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〜始動〜
#1、死にながら生きる者と生きながら死んでいる者
しおりを挟む「アツい」彼女は肌に付いた液体にそう感じた。ここは大木に覆われた森の中(ハダタヤの森)だが、彼女が信じられるのは、嗅覚、触覚、味覚、聴覚であり今自分が何処に存在しているのか産まれて此の方、把握した事がない。「どうして恐れない?」と正体の解らない男に問われる。人間は恐怖に対してたくさんの表現があるが、彼女には無かった。
何かあったの?なんて無垢な表情で問われた男は大きく目を見開き数秒時が止まったが、すぐに我に帰り彼女の状態を察したのか、黙って左手に持っていた刀を彼女の首元へ当てた。そんな時、彼女は驚くべき事を言い放った。「僕の名前はゼロ。貴方の名前は?」男にとってまたしても未だかつて無い状況だった。男は刀を下ろした。男にとって数千年ぶりの純粋な優しさを感じたからだ。男にとって殺しは呼吸をするのと同じだったが、男には殺しの手順があったんだ。ゼロとは、髪型は酷い天然パーマの幼顔で丸目の可愛らしい女の子。
そんな時、遠くから人を呼ぶ幼いようで、でも大人を感じる声がした。「アルクー!やっと見つけた。死んでるコイツらの斬られた脱肉音ですぐ解ったから良かったよ。あれ?人間?ペットでも見つけたの?」とゼロを置いて会話を始めたが男(アルク)は無視を突き通した。
アルクとは、髪は毛先は朱の他は黒髪のストレート、眼はハッキリとした吊り目の無表情の男。後から来た男は自分をエルト・β・スデナーラスと自己紹介をゼロにした。エルトとは、髪はストレートで長さは顔を出して、横と後ろは首まで延びたアルビノで、大きな吊り眼の幼さのある男の子。エルトはゼロに、何故人間がこんな巨大樹の森に居るのか質問をしたが、ゼロには「解らない」この回答に尽きていた。
その会話をさておき、アルクはその場を立ち去ろうとしたが、それを見たエルトが「もう2度と目を離さないからね」と保証のない事を言ったが、やはり返答は無かった。
ゼロとエルトはアルクの後を付いて歩き始めた。
ゼロはエルトが自分に最初の質問以上に尋問してこない事に少し驚き、逆にゼロがエルトに質問をした。「どうして、エルトはアルクについて行くの?君達は一体何が目的で旅しているの?」エルトはゼロの自分が思っていた以上の饒舌ぶりに少し笑いながら親切に答えた。「僕達はこの世界をリセットする旅をしてるんだよ。もっと言うと僕はそう決断したアルクの行末が見たくて一緒に居るのが正解かな?」とそういうエルトもぶっ飛んだ事を言ってる事は承知だったが、ゼロは二つ返事でボソッと応援した。
ゼロとエルトはアルクに付いていき、森を抜けて近くの街へ赴いた。この街は、(ヒトムロ)といいこの大陸の最南端に位置する最初の関所。中世の街並みに少し現代のテクノロジーを足した様な街並みで街ではたくさんの屋台から宝石店や人材店(人売り)で賑わっていた。ゼロはその賑やかさに驚き、テンションはマックスだった。
エルトは人間が街でここまで喜んでいるのに驚きが隠せなかった。ゼロにとって見えない事は恐怖ではなく、最大の情熱が注がれた探究心でしかなかった。アルクが歩く通りのお店をほぼ回りながら街での観光を楽しんでいる中、エルトはゼロに何故その眼で自由に歩けるのか問うと、音の反射が自分に立体的な場所を教えてくれるとエルトに買ってもらった酒饅頭みたいな食べ物を口一杯に頬張りながら教えてくれた。エルトは深く頷き「君は幸せだね」と返事をした。ゼロはフッと知っている匂いが自分を通り過ぎて、離れていくのに気づいた。だか今のゼロにはそんなことよりこの街への興味が優り勝っていた。そんな時だった。
アルクは街の中心で立ち止まり、「ここか、、、」と言い肩甲骨から血を吹き出しながら朱い翼を広げ、髪は全て逆立ち、血を撒き散らかしながら上空へ羽ばたいた。付近の者達は騒がしくなり、その時、エルトは既にそれに気付いていたのか、ゼロの首根っこを掴み何かに対応する大勢に入っていた。
上空から地上を見下ろし、深く暗く醜く笑みを浮かべ、「死は常に突然だ。ここから零へ」と小さく声がけ、放射能以上の全ての毒が混ざり合った熱線を口から吐き出し、、、街は住民と共に朱く消滅した。
エルトはそれを知っていたのか、ゼロをバリアで守り、その後も身体をバリアで纏い生き延びていた。ゼロは大きな音に楽しさを感じていた。
その10秒後、2者と1人の前に暑苦しそうな顔と肉体の男が「石の神来れり」と、言い街の端から飛んで出て来た。
そう、この世界は神の世界。そして、善も悪も無い。只の、自然。生きる為には殺す世界だ。
石の神は自分を街の守護者と言い、名前を語ろうとしたがアルクは突発に殺しにかかる。それに硬化(自らの身体をゴツい石に変える)で避けずに防ぎ、その髪で鞭のようにアルクに叩き下ろし、モロにそれをくらったようにみえるが、アルクも自ら受け胸から臍まで切り傷ができ、血が吹き出る。が、、、アルクは笑いが止まらない。石の神は自分では気づかず、冷や汗を本能的にかいてしまった。だが、攻撃を止める事は無くアルクは徐々に身体の肉片が飛び散り、最終的には首を飛ばされ、身体は粉々になった。
が、、、急に熱風と共に、この地で死んだ者の血が一点に集まり始め辺りは熱で満ち、集まった血が何らかの形を形成する。その姿は尾が長く、獅子にも似ても似つかない立髪の朱雀(不死鳥)へと変神した。朱雀(不死鳥)へと変化をしたアルクは「命は今この時、生と死を同時に起こし、悪死は俺の魂を経由し冥界へと逝く。その痛みを世界に共鳴しよう。」朱雀(不死鳥)は口に朱黒の高エネルギーを溜め、石の神に放つ。石の神は、それを受けるが、徐々に熱で硬化した身体が溶け始める。判断を間違えた事に気付いた時には遅く、一瞬で消滅した。
アルクは徐々に元の姿に戻り、、、
「世界は美しい」と空を見上げた。
EP1 END
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