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11.ケットシーの押し売り
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少し家でくつろいでいると、外から俺を呼ぶリザードマンの声が聞こえてきた。
「リザーク、いるかー!?」
「ああ、今行く!」
俺は武器、防具などの装備を身につけてから、外へ出る。
今度は先程の池で狩りをしたメンバーとは別のリザードマン三人が家の前に集まっていた。
「準備は大丈夫そうだな。さすがはレッドベアを倒したリザークだ」
「俺、言っとくけど、お前達がどう狩りをしているのか知らないから、そこの所はしっかり教えてくれよ?」
「もちろん、そのつもりだ。安心してくれ。それじゃ、行くぞ!」
あまり俺の言うことを聞いてなさそうな感じでさっさとどこかへ移動していくリザードマン達。
……本当に分かっているのかな、コイツら?
俺、こうやって狩りをするのは初めてなんだが、明らかに狩り初心者に対する対応じゃないんだよな、これ。
特に心配なのは、リザードマン達が俺の実力を過剰評価している所だ。
俺がクロコダイルやレッドベアを倒したというのは事実だが、それはあくまでスライムとしての能力を使っての話。
リザードマンとしての能力だけを使った俺といえば、多分巨大カマキリとかの動物相手にさえ、一回も勝ったことはないんじゃないか。
そして、俺の心配は的中した。
巨大クマに遭遇し、リザードマン達が三人がかりでも、なんか徐々に押されているような戦況になっている。
俺も一応戦いに参加するのだが、リザードマンとして戦闘慣れしていないからか、まともに剣を振っても当たらないし、相手の攻撃にモロに当たるのだ。
この感じじゃ、明らかにマズい。
他の三人とも戦況が悪いことは認識しているみたいで、明らかに俺の方をチラチラ見てきている。
ついには「そろそろ本気出していいんだぞ?」的な事をぼそぼそつぶやく始末。
ああ、分かったよ。
やればいいんだろ!?
どこで誰が見ているかも分からないし、極力スライム形態になるのは避けたかったのだが、背に腹は変えられまい。
俺は、右腕から触手を出し、巨大クマの身動きを封じる。
それから俺達四人がかりで巨大クマに一方的な攻撃を仕掛け、勝利。
「……さすがはリザーク! 頼りになるぜ!」
そんな感じの言葉を言って、俺を持ち上げる三人。
だけど、俺はそんな三人に釘をさすことにした。
「勝てて良かったな。だけど、お前達に言っておく事がある」
「……ん、どうしたんだ、リザーク?」
「俺がこうやってスライムとしての力を使えば使うほど、俺はお前達とそう遠くないうちに一緒にいられなくなる可能性が高い」
「えっ、どういうことだよ?」
俺の言葉を聞いて、首をかしげる三人。
やっぱり分かってなかったのか、コイツら。
まあ、そうだろうとは思っていたけどさ。
俺は、自分が考えている懸念について三人に説明した。
俺がいかに他種族にとって危険な存在であるかということ。
それ故に、俺がスライムだと他の種族にバレれば、その種族が俺を討伐しにくるであろうこと。
そして俺はその危険を感じたら、迷惑をかけないために、リザードマンの村から出て行くつもりであることを伝えたのだ。
……まあ、既に何度かスライム形態にはなってるし、今さら気にしても手遅れの可能性も十分あるんだけど。
それはあえて伝えないことにした。
「リザークと一緒にいられなくなるのは嫌だな……。どうすれば良い?」
「別に単純な話だ。バレにくい方法で力を使えば良い。例えばちょっとしたケガを治すのは、手で治療箇所を隠せば、問題なくできるしな」
「そうか……分かった。それなら、戦闘は基本的にオレ達がやる。リザークはそのサポートをしてもらっても良いか?」
「ああ、そうしてもらえたら俺としても嬉しい」
俺が話した内容を三人ともしっかり理解してくれたようだ。
それからは、三人が前線に立って戦う形で狩りを進んでいく。
ただ、俺もやるべき事はやる。
三人のリザードマンの獲物入れを借りて、それを全部俺が背負うことにしたのだ。
というのも、獲物入れに獲物を入れた後、こっそり獲物入れの中で「格納」の力を発動させれば、誰にも見られずに能力を発揮できるからな。
「格納」の力を使えば、どんなものでも重さを感じないし、大量に獲物を狩っても、全て俺の体に吸い込まれていくので、全く重くない。
その仕組みをリザードマンの三人に話すと、とてもありがたがってくれて、喜んで獲物入れを貸してくれた。
普通背負うはずの荷物がなく、身軽な格好で狩りができるからか、いつもよりも早いペースで狩りに成功できるし、敵わない相手にはいち早く逃走ができるようになったのだとか。
ある程度狩ったら村に戻るということもする必要もないし、少しケガをしても俺が治してしまうから、余計な移動もなくなったのも大きいらしい。
直接戦闘には貢献できていないが、狩りの成果をあげるという事に貢献できているみたいで実に良かったな。
十分な狩りの成果をあげたことで、意気揚々と村へと戻っていく俺達。
すると、リザードマンの人だかりができていることに気がつく。
一体どうしたんだろうか?
