25 / 39
レートのスキル
しおりを挟む
「まぁ、わかったようなわからないような……それで話は最初に戻るけどさ。結局お前のスキルってなんなんだよ」
「そういえばそのお話でしたね。私のスキルは『土いじり』です」
「は?」
俺は貴族令嬢の口から出て来た予想外の言葉につい聞き返してしまう。
「ですから私は『土いじり』というスキルを授かったのです」
「異世界からの転生者のスキルって、かなり強力な物ばかりって聞いてたんだが」
伝説に残る転生者の能力は、それこそ世界にかなりの影響を及ぼした物ばかりだったはずだ。
地方貴族に生まれた転生者が、一気にその貴族家を上級貴族にまでしたという話も聞く。
他にもこの国を建国したのも転生者で、今の王族はその子孫という話だ。
「それで、その『土いじり』ってどんなスキルなんだ? もしかしたら強力な土魔法みたいなもんだったり?」
「いいえ、私のスキルではせいぜい畑を耕して、少しだけ成長を促進させることが出来る程度ですわ」
「成長促進って凄い能力じゃねぇの?」
畑に植えた物がスキルですぐに成長して収穫出来るようになるなら、食料に困らないだろう。
「それが……私のスキルでは精々一年かかる物が半月ほど早く収穫できるようになる程度なのです」
「たしかにその程度だと微妙か。それにそもそも貴族令嬢には畑仕事なんてさせられねぇだろうしなぁ」
しかし、これからこの地を開拓していくのにはもしかしたらかなり有用な能力じゃなかろうか。
俺たち三人だけなら必要は無かったかもしれないが、この先ゴブリンやコボルトたちを養っていかねばならない。
別に彼らは彼らで自由にやるかもしれないが、彼らの村はエルフによって破壊され尽くしてしまっているらしい。
帰る場所を奪うことで従順にさせるという目的もあったのだろう。
そして俺たちによってエルフの里も壊滅した……。
そのせいでゴブリンたちは今現在家もなにもかも失った状態である。
関わってしまった以上、無責任に放置するわけにもいくまい。
それに――
「この場所に自給自足の村を作るのも悪くないよな」
「ルキシオス様、もしかしてこの魔族領で国を興すおつもりなのですか?」
レートは俺の話を聞いて、俺がこの魔族領に国を作ると思ったようだ。
「いや、村だよ村。国なんて俺に作れるわけないだろ」
俺とエルモが欲しいのは、王国にちょっかいを出されない自由に暮らせる場所だ。
ゴブリンたちの面倒を見ないで良ければ、エルモと二人この池の畔でゆっくりと過ごしていければそれで良いと思っているくらいだ。
それにゴブリンたちも今は救済が必要だろうが、そのうち野生に戻っていくことだろう。
村を作るにしても、あくまで一時的な物になるはずだ。
「さて、それじゃあ明日からゴブリンたちに手伝って貰って村づくり開始だ。レートにも畑作りを頼んで良いか?」
「はい。簡単な畑ならすぐに『土いじりスキル』で作れると思います。多分」
「多分?」
「私、このスキルをほとんど使ったことが無い物で」
「貴族令嬢様だもんな。普通土いじりなんてしないわな」
それから俺たちはたわいのない会話を少しだけ続けてから眠りについた。
「そういえばそのお話でしたね。私のスキルは『土いじり』です」
「は?」
俺は貴族令嬢の口から出て来た予想外の言葉につい聞き返してしまう。
「ですから私は『土いじり』というスキルを授かったのです」
「異世界からの転生者のスキルって、かなり強力な物ばかりって聞いてたんだが」
伝説に残る転生者の能力は、それこそ世界にかなりの影響を及ぼした物ばかりだったはずだ。
地方貴族に生まれた転生者が、一気にその貴族家を上級貴族にまでしたという話も聞く。
他にもこの国を建国したのも転生者で、今の王族はその子孫という話だ。
「それで、その『土いじり』ってどんなスキルなんだ? もしかしたら強力な土魔法みたいなもんだったり?」
「いいえ、私のスキルではせいぜい畑を耕して、少しだけ成長を促進させることが出来る程度ですわ」
「成長促進って凄い能力じゃねぇの?」
畑に植えた物がスキルですぐに成長して収穫出来るようになるなら、食料に困らないだろう。
「それが……私のスキルでは精々一年かかる物が半月ほど早く収穫できるようになる程度なのです」
「たしかにその程度だと微妙か。それにそもそも貴族令嬢には畑仕事なんてさせられねぇだろうしなぁ」
しかし、これからこの地を開拓していくのにはもしかしたらかなり有用な能力じゃなかろうか。
俺たち三人だけなら必要は無かったかもしれないが、この先ゴブリンやコボルトたちを養っていかねばならない。
別に彼らは彼らで自由にやるかもしれないが、彼らの村はエルフによって破壊され尽くしてしまっているらしい。
帰る場所を奪うことで従順にさせるという目的もあったのだろう。
そして俺たちによってエルフの里も壊滅した……。
そのせいでゴブリンたちは今現在家もなにもかも失った状態である。
関わってしまった以上、無責任に放置するわけにもいくまい。
それに――
「この場所に自給自足の村を作るのも悪くないよな」
「ルキシオス様、もしかしてこの魔族領で国を興すおつもりなのですか?」
レートは俺の話を聞いて、俺がこの魔族領に国を作ると思ったようだ。
「いや、村だよ村。国なんて俺に作れるわけないだろ」
俺とエルモが欲しいのは、王国にちょっかいを出されない自由に暮らせる場所だ。
ゴブリンたちの面倒を見ないで良ければ、エルモと二人この池の畔でゆっくりと過ごしていければそれで良いと思っているくらいだ。
それにゴブリンたちも今は救済が必要だろうが、そのうち野生に戻っていくことだろう。
村を作るにしても、あくまで一時的な物になるはずだ。
「さて、それじゃあ明日からゴブリンたちに手伝って貰って村づくり開始だ。レートにも畑作りを頼んで良いか?」
「はい。簡単な畑ならすぐに『土いじりスキル』で作れると思います。多分」
「多分?」
「私、このスキルをほとんど使ったことが無い物で」
「貴族令嬢様だもんな。普通土いじりなんてしないわな」
それから俺たちはたわいのない会話を少しだけ続けてから眠りについた。
20
あなたにおすすめの小説
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫
むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
へぇ。美的感覚が違うんですか。なら私は結婚しなくてすみそうですね。え?求婚ですか?ご遠慮します
如月花恋
ファンタジー
この世界では女性はつり目などのキツい印象の方がいいらしい
全くもって分からない
転生した私にはその美的感覚が分からないよ
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?
タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。
白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。
しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。
王妃リディアの嫉妬。
王太子レオンの盲信。
そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。
「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」
そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。
彼女はただ一言だけ残した。
「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」
誰もそれを脅しとは受け取らなかった。
だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。
虐げられた人生に疲れたので本物の悪女に私はなります
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
伯爵家である私の家には両親を亡くして一緒に暮らす同い年の従妹のカサンドラがいる。当主である父はカサンドラばかりを溺愛し、何故か実の娘である私を虐げる。その為に母も、使用人も、屋敷に出入りする人達までもが皆私を馬鹿にし、時には罠を這って陥れ、その度に私は叱責される。どんなに自分の仕業では無いと訴えても、謝罪しても許されないなら、いっそ本当の悪女になることにした。その矢先に私の婚約者候補を名乗る人物が現れて、話は思わぬ方向へ・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる