出会い 〜吹奏楽部とユーフォニアムと大切な人〜

第1章〜仮入部〜

運命

「紗希どうしたんだろう。中学校入ってから色々おかしかったけどあんな事まで起こすなんて。しかもなんで麻衣ちゃんに借りたんだろう。私や海唯菜でも良かったのに…。」
そんなことを思いながら家に帰る。明日はいよいよ運命の担当楽器の発表だ。





次の日の部活動の時間
「ではこれから皆さんの楽器を発表します。
蒼井 夏南   サクソフォン Saxophone
石川 蓮   チューバ  Tuba
如月 柚子  ユーフォニアム Euphonium
佐藤 美月  トロンボーン Trombone
高橋 海唯菜  クラリネット Clarinet
野村 優太   バスクラリネット Bass Clarinet
前川 紗希   トランペット Trumpet
桃園麻衣   パーカッション Percussion
柳木 結衣  フルート Flute
吉川 麗奈   ホルン Horun
に決定致しました。皆さん3年間一緒に頑張りましょう。これで楽器発表を終わります。｣


楽器が読み上げられた瞬間私の脳裏に先輩との思い出が蘇ってきた。先輩に教えてもらったことメールがきて嬉しかったこと。色々な思い出があったけどもう先輩の隣には入れないんだと思った。

「それでは各パートに別れて1年生に説明をしてあげてください。」先生に言われて私達ユーフォチューバパートは準備室に移動した。
その時悠真先輩が私に声をかけてくれた。「大丈夫？これからよろしくね！」
その瞬間私の中で何かが切れた気がした。
そして私は先輩と目があい大声で泣き出してしまった。
ユーフォニアムパートが一人しかいないという不安。ユーフォチューバパートは私以外男子しかいない。そして友達が欲しいのにも関わらずパートは一人。色々な不安に耐えきれず泣き出してしまった。
「柚子…。」
蓮は私のことをとても心配してくれた。先輩も私のことをとても気にかけてくれていてとても嬉しかった。でも私が泣き出したことは吹奏楽部の中で私と悠真先輩との黒歴史となったのだ。

これから夏のコンクールに向けてたくさんの事件に立ち向かうことを私はまだ知らない。
……To be continued