とあるΩ達の試練

如月圭

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 お昼を終えて、カフェから出ると、司がオメガクラスまで送るという。クレハは必死に遠慮して、司が拗ねる。清春と真のイチャイチャぶりを見ていたクレハは、

 「本当に一人で大丈夫です!」

 「クレハ、そんなに俺が嫌か?」

 「嫌とかでわなく、周囲の目が気になるんです!」

 「周囲なんざ気にするな!」

 気にするなと言われても気になるクレハは、司に、

 「司くんはご自分がどれだけ影響力を持っているのか、知っていますか?」

 「女共のことか?」

 「はい、僕は静かに暮らしたいんです。だから、大丈夫です一人で、では、僕は……」

 「クレハ、そんなに俺が嫌なら、俺は此処から動かない事にする。クレハが送らせないなら、俺はずっと此処で一人だ。どうしたらいい?クレハ」

 捨てられた様に暗く沈む司に、クレハは大層困った顔をした。司はそこから一歩も動かすに居て、捨てられた大型犬のようにクレハを見つめた。

 クレハの理性は、これ以上近寄るのは危険だと警報を鳴らしている。けれど、本能は、この人を一人にしては駄目だと心が言っている。クレハは、理性と本能を天秤にかけて、脳内で悩む……、こと二分、結局、理性よりも本能が勝り、司の手を取った。

 すると、司はニヤリッと笑い、クレハの腰に手を当て、エスコートする様にオメガクラスまでの道のりを帝王然とした態度でクレハを送り届けた。相変わらず、薔薇のいい匂いがした。


 クレハは、送ってくれた司に、

 「ありがとうございました。司君」

 笑顔を貼り付けた顔で言うと、司は、

 「クレハ、俺からどんな香りがする?」

 唐突に聞いた。クレハは、

 「いつも薔薇のいい匂いがしますよ」

 「クレハは柑橘系の香りがするな」

 「?僕は香水なんて、つけていませんよ?」

 「俺もだ。……この答えがわかるか?」

 「答えとは?……何でしょう?」

 鈍いクレハに、司は苦笑して、

 「俺の運命の番はクレハ、お前だ」

 「えっ?……まさか!……本当に?」

 慌てるクレハに、司は、

 「俺は、お前を初めて見た時から、わかっていた。四カ月アプローチしたが、クレハは鈍感だとわかって、神宮寺に借りを作って、今だ。俺から逃げられると思うなよ!クレハ、一生分デロデロに甘やかせてやる!覚悟しとけ」

 目を細めてそう言った。クレハは目が点になり、

 「えっ?」

 と表情が固まる。周囲に居たオメガクラスの女子達はキャアキャア言っていた。

 司の運命の番が、クレハだということが、放課後には、全生徒の耳に入った。

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