とある少女の日常 ー朝議薫子の場合ー

如月圭

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 次の日、新しい上履きを持って、学校に登校すると、下駄箱には、何もされておらず、私は安堵した。靴を入れて、上履きをはき、Aクラスへと行くと、教室の中では、登校したクラスメイトが、私の席の周りで、ヒソヒソと喋っていた。

 「これ、誰がやったんだろ?」

 「またギャルの子?」

 「これってさぁ、やっぱりイジメ?ギャルだから、嫌がらせされてんじゃねーの?」

 「コレは、やっちゃダメなやつ?」

 「わかんない」

 そう喋っているのを聞きながら、私は、

 「何してるの?」

 と聞いた。クラスメイトは気不味そうに、私に何も言わず、私の席から散っていった。すると、見えたのは、私の机の上に、菊の花が入った花瓶があった。それを見て、一瞬で何が言いたいのかわかり、頭に血が上る。

 「私に、死ねって言いたいの?」

 怒りのまま、花瓶に入った菊の花を取り、それをゴミ箱へ捨てると、花瓶は教卓の上に置いた。私は、

 (誰だろう?誰がこんなことするのよ!)

 そう考えていた。すると周りが、

 「何も花に罪はないだろ?捨てることないじゃん」

 「そうそう、ギャルさん、Aクラスに、君はふさわしくないよ」

 等の小さな声が嗤いに変わる。私は、キッと睨んで、

 「言いたいことがあるなら、ハッキリ、聞こえる様に言いなよ!」

 と周りに叫ぶと、クラス中の視線が私に向く。すると、

 「馬鹿ギャルのくせに、Aクラスに入るなよ!どうせ、マグレだろ?」

 とその男子生徒は言った。

 「そうよ!アンタが居ると、クラスが馬鹿になる!」

 そう、女子生徒は言い、私は、

 「実力で、ここに居るの!何か文句でもあるの?」

 と言い返した。すると、周囲はし~んとした、私は、その場空気に耐えきれずに、クラスを飛び出した。

 廊下に出ると、マドカが、歩いていて、私に気づき、こちらへ来た。

 「薫子、おはよう、どったの?その顔?」

 泣きそうな顔をした私を見て、そう言った。私は、

 「マドカ、おはよう、……うん、私の机の上に菊の花が置いてあってさ」

 「そうなんだ、酷いことする奴もいるもんだね。元気だしなよ、薫子」

 私を慰めてくれた、マドカに、

 「うん、ありがとう、マドカ」

 お礼を言い、マドカに力を貰うと、マドカは、

 「じゃあ、私、クラスに戻るから、何かあったら、言いなよ?」

 「うん、ありがとう」

 という会話をして、マドカはCクラスに戻って行った。私は、クラスに戻ると、クラスメイトの視線を感じながら、自分の席に座り、本を、読みながら、

 (本当に誰なの?)

 そう思っていた。


 その日の放課後、トイレの個室に入ると、上から水を被って、顔と髪の毛、制服が濡れた。

 (誰だ!)

 と思って、トイレの個室のドアを開けても、誰も居らず、びしょ濡れのまま、どうしようかと考えた。私は、

 (とりあえず、保健室だ)

 と思い、中央校舎の保健室を目指して、歩き始めた。ずぶ濡れの私を見て、嗤っている人も居たが、私は、とりあえず、人が通らない様な通路を通って、保健室に行くと、保健室の先生に、

 「どうしたの?その格好?」

 と大層驚かれた。

 私は、

「ちょっと、事故で……」

 困った様に、笑いながら、事実を誤魔化した。先生は、保健室にあった、体操服を私に渡した。私は、それに着替えると、ドライヤーを借りて、髪を乾かし、濡れた制服をビニール袋に入れた。先生にお礼を言うと、私は、保健室を後にした。この事が、同じ敷地に居る、高等部二年の姉と、中等部一年の妹に、知られないように、そそくさと私は、学校から出て行った。

 家に着くと、母には、

 「事故で、水を被った」

 と言い、制服をクリーニングに出してもらうと、私は、自分の部屋に行った。

 日舞の稽古の準備をして、一階に降りると、稽古場に行った。すると、弟子の青木さんの姿があった。

 「これは、薫子さん、家元なら、もうすぐ、いらっしゃいますよ」

 と声をかけかけられた。私は、

 「はい、わかりました。有難うございます!青木さん」

 と言って、稽古場に父が来るのを待っていると、姉と夕子さんが来た。私が、

 「お姉ちゃんと夕子さんも稽古?」

 そう二人に聞くと、夕子さんが、

 「そうよ!そういえば、薫子、さっき体操服で帰ってきてたけど、制服はどうしたのよ?」

 と聞き返してきたので、ドキリッとしながら、視線を、夕子さんから、泳がせて、

「うん、ちょっとね」

 と答えた。

 姉も、心配そうな顔で、

「制服がびしょ濡れだったって、お母さんが言ってたけれど、何かあったの?」

 と言ってきた。私は苦笑しつつ、

 「ううん、ちょっとした事故でさ……」

 と返した。姉が、

 「事故って?」

 と突っ込んで聞いてきたので、私は、

 「うん、バケツの水が二階から降ってきてさ、調度、私が外を歩いている時に……。だから、運が悪かっただけ」

 事実を誤魔化した。姉は納得したのか、

 「そう、それなら良いけれど」

 と言い、夕子さんも、

 「そうね、事故なら、仕方ないわよ」

 と言った。すると調度、父が来たので、稽古にはいった。 姉は、祖母から厳しい指導が入ったが、夕子さんが祖母に、口で、文句を言っていた。今日は、どうやら、部活は、なかったようで、二人は、学校が終わるとすぐに帰っていたようだった。

 二時間程、稽古をつけてもらい、汗を流しに、お風呂場へ行って、シャワーを浴びて、汗を流すと、服に着替えて、夕食を家族でとり、自分の部屋でゆっくりして、私の騒がしい、一日は終わった。
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