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第11章 モンスター

閑話 読む?(今回は処刑の話しなので、気持ち悪いかもです。)

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「逃げれたな。」

「こっちも無事だぜ。」

闇に紛れて、彼等は逃げていた。

「武器はこれだけか。」

男はスコップを見ながら、ため息をついた。

「やっと、逃げれたな。此れで、自由だ!」

と誰かが言った。
その刹那、自由だ!と言った男の頭が破裂して、ダァーンと言う音が響いた。

「ヤバい!逃げるぞ!」

男達は逃げる事を続けた。
彼等は、魔国の犯罪奴隷達だ。
奴隷紋章と言う縛りはあるが、生活は保証されていた。

最初は怖がっていたが、逃げて捕まっても罰が増える気配も無い。

犯罪者と解るのは、赤いツナギを着ているだけで、此しか着れない訳でもない。
仕事中だけで、普段は普通着なのだ。

罪を認めても、改心を唄っても、性根が治らない者は居る。それは魔国でも変わらない。
だから、時に逃亡者が出る。

「逃げる!逃げて、また・・・・」

走りながらも、仲間が狙撃されていく。それも、綺麗に頭を撃ち抜くのだ。

「止まるな!走れ、走れ!」

それは、何処から撃っているのか分からないが、ダァーンの音が鳴ると仲間の誰かが死ぬのだ。

縦穴に隠れたとしても、即座に見つかり撃たれている。
逃亡者に聞こえるのは、足音と銃撃の音だけ。

「に、逃げろ・・・」

ダァーン。

「殺さないで・・・・」

ダァーン。

「逃げるのを・・・」

ダァーン。

「止め・・・」

ダァーン。

魔国が、犯罪者を許すのは一回のみ。
逃げるのは自由だが、逃げれる範囲は決まっている。
たまに、大人数で逃げる集団もある。

今回も、集団で逃げた。

ザッザッと言う足音を聞いて、ダァーンと言う銃撃を聞く。
逃げた仲間が死に、逃亡して行くのだ。そこには、慈悲は無い。

ダァーン。の音が、逃亡者を始末していく。

一撃必中の死。

逃亡者達は足を止める事なく逃げた。
そして、仲間が死んでいった。

「逃げれ無いのか!」

誰かが祈った。

ダァーン。

その逃亡者は、死んだ。





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犯罪者は一定の範囲を越えると、始めは幻聴を聞いてしまい、その上に幻覚を見てしまう。

此れは、無駄に遊園で外地を移動にも言える。

そして、最後は破裂して消えるのだ。

他に、罪を犯す者の排除は凄まじい。それは、虐めをしても処罰される。つまりは、破裂して排除されるのだ。


犯罪者の多くは、その注意事項を聞かない。
刑期を聞いても、注意事項を聞かないのだ。
それは、普通の人でも変わりはない。


魔国は、誰にでも寛容ではない。

篤郎に甘いだけで、それ以外はルールの中に居る。ルールを守れば、安心に暮らせるのだが、ルールを破れば、死ぬだけだ。


その事を、子供のうちに教えられるらしい。
魔国とて、まだ一年に満たない国なのだ。


だから、犯罪者には厳しい。

罪を認めて、真面目に刑期を終える人も居るが、逃げ出す人も居る。

逃げた先には、死しか待たない。

しかも、誰かに追われるのでは無く、幻覚と幻聴での逃亡者となり、破裂して消えていくのだ。

後に、この逃亡ビデオが犯罪奴隷達に見せられる事になるのだが、それまでに逃げた者は、全て死んだ。



魔国は新興国だ。

篤郎による、篤郎の為の国であって、それ以外は奴隷である。

平凡に生きている限りは、平和な国だ。

それを破れば、容赦はしない。

それが、魔国なのだ。
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