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入寮三日目、入学式を終えたシキは、寮へと戻って来た。すると、部屋には咲が居て、シキは眉をひそめる。
「何か用ですか?寮長?」
報告書の紙から目を離した咲は、シキをなだめるように、
「そう怒るなって、……朝岡チサさん?お前のお兄さん、弟は朝岡光?」
笑って、シキを座らせた。
「調べたんですか?」
「あぁ、まぁな、兄貴のチサさんスゲー薄幸美人だな」
報告書にある写真を見て、咲は言った。
「それが何か?」
「お前の大切な人ってこの人?」
チサの写る写真を見せて、シキを見ていると、
「だったら?」
怒ったシキの顔を見て、
「お前の……」
“ピリリッピリリッ”
咲が話そうとしていた途中で、シキの携帯が鳴る。咲が、
「出ろよ」
シキに促すと、シキは携帯の画面を見て、かけてきた相手を知り、画面を睨んだ。電話に出ると、相手は母で、
『シキ、光を見なかった?』
と聞いてきた。シキの顔が、段々険しくなると、咲は、何か電話相手にあるのかと、
(おやっ?)
そう思った。シキの眉間のシワが濃くなると、
「知りませんね。クラスが違うので」
冷たい声で言う、母は気にせずに、
『そう、入学式が終わったら、直ぐに逃げたから、帰ったら憶えてらっしゃい!』
そんな母の、心底どうでもいい話しに、シキは、
「見つけたら、帰るように言っておきます」
そう返し、母は、
『頼んだわ』
そう言って、電話は切れた。すると、咲が、
「スゲー眉間のシワ、そんなに嫌なのか?電話の相手?」
からかってきた。シキはため息を付き、
「そうですね。母に憎しみが無いといえば、嘘になります。基本的にうるさいのは苦手なので、母と弟の感情が激しいのは、あまり好きではありません」
そう言って、携帯を机の上に置いた。
「へぇ、母親が聞いたら、泣くぜ?」
咲が、シキに言った。しかし、シキは、
「興味ありません」
そう口にして、シキはキッチンに行き、お茶を淹れたカップを、咲に差し出すと、咲は少し驚いた様にシキを見て、差し出されたお茶を、
「サンキュ」
と言って、コップを受け取った。それを、一口飲んだ咲は、シキを見ると、シキはブレザーのネクタイを緩めて、ハァッとため息をつく。
「それで?寮長、貴方は何がしたいんですか?」
完全に寛いでいる咲は、コップを机の上に置くと、笑って、
「俺と付き合え」
と言ったが、シキは間髪入れずに、
「お断りします」
強い口調でそう言った。咲は、脅すように、
「へぇ、お兄さんがどうなっても……イテテッ!!」
言ったが、シキの逆鱗に触れて、手を捻られる。咲はシキを睨むと、
「痛いだろ!」
捻られた手を擦りながら言った。シキは真面目な顔で、
「兄さんに何かしたら、誰だろうと、容赦しない!わかったら、出て行って下さい!」
そう言って、シキは咲を自室から出した。外に出された咲は、
「イテッ……」
と言って、シキの部屋の扉を睨んだ。室内のしきは 、一時頃に昼食を食べて、二時から二時間程眠りに就いた。
「何か用ですか?寮長?」
報告書の紙から目を離した咲は、シキをなだめるように、
「そう怒るなって、……朝岡チサさん?お前のお兄さん、弟は朝岡光?」
笑って、シキを座らせた。
「調べたんですか?」
「あぁ、まぁな、兄貴のチサさんスゲー薄幸美人だな」
報告書にある写真を見て、咲は言った。
「それが何か?」
「お前の大切な人ってこの人?」
チサの写る写真を見せて、シキを見ていると、
「だったら?」
怒ったシキの顔を見て、
「お前の……」
“ピリリッピリリッ”
咲が話そうとしていた途中で、シキの携帯が鳴る。咲が、
「出ろよ」
シキに促すと、シキは携帯の画面を見て、かけてきた相手を知り、画面を睨んだ。電話に出ると、相手は母で、
『シキ、光を見なかった?』
と聞いてきた。シキの顔が、段々険しくなると、咲は、何か電話相手にあるのかと、
(おやっ?)
そう思った。シキの眉間のシワが濃くなると、
「知りませんね。クラスが違うので」
冷たい声で言う、母は気にせずに、
『そう、入学式が終わったら、直ぐに逃げたから、帰ったら憶えてらっしゃい!』
そんな母の、心底どうでもいい話しに、シキは、
「見つけたら、帰るように言っておきます」
そう返し、母は、
『頼んだわ』
そう言って、電話は切れた。すると、咲が、
「スゲー眉間のシワ、そんなに嫌なのか?電話の相手?」
からかってきた。シキはため息を付き、
「そうですね。母に憎しみが無いといえば、嘘になります。基本的にうるさいのは苦手なので、母と弟の感情が激しいのは、あまり好きではありません」
そう言って、携帯を机の上に置いた。
「へぇ、母親が聞いたら、泣くぜ?」
咲が、シキに言った。しかし、シキは、
「興味ありません」
そう口にして、シキはキッチンに行き、お茶を淹れたカップを、咲に差し出すと、咲は少し驚いた様にシキを見て、差し出されたお茶を、
「サンキュ」
と言って、コップを受け取った。それを、一口飲んだ咲は、シキを見ると、シキはブレザーのネクタイを緩めて、ハァッとため息をつく。
「それで?寮長、貴方は何がしたいんですか?」
完全に寛いでいる咲は、コップを机の上に置くと、笑って、
「俺と付き合え」
と言ったが、シキは間髪入れずに、
「お断りします」
強い口調でそう言った。咲は、脅すように、
「へぇ、お兄さんがどうなっても……イテテッ!!」
言ったが、シキの逆鱗に触れて、手を捻られる。咲はシキを睨むと、
「痛いだろ!」
捻られた手を擦りながら言った。シキは真面目な顔で、
「兄さんに何かしたら、誰だろうと、容赦しない!わかったら、出て行って下さい!」
そう言って、シキは咲を自室から出した。外に出された咲は、
「イテッ……」
と言って、シキの部屋の扉を睨んだ。室内のしきは 、一時頃に昼食を食べて、二時から二時間程眠りに就いた。
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