【ハレ巫女】妹の身代わりに「亡き妻しか愛せない」氷血の辺境伯へ嫁ぎました〜全てを失った「ハレの巫女」が、氷の呪いを溶かして溺愛されるまで〜

きなこもちこ

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第七話 奥様はメイド!?

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アリシアが死んだのが……おそらく八年前。私がミーシャの体で目覚めたのも八年前だから……死んだのと同じタイミングで、ミーシャの体に乗り移ったのかしら?」

 ブツブツと呟くアリシアは、階段の掃除に没頭していた。箒とブラシを魔法で動かし、自らは布切れで手すりを磨いている。

「それにしても、アリシアわたしは何故死んだのだったかしら? 健康だったし、事故に遭った覚えもないけれど。うーん、どうしても思い出せない……」

 考えながら掃除を続けていると、遠くから「あ!!」という叫び声が聞こえてきた。

「ミーシャ様!! ようやく見つけました!」

 青い顔のヨゼフが駆け寄ってきて、箒とブラシを勢い良く掴んで薙ぎ倒す。

「お掃除を! なさらないで下さいと! あれほど……」

「あら、私はもうレイモンド様の妻ではなく『メイド』ですのよ? お掃除をするのは当たり前です」

 小首を傾げるミーシャを、ヨゼフは面食らった顔で見つめる。

「……本気でメイドとして働く気ですか? 旦那様もカッとなられただけで、もう一度真摯に謝れば許していただけますよ。せっかく伯爵夫人となられたのに、使用人の仕事なんてしなくても……」

「先ほどは申し訳ございませんでした。庇っていただいてありがとうございます。……ですが、メイドとしての立場は私の希望です」

 ヨゼフはしばらく黙り込んだ後、真剣な顔でアリシアの前に跪いた。
 
「ご生家でも、使用人のような立場を強いられて、辛い思いをされてきたというのに……。ここでは、思うままに過ごされて構わないのですよ。一日中お眠りになっても、贅沢をなさっても、文句を言う人はいません。今までの自分を忘れて、自由になってください」

「……お優しい心遣い、感謝いたします。私のためを思って、そう仰っているのですよね。──しかし、メイドとしてレイモンド様を支えることこそが、私の思うままの振る舞いなのです」

 アリシアは聖母のような、穏やかな微笑みを浮かべながら胸に手を当てた。

「それに、『使用人の仕事なんて』などと仰らないでください。執事もメイドも料理人も……主人を支える、素晴らしいお仕事ですわ。その点においては、貴族の妻の役割と変わりありません」

 ミーシャはしゃがみ込み、ヨゼフと目線を合わせて目を細めた。

「ヨゼフ様も、誇りを持って働いていらっしゃるでしょう? お仕事ぶりを見れば、よく分かります」

 ヨゼフは顔を背け、照れた様子で「ええ、まあ……」と呟いた後、不思議そうにミーシャを見つめる。
 
「ミーシャ様、何か心境の変化があったのですか? 昨日この屋敷に来た時は、捨てられた子猫のようでしたのに……。『メイドをしたい!』と言い張る今の方が、よほど貴婦人らしいですよ。昨日とは、まるで別人のようですね」

 アリシアは微笑んだまま、ギクリと体を固める。「実は私、八年前に死んだ旦那様のメイドだったと思い出したんです!」と主張した所で、虚言癖か精神病を疑われるのがオチだろう。

「ええと……その、メイドとして働くのが、長年の夢だったというか……?」

「どこに『メイドになることが夢』な貴族令嬢がいるものですか。まあしかし……貴方が受けていた扱いを思えば、あり得ない話ではないのかもしれませんね」

 苦笑するヨゼフを見て、アリシアはホッと胸を撫で下ろす。何とかごまかせたようだ。

「では、そこまで言うようでしたら……メイドとして、働いていただきましょう。実はここ、いつも人手が足りなくて、猫の手も借りたいくらいなのです。ただし、伯爵夫人としての振る舞いやお仕事も、しっかりしていただきますよ」

