなエルピスの心臓止まりそうなことを言ってくるのはルミナだ。
いつのまにやって来たのかは知らないが、人前で思わせぶりなことを口にするのはやめてほしい。
「来てたんですね、言動が原因でバレたらお母さんに言いつけますからね」
「やめてよ怒ると怖いんだから」
権能使用直後は神の力が表に出過ぎて力加減が難しいので、あまり人に寄られるのは好ましくない。
しかも権能を使用すると感情の振り幅が大きくなり、怒りの感情などは特に普段よりも大きくなってしまう傾向になるので気をつける必要がある。
分かったよとそれだけ言ってまた何処かへ行っていくルミナの背中を見つめていると、法国出身の生徒達がこちらへとやって来るのが目に見えた。
理由は大方分かっているが、それを聞く勇気がエルピスにはなくとりあえず連行されても嫌なので移動しないと言う意思表示として腰をその場に下ろす。
「エルピスさん、いえエルピス様。その気配、間違い無いと思ってよろしいですね?」
そう言って喋りかけてきたのは法皇の次女で有るペトロだ。
他の生徒の目はなんとかしてごまかすことが出来るだろうが、実際に神に会う機会のある法皇の一族相手には今のエルピスに誤魔化す手段はない。
乾いた笑みを浮かべて何のことかと誤魔化してみるが、正直言って無理があるのはエルピスも百も承知である。
だがこんなところでバレたら今まで隠してきた意味がない、頭を回転させ言いくるめの為に口を開く。
「何のことやらさっぱり、そう言っても信じてもらえなさそうですね。ですが貴方の想像しているものとは違うと思いますよ、私はまだ下位の身ですから」
頭の良い相手に対する最高の言い訳、それはなんだかそれっぽいことを言っておくである。
勝手に深読みしてくれれば良し、何か分からないと言い始めたらそれこそ誤魔化せるから良し、どちらにしても問題なく進めることができるのだ。
そんなエルピスの甘い考えは、だが簡単に打ち砕かれることになる。
「誤魔化しは聞きませんエルピス様。セラ様の事ですが、失礼ではありますが少し調べさせていただきました。
何故か隠されたように徹底して情報統制がかけられていましたが、最低でも王国から貴方に仕えているという事実だけは何とかして把握することができています」
「それが何か?」
「天使を年単位で使役など人にも、まして半人半龍にも不可能です。
それにルミナ様の事もいくらアルヘオ家と言えど神に軽々しく接することなど今まではできなかったはずです」
無理だと分かっていながらも足掻いてみるが、帰ってきた返事は逃げ道をなくしにきているものである。
それにしても随分とまた調べたものだ。
確かに今はなぁなぁで天使として活動しているセラだが、王国では基本的に人を装って生活していたのでごく一部の人物しかセラが天使であることを知らないはずである。
法国の情報網も存外バカにならないなと思いつつ、エルピスは仕方ないかと頭を縦に振る。
秘密はいつかバレる、なら少しだけバラしてせめて大まかな部分だけでも隠そう。
「分かりましたよ。認めます、ですが口外禁止はもちろんのこと、これ以上の詮索は一切を禁じます。よろしいですね」
「もちろんです」
エルピスの問いに対して彼女は肯定で返してしまった、邪神の契約はこれだけで十分なのである。
魔法も技能も必要ない、相手に同意さえさせてしまえばこれで彼女は何があろうともエルピスに関して今後一切の詮索と情報を口に出すことはできない。
他に数名いる生徒達にも同じように契約を結ばせ、そうしてようやくエルピスの安泰は確保される。
「お疲れ様、ありがとう助かったわ。何を話してたの?」
「どういたしまして。なんでもないよ、彼女達もなんだったのか言えないしね」
「また何か裏でしてるの?」
「なーんにも」
思えば言う言うとだけ言って、結局アウローラやエラには神であることを伝えていないままである。
別に言わなくともこれといって問題があるわけではないが、友人というわけでもない、隠し事をするのは喜ばしくないだろう。
早くその機会が訪れることを祈りながら、エルピスはその場を後にするのだった。
「術式の形成が上手くいきませんね……基本には沿っているはずなのですが」
