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第39話 のじゃロリの謎
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「で、詳しく話を聞かせてもらう前にだ」
俺はベッドの上に放り出した駄女神を見下ろす。
「一つ聞いていいか?」
「何をじゃ?」
「その口調。最初に話をした時と全然違うんだが、お前本当にあの女神か?」
たしか最初この世界にやって来た時に話した記憶だと、もっとアホっぽいしゃべり方だったはずだ。
なのに今のこいつは『のじゃロリ口調』である。
教会の中では無駄な神々しさと、異常な状況で気にしてなかったが、落ち着いて見るとこいつが本当にあの女神なのか疑わしくなってきたのだ。
「なんじゃ、そんなことか」
自称女神は『やれやれ』といった表情を浮かべる。
「それはな。我の言葉は我が宿った者のイメージによって変るからじゃ」
「どういうことだ?」
「頭が悪いのう。無敵にはしてやったが脳筋にしたつもりはなかったんじゃが……まぁよい。簡単に言えば我のこの口調はサンテアが『女神エルラード様はこういうしゃべり方をするはずだ』と想像していたのに合わせて我の言葉が翻訳されておるということなのじゃ」
つまりこの『のじゃロリ口調』はサンテアが女神の言葉を神言語から人言語へ変換しているせいだというのか。
ということは最初のとき女神がアホっぽい口調だったのは、俺が異世界の女神はああいうものだと想像していたせいだったということなのだろう。
「実際、我らの言葉はそのままでは下界の者どもには通じんでな。聞く者の脳内で自動翻訳されるようにちょちょいと細工して通じるようにしてあるわけじゃ」
「なるほどな。それで最初の時はあんなに頭のネジが外れたギャルみたいなしゃべり方だったのか」
「……いったいお主は我のことをどういう存在じゃと想像しておったんじゃ。我、神ぞ? 神ぞ?」
口調は僅かに威厳が増したが、ぷんぷん怒りながら両手をふるその姿からは威厳は一切感じられない。
もしかしたら神オーラとやらを俺が無効化してなければ、そんな姿にも神々しさを感じたのかも知れないが。
「せっかくチート能力まで与えて生き返らせてやったというのに、なんという親不孝もんじゃ」
「あーうるさい。そんなことよりお前がサンテアに乗り移ってる理由をさっさと教えろ……って、親? 誰が?」
「うむ。お主は我の力によってこの世界に生み出された、言わば我の子じゃからな」
たしかにこの世界での俺は、この女神によって新しい体を与えられ転生した。
だから彼女に産み出されたというのは嘘では無い。
嘘では無いが……なんだか嫌すぎる。
「そもそもじゃ。我がこの娘の体を使わねばお主と話も出来なくなったのは、お主を転生させてチート能力を与えたせいじゃぞ」
「どういう意味だよ」
「いかに神といえど一つの命を蘇らせるには途轍もないエネルギーが必要になるのじゃ」
どうやら神様であっても人一人を転生させるのは簡単ではなかったらしい。
異世界転生ものの神様は、けっこう気軽に転生させているイメージだったが、実際はそういうものではないということだろうか。
「しかもお主が望んだ『無敵の体』なんてチート能力がまたやっかいでな……。我のギガの90%を持って行かれてしもうたのじゃ。せっかく長い年月を掛けて溜め続けて来た繰り越しギガだったというのに。じゃから我は実際にこの地へ降り立つしか連絡手段がなくなってしまったのじゃぞ」
ここまでの話からすると、どうやらギガというのは神様のエネルギーか何からしい。
これも多分俺の脳が勝手に理解しやすいように翻訳してるだけで実際には違う言葉なのかもしれないが、それなら普通にエネルギー残量とかにしてくれれば良かったのに。
微妙にポンコツな異世界言語翻訳である。
「それはすまんかった……」
俺は素直に謝る。
この女神は俺を蘇らせるために自分のエネルギーのほとんどを使ってくれたのだ。
しかも俺の望む力まで与えてくれて。
なのに今まで駄女神だの邪神だの頭の緩いギャルだのと散々馬鹿にしてしまったことは反省する必要があるだろう。
「でも、どうしてそこまでしてくれたん……ですか?」
しかし何故そこまでして俺を転生させてくれたのか。
それがわからない。
俺は一応敬意を示すために口調を改めて理由を尋ねてみた。
「それはじゃな…………じゃからじゃ」
「え? 今、何て?」
肝心なところがモゴモゴ何を言ってるのかわからない。
俺はもう一度聞き直そうと耳を女神の顔に近づけ――
「じゃから――お主が死んだのは我のせいじゃからだと言っておるのじゃぁっ!」
