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前編
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婚約者以外の男性と会うことを禁ず。
これが私達の一族が王族から課せられた掟。
私達の一族は容姿が優れていることから多くの悪意ある人間たちに狙われてきた。
この国の王はそんな私達を保護する代わりにこの掟を飲ませたのだ。
私も婚約者以外の男性を知らない。
私の婚約者はこの国の王子でとても偉い人。
お母様は婚約者の言うことだけ聞いていれば生きていけると教えてくれた。
でも、私はそんな人生が嫌だった。
◇◇◇◇
「なに?また外の話が聞きたい?」
「はい。この城の外がどんな世界なのか知りたいのです」
「そんなことお前が知る必要はないだろ!」
パシ!
またぶたれた。
王子は機嫌が悪いと私を殴る。
女性と違い男性は力強い、また少し勉強になった。
「お前は気持ち悪い奴だ。もっと愛想よくできないのか?エリザベスと比べたらお前なんて女じゃない」
エリザベス、王子の愛人。
男の人は婚約者以外にも女性を愛するのが当たり前なのかしら?
「王子は私のことを愛していますか?」
「は?お前みたいないうことを聞かない奴愛せるわけないだろ?」
なるほど。
男性は婚約者以外を愛するのですね。
また言うことを聞く女性だけを愛すると。
興味深いですね。
「気分が悪い!!帰る!!」
「またいらしてください」
王子が帰った。
とても気が立っていたのだろう。
鍵を閉め忘れている。
「外の世界…見てみましょうか」
◇◇◇◇
城の外はたくさんの人であふれていた。
何処にいても被との声が聞こえる。
これが外の世界ですか。
こんなところに住めたのなら…夢物語ですね。
目的もなく城下町を歩いているととあるお店の前で足が止まる。
そこにはガラス張りになったショールームと一着のドレスが飾られている。
「綺麗なドレス」
「そうかしら?私はそのドレス嫌いよ?」
「どちら様ですか?」
「私?私はカサンドラ。このお店のオーナーやってるの。よろしくね」
カサンドラという人は不思議な人です。
女性の服を着てはいますが明らかに体のつくりが私とは違います。
「カサンドラさんは男性ですか?女性ですか?」
「女性よ」
「そうですか。それにしてもなんでこのドレスが嫌いなのですか?」
「だってこのドレスは誰にでも似合うから」
ドレスは誰にでも似合わないとダメでは?
「ドレスはね。その人だけを美しくしてこそなのよ。だから誰にでも会うドレスは好きじゃない。とんだビッチよ」
「ビッチ?」
「そうビッチ。むかついた女性がいたら言ってやりなさい」
カサンドラは私の手を引いて店の中を案内する。
「あなたモデルやってみない?」
「モデルですか?」
「そうよ!あなたを一目見て分かったわ。あなたは素晴らしい物を持っている。私はそんなあなただけにあうドレスを作りたいの」
モデルですか。
別にやってもいいとは思っていますが。
「それにお給金も出してあげる。1人暮らしが出来るわよ」
「よろしくお願いします」
これが私達の一族が王族から課せられた掟。
私達の一族は容姿が優れていることから多くの悪意ある人間たちに狙われてきた。
この国の王はそんな私達を保護する代わりにこの掟を飲ませたのだ。
私も婚約者以外の男性を知らない。
私の婚約者はこの国の王子でとても偉い人。
お母様は婚約者の言うことだけ聞いていれば生きていけると教えてくれた。
でも、私はそんな人生が嫌だった。
◇◇◇◇
「なに?また外の話が聞きたい?」
「はい。この城の外がどんな世界なのか知りたいのです」
「そんなことお前が知る必要はないだろ!」
パシ!
またぶたれた。
王子は機嫌が悪いと私を殴る。
女性と違い男性は力強い、また少し勉強になった。
「お前は気持ち悪い奴だ。もっと愛想よくできないのか?エリザベスと比べたらお前なんて女じゃない」
エリザベス、王子の愛人。
男の人は婚約者以外にも女性を愛するのが当たり前なのかしら?
「王子は私のことを愛していますか?」
「は?お前みたいないうことを聞かない奴愛せるわけないだろ?」
なるほど。
男性は婚約者以外を愛するのですね。
また言うことを聞く女性だけを愛すると。
興味深いですね。
「気分が悪い!!帰る!!」
「またいらしてください」
王子が帰った。
とても気が立っていたのだろう。
鍵を閉め忘れている。
「外の世界…見てみましょうか」
◇◇◇◇
城の外はたくさんの人であふれていた。
何処にいても被との声が聞こえる。
これが外の世界ですか。
こんなところに住めたのなら…夢物語ですね。
目的もなく城下町を歩いているととあるお店の前で足が止まる。
そこにはガラス張りになったショールームと一着のドレスが飾られている。
「綺麗なドレス」
「そうかしら?私はそのドレス嫌いよ?」
「どちら様ですか?」
「私?私はカサンドラ。このお店のオーナーやってるの。よろしくね」
カサンドラという人は不思議な人です。
女性の服を着てはいますが明らかに体のつくりが私とは違います。
「カサンドラさんは男性ですか?女性ですか?」
「女性よ」
「そうですか。それにしてもなんでこのドレスが嫌いなのですか?」
「だってこのドレスは誰にでも似合うから」
ドレスは誰にでも似合わないとダメでは?
「ドレスはね。その人だけを美しくしてこそなのよ。だから誰にでも会うドレスは好きじゃない。とんだビッチよ」
「ビッチ?」
「そうビッチ。むかついた女性がいたら言ってやりなさい」
カサンドラは私の手を引いて店の中を案内する。
「あなたモデルやってみない?」
「モデルですか?」
「そうよ!あなたを一目見て分かったわ。あなたは素晴らしい物を持っている。私はそんなあなただけにあうドレスを作りたいの」
モデルですか。
別にやってもいいとは思っていますが。
「それにお給金も出してあげる。1人暮らしが出来るわよ」
「よろしくお願いします」
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