魔法とは基本的に使用魔法を司る神の名前、その次にしたい事ーー燃やす凍らすなどーーそして魔法の造形が挟まり、最終的に威力で形成されている。
魔法の実験段階においては最終項目である威力だけを極限まで下げ、その魔法がどのような影響を辺りに与えるかを計算して実際に人のいないところで発射し、そこでようやく使用許可が下りるのだ。
派手魔法研究部などという名前なので一部の生徒からは馬鹿にされているこの部ではあるが、一年間のうちに五つ以上の新しい魔法を作り出す事はかなり凄い事である。
一般的に一つの国家で一年かけて作られる新魔法が10を超えるか越えないかという事を考えれば、実用的であるかどうかを除けばいかにそれが凄いことか分かるだろう。
そんな彼らだがどうやら難題に当たってしまったらしく、部内にいる十数人が頭を抱えてなんとかこの事態を解決させようと頭をひねる。
「そもそも生物以外を召喚魔法で呼ぼうとするのが無謀なんじゃ?」
「無謀なのは百も承知、ですがこの魔法陣が完成さえすれば、魔法の使えない農民達であっても擬似的に魔法のような物を使えるようにできます。我々は諦めるわけにはいきません」
リーダー格の男にアウローラが疑問を投げかけると、そんな大層な答えが返ってきてアウローラも口を閉じる。
正直に言ってしまえば、それが確実に無理である事をアウローラは知っている。
何故なら今回題材となっている生物以外の魔法召喚は、雨雲を召喚するという形で既に王国にいた頃エルピスが実験していたのを知っているからだ。
結果として召喚には成功こそすれど消費魔力は尋常で無いものになったらしく、通常の魔法使いならば何度か死んでもおかしく無いほどの魔力を吸い取られていたのをアウローラも確認している。
それほどの魔力量があれば通常の魔法使いなら10回は雨雲を呼ぶことが出来るだろう。
単純に効率が悪いのである。
精霊と契約して雨を降らせるという方法もあるにはあるのだが、あれは森霊種やそれこそ精霊と仲の良い種族のもので無いと契約すらしてもらえない。
「お疲れ様です皆さん、どうやら手詰まっているようですね」
「そうなんです。お題はこれなんですが……」
そう言いながら部室に入ってきたのは、この部室の顧問でありアウローラ達の最上位クラスの魔法操作を担当している元冒険者の先生だ。
この学園の先生は基本的に元はどこかの国のお抱えの魔法使いや冒険者であることが多く、実力者だらけなのでこうして行き詰まった時はヒントをくれることが多い。
とは言え今回はお題がお題なだけあって、普段ならば直ぐに訂正案が出てくるが返答が少し経っても帰ってこない。
「これは実現不可能ですね、召喚陣を使用しての生物以外の召喚は条件が曖昧すぎて不可能です」
「そんな……」
「正し今回の場合は目的が雨雲や晴れを召喚し超高難度である広範囲の天候操作を可能とすること、召喚陣が無理ならば目的が明確にあるのだから手段を変えれば良いのです」
そう言って教師が黒板に書き出したのは、土地に直接刻印するタイプの魔法陣。
使用方法によっては土地自体にかける呪いとも取れるそれは、一定期間その魔法陣の効果範囲にいる生物達から魔素を徴収し、規定量に達すると魔法を発動させるという物である。
事前にその周辺にいる生物全てに告知する義務が四大国主導の元作られた国際規約に有るが、それさえクリアしてしまえば安定して雨を降らすことができるとも言える高性能な魔法だ。
「た、確かに。これならば召喚陣を使わずとも条件をクリアすることができます」
「柔軟な発想力は必要な物だからね、後はその術式を如何に負担なく設定するかが肝だから頑張って」
「「はい!」」
こうして先生の言葉に対して部員達が元気に返答したのが一週間ほど前だろうか。
作業はその後順調に進み、一応仮実験の段階まで持っていけるだけの物は作り出すことが出来た。
今回は魔法発動まで待つことが出来ないので起動を確認して直ぐに魔法自体は消すが、一週間でここまで作り上げたのは数の力と生徒達の質のおかげだろう。
「ようやく完成しましたね部長!」
