しあわせピエロ

夜桜アイル

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1話

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“パアン”

おじさんがわたしに向けたエアガンを乱暴に下ろしました。
近くの家の人がバタバタとカーテンを開ける音がします。
しかし、誰もわたしのことを気にはしてくれないみたいです。

「チッ、20点かよ。今度は当ててやる。おい、避けんなよ?」

吐き捨てるようにおじさんは言って、エアガンをこちらにまた向けます。

あの日からわたしの生活はまるっきり変わってしまいました。
お母さんの知り合いのおじさんのところに引っ越して3ヶ月。
小学校にも行かなくなって、恐いおじさんと二人きりの生活。
おじさんはお料理もお洗濯もお掃除も全部わたしに押しつけて、ことあるごとにわたしを殴ります。
時々わたしが何か失敗をすると、オシオキと言ってこうやっておじさんのエアガンの的にされるんです。

“パアン、パアン”

お腹と足に弾が当たります。
でも、声を出したり動いたりしたらおじさんはもっと怒ります。
包丁で体を傷つけられたこともあります。
だから、わたしはじっと耐えるしかありません。

“カチ、カチ”

もう何時間そうしていたか。
おじさんのエアガンが止まりました。

「もういい!飽きた!ちゃんと片づけとけよ!」

そう言っておじさんはソファーにエアガンを放り投げると、階段を上がっていきました。

おじさんの部屋のドアが閉まる音がしても、しばらくは動けません。
しばらくして、おじさんのイビキが聞こえてくる頃には痛みも少しはマシになりました。
ようやくわたしは、首から提げられた穴だらけの的を取って、床に散らかったプラスチックの弾を拾い集めます。
そして、ビリビリに破れた服とパンツをゴミ箱に捨てたら、服のゴミ捨て場で拾ってきた新しい服を着ます。

全部終わると、やっとわたしは自分の荷物がおいてある縁側で、広げてある毛布にくるまるんです。


 縁側で横になりながら、わたしは空を見上げます。

「綺麗な星空……」

まるでわたしのことを慰めるみたいに綺麗な星空が広がっていました。

わたしは荷物の中にしまってあるペンダントを取り出しました。
お母さんと別れるときに渡してくれたものです。
一度おじさんに捨てられて、チェーンはもう残っていません。
ペンダントの中にはお父さんとお母さんとわたしの写真が入っています。

「お父さん……お母さん……」

急に眠くなってきました。
ペンダントをしまってもう寝ようと思ったそのとき、

“カサカサ……”

表で枯れ葉を踏む音がします。

「だ、誰……?」

わたしが外に目をやると、

「ハロー☆」

仮面を被った男の人が立っていました。
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