「はい、よろしくお願いいたします!」

「それでは、他の使用人達を紹介しましょう。着いてきてください」

 ・・・・・

「あの……先に言っておきますが、この屋敷の使用人達は、少々変わっていまして……」

 アリシアを先導して歩くヨゼフが、もごもごと話し始める。

「あら。人というのは、少しくらい個性的な方が魅力的というものです」

「個性的というか……。話は変わりますが、ミーシャ様は旦那様の呪いのことを、どこまで知っておられますか?」
 
「ええと、呪いはスノーグース家に代々伝わっているもので……素手で触れたものを凍らせる、というものですよね。魔力が氷魔法に固定されていて、他の属性の魔法は使えなくて……。あ! あと、感情が昂ると領地の天候が荒れますよね。吹雪になったりだとか」

「……本当に良くご存知ですね? まるで長年見てきたかのように」

 振り返って訝しげな表情を浮かべるヨゼフを見て、冷や汗が額を流れ落ちた。
 これは昔レイモンドのメイドだったからこそ知り得た知識で、突然嫁ぐことになった「ミーシャ」が本来知るはずもないことだ。

「あ、その……本で! 昔、スノーグース家にまつわる本を読んだことがあって……」

 しどろもどろになりながら言うアリシアを、ヨゼフは横目で眺める。どうにも記憶が戻ったばかりで、正体を隠すのを忘れがちだ。

「そうですか……。歴史の長い家門ですし噂の的ですから、そういった本もあるかもしれませんね」

 再び歩き出しながら、ヨゼフは軽く咳払いをした。

「まあとにかく、事実はそうですが……ちまたでは、かなり歪んで伝わっています。旦那様の機嫌を少しでも損ねると氷漬けにされるだとか、近くに寄っただけで冷たさで死んでしまうだとか」

「そんな! そんなはずありませんのに……」
 
「その通りです。しかし噂とは恐ろしいもので……近くの村に至っては、旦那様をほぼ魔物のように思っています。そのため高い給料で求人を出しても、働いてくれる人がおらず……。それでもこの屋敷に来るような人は、変わり者や村に居場所の無い者ばかりなのです」

 アリシアは「それでは、ヨゼフ様も?」という喉まで出かかった言葉を、グッと飲み込む。
 目的地だった調理場についたヨゼフは、軽くノックをして中に入った。

「エリオット! 他の皆は? 集まっておくように伝えたはずですが……」

 料理人の格好をした人物が、ビクリと体を震わせて振り返る。クルクルとした柔らかい栗毛の髪に、明るいスカイブルーの瞳の、気弱そうな青年だ。

「よ、ヨゼフさん。メイドの二人はまだだけど、セドリックならそこにいるよぉ……」

 エリオットと呼ばれた青年が指差した先には、古びたブランケットがあった。ヨゼフがカツカツと近づき布を捲ると、中には酒瓶を抱えた老人が眠っていた。

「セドリック!! また貴方は昼間から酒を飲んで……」

 アリシアは歓喜の声を上げそうになる所を、必死で堪える。セドリックは、以前メイドとしてこの屋敷に勤めていた時にもいた、使用人仲間だったのだ。

 (セドリック! あまりにも懐かしいわ! でも八年前より、随分老けてしまったようね……。以前はお酒好きと言っても昼間からは飲まなかったし、お庭のことになると若者のように生き生きと働いていたのに……。)