「ああ、実験場は既に借りてある。直ぐにでもこれを試そう!」
「あ、あの最終チェックはしなくても良いんでしょうか……?」
「大丈夫だ仮実験だぞ? たとえ何があったとしても危なく無い」
生徒の一人が部長に対して疑問を投げかけるが、それを問題ないと一蹴し部員達は実験場として開けてもらっている第二運動場へと移動していく。
大体こうして強行する時はろくな事が起こらない。
経験談でしかないがそもそも実験段階で余裕がない部署は、後になって致命的なバグを発見したりするのだ。
「エルピスに援護に来てもらいたいところだけれど、今日は外出するって言っていたし…。まずいかもしれないわねこれは」
杞憂で終わればそれで良い。
ただこの不安感が真実になってしまった時、いまこの島にそれを解決できる人間がいるかどうか。
新入部員であるアウローラの話を聞いてくれる他の部員はいまの所いないので、部長の判断に逆らえないのが辛いところである。
「それでは魔法陣を描いていきます。先生方は少しお下がりください」
現場にたどり着いてみれば顧問以外にも校長やその他の教員の姿がちらほらみえ、おそらく強行した理由はこれなのだろうとアウローラはなんと無く想像する。
校長は数日後に帝国で開催される武闘祭という、王国でいうところの王国祭に参加することが決まっているので、それまでにこの実験を見ておいてほしかったのだと思われる。
「魔法の起動を開始します、魔法の神の名の下にーー」
長い魔法の詠唱を横で聴きながら、アウローラは万が一の時のためにいつでも魔法が打てるようにしておく。
エルピス達と旅を共にしすぎて感覚が麻痺してしまっているが、戦術級魔法の詠唱はかなり長い。
込められている魔力量が少ないので威力自体は出ないが、詠唱は起動と操作に関わってくる部分なので込める魔力量が少なくても詠唱を短くする事はできないのだ。
「後四節くらいかしら、後ろに下がってなさい。もし何かあっても守れるから」
「は、はい! ありがとうございます」
先程怯えていた生徒の一人を自分より後ろにし、万が一何が起きても対処できるようにしておく。
最悪アウローラ自体は障壁を自分に貼らなくてもエルピスが貼った障壁があるので、自信を守る必要もそれほどない。
魔力を感じないのでアウローラには今も貼られているか分からないが、エルピスの事だ、きっと貼ってくれているだろう。
「戦術級儀式魔法〈雨雲〉」
言っている間にいつの間にか詠唱は完了していたようで、魔法が発動され少しだけ魔力が吸い取られる感覚に襲われる。
この程度の魔力消費量ならば大事には至らないだろう、そう思っていたのも束の間、召喚陣が光り輝きアウローラの全魔力を持っても止められないほどの魔力が辺りに吹き荒れていく。
髪の毛をはためかせるものは風ではなく、質量を持って暴れている魔力そのものだ。
召喚陣から噴き出された魔力でこれだ、召喚陣自体にかかっている魔力を考えると末恐ろしいものがある。
「なっ!? 魔法陣を早く解除しーー」
「ーー馬鹿者! 魔法は絶対に解除するなッ! この魔力がそのまま外に出ればここも吹き飛ぶぞ!!」
魔法陣を無理やり解除しようとしていた生徒達に対して、校長が見たことのない怒り顔を見せながら冷静に注意を飛ばす。
魔力は制御できるものが存在しない場合、一箇所にこうして集まりすぎると無属性魔法の爆破となる。
込められた魔力量によって名称が変わる爆発魔法だが、この規模の魔力量だと〈滅爆発〉になるのだろうか。
アウローラも知識としては知っている爆発魔法だが、国級の中でも最上位クラスの爆発魔法なので使用しているところを見たことは一度もない。
一先ず自分達の場女の安置を確保したアウローラは、そこから飛び出すと部長の元へと駆け寄っていく。
「アウローラ! 危ないわよ!!」
「良いから貴方達はそこに居て! それで部長、一体どんな設定を組んだらこんな事になるのかしら?」
「違う、合っていたはずなんだ、何も間違っていなかったッ!! このグラウンドを中心地として周囲5キロ以内の生物から2%程だけ魔力を吸い取るように設定した……計算上はそれでも超級程度の威力になるはず、こんなことあり得ない……そうあり得ないんだよッ!!」