とんでもない爆弾発言を鼓膜が破れそうな勢いで喰らってしまったのだった。
俺はベッドの上に放り出した駄女神を見下ろす。
「一つ聞いていいか?」
「何をじゃ?」
「その口調。最初に話をした時と全然違うんだが、お前本当にあの女神か?」
たしか最初この世界にやって来た時に話した記憶だと、もっとアホっぽいしゃべり方だったはずだ。
なのに今のこいつは『のじゃロリ口調』である。
教会の中では無駄な神々しさと、異常な状況で気にしてなかったが、落ち着いて見るとこいつが本当にあの女神なのか疑わしくなってきたのだ。
「なんじゃ、そんなことか」
自称女神は『やれやれ』といった表情を浮かべる。
「それはな。我の言葉は我が宿った者のイメージによって変るからじゃ」
「どういうことだ?」
「頭が悪いのう。無敵にはしてやったが脳筋にしたつもりはなかったんじゃが……まぁよい。簡単に言えば我のこの口調はサンテアが『女神エルラード様はこういうしゃべり方をするはずだ』と想像していたのに合わせて我の言葉が翻訳されておるということなのじゃ」
つまりこの『のじゃロリ口調』はサンテアが女神の言葉を神言語から人言語へ変換しているせいだというのか。
ということは最初のとき女神がアホっぽい口調だったのは、俺が異世界の女神はああいうものだと想像していたせいだったということなのだろう。
「実際、我らの言葉はそのままでは下界の者どもには通じんでな。聞く者の脳内で自動翻訳されるようにちょちょいと細工して通じるようにしてあるわけじゃ」
「なるほどな。それで最初の時はあんなに頭のネジが外れたギャルみたいなしゃべり方だったのか」
「……いったいお主は我のことをどういう存在じゃと想像しておったんじゃ。我、神ぞ? 神ぞ?」
口調は僅かに威厳が増したが、ぷんぷん怒りながら両手をふるその姿からは威厳は一切感じられない。
もしかしたら神オーラとやらを俺が無効化してなければ、そんな姿にも神々しさを感じたのかも知れないが。
「せっかくチート能力まで与えて生き返らせてやったというのに、なんという親不孝もんじゃ」
「あーうるさい。そんなことよりお前がサンテアに乗り移ってる理由をさっさと教えろ……って、親? 誰が?」
「うむ。お主は我の力によってこの世界に生み出された、言わば我の子じゃからな」
たしかにこの世界での俺は、この女神によって新しい体を与えられ転生した。
だから彼女に産み出されたというのは嘘では無い。
嘘では無いが……なんだか嫌すぎる。
「そもそもじゃ。我がこの娘の体を使わねばお主と話も出来なくなったのは、お主を転生させてチート能力を与えたせいじゃぞ」
「どういう意味だよ」
「いかに神といえど一つの命を蘇らせるには途轍もないエネルギーが必要になるのじゃ」
どうやら神様であっても人一人を転生させるのは簡単ではなかったらしい。
異世界転生ものの神様は、けっこう気軽に転生させているイメージだったが、実際はそういうものではないということだろうか。
「しかもお主が望んだ『無敵の体』なんてチート能力がまたやっかいでな……。我のギガの90%を持って行かれてしもうたのじゃ。せっかく長い年月を掛けて溜め続けて来た繰り越しギガだったというのに。じゃから我は実際にこの地へ降り立つしか連絡手段がなくなってしまったのじゃぞ」
ここまでの話からすると、どうやらギガというのは神様のエネルギーか何からしい。
これも多分俺の脳が勝手に理解しやすいように翻訳してるだけで実際には違う言葉なのかもしれないが、それなら普通にエネルギー残量とかにしてくれれば良かったのに。
微妙にポンコツな異世界言語翻訳である。
「それはすまんかった……」
俺は素直に謝る。
この女神は俺を蘇らせるために自分のエネルギーのほとんどを使ってくれたのだ。
しかも俺の望む力まで与えてくれて。
なのに今まで駄女神だの邪神だの頭の緩いギャルだのと散々馬鹿にしてしまったことは反省する必要があるだろう。
「でも、どうしてそこまでしてくれたん……ですか?」
しかし何故そこまでして俺を転生させてくれたのか。
それがわからない。
俺は一応敬意を示すために口調を改めて理由を尋ねてみた。
「それはじゃな…………じゃからじゃ」
「え? 今、何て?」
肝心なところがモゴモゴ何を言ってるのかわからない。
俺はもう一度聞き直そうと耳を女神の顔に近づけ――
「じゃから――お主が死んだのは我のせいじゃからだと言っておるのじゃぁっ!」
とんでもない爆弾発言を鼓膜が破れそうな勢いで喰らってしまったのだった。
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