「なんだぁ、もう来たのか? また新しい奥さんとか言って、どうせすぐ逃げ帰るんだろう? 挨拶したってムダムダ……」

 ノロノロと起き上がったセドリックは、アリシアを見て目を丸くした。そのまま腕で目を擦ると、数回瞬きをして呟く。

「なんだ、アリィ嬢ちゃんが戻ってきたかと思ったよ。ふーん……髪色は違うが、なんとなく似ているな。雰囲気かぁ?」

 まじまじと見つめるセドリックに見透かされそうで、アリシアは小さく俯いた。間に入ったヨゼフが、近寄ろうとするセドリックを押し留める。

「こら、奥様となられる方に不躾に近付いてはなりません!」

「いいだろう、減るもんじゃあるまいし」

「そういう問題じゃありません! だいたい貴方、初対面でそんなに酔っ払っているなんて……」

 叱るヨゼフの言葉を遮るように、調理場のドアが開く。二人の女性が気怠そうに入ってきて、近くの椅子にドサリと腰掛けた。

「サリー、マール! 遅刻ですよ!」

 痩せて背の高いメイド姿の女性は、フンッと鼻で笑うとカウンターにいる料理人のエリオットに話しかける。

「遅刻も何も、腹が減ったから厨房に来ただけさ。エリオット、何か食べる物はないかい?」

「ええっ! サリー、そんな無茶振りされてもぉ……。まだ夕ごはんには早いし、何もないよぉ。凍ったお野菜とお肉ならあるけど……」

 もう一人のメイドは、ニヤニヤした目つきでアリシアを眺めていた。こちらの女性は小柄で恰幅が良く、柊の葉のような深緑の髪をシニヨンにまとめている。

「けっ! しけてるね~。まあ私は、新しい『オクサマ』ってやつを拝みにきたんだけど~。今度はどのくらいで出て行くかな……サリー、アンタいくら賭ける?」

 ヨゼフは中指で眼鏡を上げ、アリシアに深く頭を下げた。

「ミーシャ様、申し訳ございません。彼らは後でキツく言い聞かせますので。皆、こちらが旦那様の新しい奥様の……」

「ミーシャ=サンフラワーと申します。メイドとして、皆さまと一緒に働かせていただくことになりました。これから長いお付き合いになると思いますので、どうぞお見知りおきを」

 美しいお辞儀カーティシーをしてにこやかに笑うアリシアを見て、使用人達は面食らった顔で黙り込む。ヨゼフはため息を吐いて、沈黙を破った。

「……そうなのです。ミーシャ様は、メイドのお仕事もされるので……。ですが同時に奥様でもありますから、皆も礼儀はしっかりと守るように。詳しくは後で説明します。ミーシャ様、こちらが……」

「皆さまのお名前でしたら、バッチリ覚えましたわ! 料理人のエリオット様、庭師のセドリック様、それからメイドのサリー様とマール様。少数精鋭で、アットホームな職場ですわね!」

 太陽のように屈託のない笑みを浮かべるアリシアを見て、一同は再び顔を見合わせた。

 ・・・・・

「ミーシャ様、今日は顔合わせということで終わりましたが……使用人に対して、あんな態度ではいけません」

 調理場を出て自室に戻る最中、ヨゼフが静かな口調で言う。

「貴方は奥様なのです。使用人を『様』付けなどで呼んではいけません」

「ですが……。メイドとして働くなら皆さま同僚ですし、歴でいったら先輩で……」

「あくまでも、メイドより奥様に比重を置いてください。奥様は彼らの上司にあたり、まとめ上げていく立場なのです。日頃からそう心がけていないと……来客があった時や社交界で、必ず態度に出てしまいます」

 ヨゼフは振り返って、真剣な表情でアリシアを見つめる。

「私もこれから、貴方を奥様と呼びましょう。良いですか。奥様の品格が、旦那様の評価に繋がります。貴方が外で使用人にへりくだったり、伯爵夫人として相応しくない態度をとったりすれば、旦那様の外聞が悪くなるのです」

 アリシアが「わかりました……ヨゼフ」と小さい声で返事をすると、ヨゼフは満足げに微笑んだ。

「貴方の今までの生活を考えれば、難しいことをお願いしているのは分かります。しかし旦那様は、ただでさえ激しい偏見や噂に苦しめられています。私は少しでも……旦那様に心地良く過ごしていただきたいのです」

 真面目な顔でそう語るヨゼフを見て、アリシアは頬を綻ばした。
 
 (ヨゼフは旦那様思いの、良い執事ね。私がいない間、優しい人が旦那様の側に居てくれて良かった。)
 
 ミーシャとして生きてきた八年で染みついた卑屈な性格は簡単に直せそうにないが、レイモンドを貶めたい訳ではない。メイドの仕事は譲れないけれど、伯爵夫人としても正しく振る舞わなければ……と決意を新たにする。

 ・・・・・

 他の仕事があると言うヨゼフと別れると、ふと背中に視線を感じる。
 ミーシャとして生きていた時は他人の視線を常に気にしていたため、そういった気配に敏感なのだ。サンフラワー家の屋敷内で何度も殺されかけ、そうならざるを得なかったのかもしれないが……。

「誰か……いらっしゃるのですか?」
 
 声をかけると、階段の裏からガチャン!と物音がする。
 しばらくして、おずおずと物陰から出てきたのは……輝く銀色の髪をした、小さな少女だった。
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