理由は分かった、原因もだ。
タイミングの悪さとこう言ってしまうと語弊があるが、目の前の彼の無知が招いた事故だとも言える。
それに仮実験である筈の今回の魔法発動で、超位魔法に近い魔法を発動させようとさせるからいけないのだ。
この島にはいま無尽蔵の魔力を持つ人物が、アウローラが知っているだけで少なくとも三人もいるのだから。
(来て欲しいとは思ったけれどタイミングが悪いわよ、エルピス)
@@@@@@@
ーーところ変わってエルピス達。
海神との会談を終えようやく島に帰ってきていたエルピスは、吹き飛ばされそうになる雨の中現状の把握を急いでいた。
数分前ではあるが、呪い系統に属する魔力吸収系の魔法陣が学園の何処かから発せられ、エルピスは邪神の権能で自動的に効果を弾くことができたが、ニルとセラが若干ではあるものの魔力を吸われてしまいこの惨状が出来上がってしまったのだ。
悪意は感じられなかったので、おそらくは学園内の誰かが実験で使用したものだと思うのだが、随分と甘い設定にしたものだ。
少し先のものすら見えないほどに降り頻る雨と大荒れの海を見つめながら、腹から張り上げるようにしてエルピスは声を上げる。
「セラとニルは生徒の安全の確保をお願い。フェル!」
「ーーはい! お呼びでしょうか!」
「状況は分かってるね? 居ないとは思うけれど海に落ちた奴らを拾ってきて、即死してなかったら俺の回廊使って回復入れて良いから」
「了解しました!」
音もなく消えていく三人を見送り、エルピスも〈神域〉を使用して場所を把握し、召喚陣の方へと転移魔法を使用する。
見てみれば校長その他先生が数名、生徒が数十名にアウローラとこちらにやってくるエルピスと同じ教室の生徒達がやってくるのを感じられた。
おそらくは人数を増やして無理やり無効化させるつもりなのだろうが、この段階まで入った魔法を無効化させるにはかなりの魔力量を必要とするので生徒達には不可能だろう。
「校長すいません、緊急事態なので転移魔法を使用しました!」
「構わん! それよりエルピス君、何か解決策は有るか!?」
「お願いエルピス! このままだとこの学園も沈みかけないの!!」
学長にお願いされなんとか自分の手を使わずに穏便に解決出来ないかと考えていたエルピスは、だがアウローラにそう言われて仕方ないかと意識を切り替える。
こちらに向かってくる同じクラスの生徒の中に法国の者が数人混じっているのが感じられたので神の力は使いたくなかったが、アウローラの言う通りこれ以上魔法を長引かせると建物にも危害が出かねない。
「任せろアウローラ! それじゃあ離れてろよ風凄いから!」
「頼んだわよ!」
久方ぶりでは有るものの、魔神の権能を意識してエルピスは起動させる。
魔神の権能の中でも最も強い権能、魔法の完全支配を使用し無理やり暴れ狂う魔力の塊を抑えにいく。
共和国での魔力は自分の魔力だけだったから簡単に停止させることができたが、今回のはこの学園に居る生徒達の魔力が混じりに混じっているので難しさは前までの比ではない。
驚く程の暴風がエルピスの周囲を吹き荒れ、たなびく服の鬱陶しさに嫌気がさしつつも針の穴を通すような作業を何度も何度も行なっていく。
「なんという事だ……あの魔力の濁流が一瞬で沈静化されていく」
「これが最高位冒険者ですか、いやはや我々とはレベルが違う」
肌を切り裂くほどの暴風は、やがて頬を撫でる風となり、最終的には何も感じ無くなるほど辺りは静まり返っていく。
複雑に絡み合った様々な特性を持つ魔力を一つ一つ解き沈静化させる超高難度の作業も、権能を使って仕舞えば簡単なもので有る。
権能の使用のせいで若干身体からいつもより神人としての性質が色濃く出ているが、それを除けばそれ程変化もなく終えることができた。
「これは──校長、魔法の方は無事に?」
「ああ。エルピス君が上手く処理してくれた、イロアスと同じ、いやそれ以上の神才じゃよ彼は」
「神才だってさーエルピス君、良かったね?」
にしゃと笑みを浮かべながらそんなエルピスの心臓止まりそうなことを言ってくるのはルミナだ。
いつのまにやって来たのかは知らないが、人前で思わせぶりなことを口にするのはやめてほしい。
「来てたんですね、言動が原因でバレたらお母さんに言いつけますからね」
「やめてよ怒ると怖いんだから」
権能使用直後は神の力が表に出過ぎて力加減が難しいので、あまり人に寄られるのは好ましくない。
しかも権能を使用すると感情の振り幅が大きくなり、怒りの感情などは特に普段よりも大きくなってしまう傾向になるので気をつける必要がある。
分かったよとそれだけ言ってまた何処かへ行っていくルミナの背中を見つめていると、法国出身の生徒達がこちらへとやって来るのが目に見えた。
理由は大方分かっているが、それを聞く勇気がエルピスにはなくとりあえず連行されても嫌なので移動しないと言う意思表示として腰をその場に下ろす。
「エルピスさん、いえエルピス様。その気配、間違い無いと思ってよろしいですね?」
そう言って喋りかけてきたのは法皇の次女で有るペトロだ。
他の生徒の目はなんとかしてごまかすことが出来るだろうが、実際に神に会う機会のある法皇の一族相手には今のエルピスに誤魔化す手段はない。
乾いた笑みを浮かべて何のことかと誤魔化してみるが、正直言って無理があるのはエルピスも百も承知である。
だがこんなところでバレたら今まで隠してきた意味がない、頭を回転させ言いくるめの為に口を開く。
「何のことやらさっぱり、そう言っても信じてもらえなさそうですね。ですが貴方の想像しているものとは違うと思いますよ、私はまだ下位の身ですから」
頭の良い相手に対する最高の言い訳、それはなんだかそれっぽいことを言っておくである。
勝手に深読みしてくれれば良し、何か分からないと言い始めたらそれこそ誤魔化せるから良し、どちらにしても問題なく進めることができるのだ。
そんなエルピスの甘い考えは、だが簡単に打ち砕かれることになる。
「誤魔化しは聞きませんエルピス様。セラ様の事ですが、失礼ではありますが少し調べさせていただきました。
何故か隠されたように徹底して情報統制がかけられていましたが、最低でも王国から貴方に仕えているという事実だけは何とかして把握することができています」
「それが何か?」
「天使を年単位で使役など人にも、まして半人半龍にも不可能です。
それにルミナ様の事もいくらアルヘオ家と言えど神に軽々しく接することなど今まではできなかったはずです」
無理だと分かっていながらも足掻いてみるが、帰ってきた返事は逃げ道をなくしにきているものである。
それにしても随分とまた調べたものだ。
確かに今はなぁなぁで天使として活動しているセラだが、王国では基本的に人を装って生活していたのでごく一部の人物しかセラが天使であることを知らないはずである。
法国の情報網も存外バカにならないなと思いつつ、エルピスは仕方ないかと頭を縦に振る。
秘密はいつかバレる、なら少しだけバラしてせめて大まかな部分だけでも隠そう。
「分かりましたよ。認めます、ですが口外禁止はもちろんのこと、これ以上の詮索は一切を禁じます。よろしいですね」
「もちろんです」
エルピスの問いに対して彼女は肯定で返してしまった、邪神の契約はこれだけで十分なのである。
魔法も技能も必要ない、相手に同意さえさせてしまえばこれで彼女は何があろうともエルピスに関して今後一切の詮索と情報を口に出すことはできない。
他に数名いる生徒達にも同じように契約を結ばせ、そうしてようやくエルピスの安泰は確保される。
「お疲れ様、ありがとう助かったわ。何を話してたの?」
「どういたしまして。なんでもないよ、彼女達もなんだったのか言えないしね」
「また何か裏でしてるの?」
「なーんにも」
思えば言う言うとだけ言って、結局アウローラやエラには神であることを伝えていないままである。
別に言わなくともこれといって問題があるわけではないが、友人というわけでもない、隠し事をするのは喜ばしくないだろう。
早くその機会が訪れることを祈りながら、エルピスはその場を後にするのだった。
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