「……あの感じは、もうケットシーがやってきたみたいだな」
「ケットシー?」
「ああ。多分、オレ達がレッドベアに襲われて、大きな被害にあって、食料とかに困っていると思ったんだろう」
「なるほどな。それだけ聞くと、良いヤツに聞こえてくるが……多分そうじゃないんだよな?」
「ご明察だ。そいつらはオレ達が食料不足になっているだろうということで、高値で食料を売りつけてくるんだよ、いつも。多分、今回もそうなんじゃないかな。リザークのおかげで、今回オレ達の被害はあまりなかったけどさ」
ヘヘッと嬉しそうにするリザードマン。
というか、あんなに大勢のケガ人を出したにも関わらず、それでも被害があまりないという表現になるのか。
一体、普通に被害があった場合はどれだけ深刻な被害が出ていたんだろう?
想像もしたくないな……。
「ふふ、ケットシー様が飢えたお前らに貴重な食料を持ってきたニャ! 牛肉100g10000デル、早い者勝ちだニャ!」
「……食料かぁ。うちは間に合ってるんだよなぁ」
「うーん、うちは困ってないわね」
「あいにく、おれ達も困ってないんだよなぁ」
どうやらリザードマン達の反応はあまり良くないらしい。
レッドベアの被害が家まで及ばなかったからか、みんな食料には困っていないようだ。
ケットシーは、リザードマンから見せる反応に不満げな様子で、ついにはいら立ち始める。
「……お前達がいるかいらないかは関係ないニャ。とにかく、この牛肉を買うのニャ! さもないと、どうなるかは分かってるニャ?」
にやりと笑みを浮かべ、そっと懐から銀色の球をちらりと見せるケットシー。
すると、ひぃぃ!?と後ずさりするリザードマン達。
そして、リザードマン達は話し合って、少しずつお金を出し合って、ケットシーにお金を渡すのだった。
「……確かに受け取ったニャ。せいぜい、ありがたく食べるといいニャ。ケットシー様のありがたーいお肉だニャ。お残しは許さないからニャ!?」
ぷんぷんと怒った態度をとりながら、ケットシーはリザードマンの村から出ていく。
その場に残されたリザードマン達は、はぁとため息をついていた。
……あの様子だと、脅されていらない牛肉を押し売りされた感じだよな。
少し話しかけてみるか。
「……お前達、大丈夫か?」
「あぁ、リザーク。おれ達は大丈夫。なに、ケットシーが押し売りしてくるいつものヤツだ。どうってことないよ」
そう言うと、苦笑いを浮かべるリザードマン達。
どうってことないとは言ってはいるが、やっぱり困っているには間違いないようだな。
「あっ、そういえばリザーク。先程ケットシー達から買った牛肉、いるかい? まだリザークにお礼できてないし、おれ達からのお礼ってことにするのはどうかな、みんな?」
一人のリザードマンがそう言うと、周りのリザードマンは「それは良い考えだな!」「欲しい人にあげる方が良いもんな!」と賛同の声をあげている。
だが、残念ながら、あいにく俺は先ほど大量に肉を狩ったばかりなので。
「俺、ついさっき狩りから帰ってきたばかりなんだよ。この通りな」
俺が獲物入れに手をつっこみ、獲物を一部ちらりと見せてみる。
すると、リザードマン達ははぁとため息をついた。
「リザークも肉には間に合っているのか、分かった。リザークには別の形でお礼をすることにするよ。……この牛肉、どうしようかな?」
俺が牛肉はいらないことを察したリザードマン達は、あっさりと引き下がり、どう牛肉を処分するかを話し合い始めた。
……せっかくの食料だし、処分方法に悩むくらいだったら、俺がもらっておこうかな。
俺の「格納」能力は、どうやら物の劣化を防ぐ作用が働いているようで、狩った獲物の鮮度が全く落ちていなそうだったからな。
牛肉も格納しておいて、必要な時に取り出せる俺がもらっておいた方が、後々役に立つだろう。
「処分に悩んでいるなら、俺がもらっても良いか?」
「……えっ、もらってくれるのかい? リザーク? でも、狩りに行ったばかりなんじゃ?」
「使い道はあるからな。いただけるなら、有効に活用させてもらおうと思っている。別に困ることはない」
「おお、そうなのか! なら、リザークにあげよう! それで良いよな、みんな!」
うんうんとうなずくリザードマン達。
そして、あっさりと牛肉が俺の手に渡される。
渡された牛肉は獲物入れに一回入れた後、そのまま「格納」の力を使って、俺の体の中に収納した。
俺に牛肉を渡したことで、リザードマン達は一件落着といった雰囲気になっている。
だけど、俺はそんなリザードマン達に疑問を投げかけた。
「ちょっと聞きたいんだが。みんなは、さっきのようなケットシーの押し売りをなんであっさり受け入れるんだ? この牛肉だって、本当はいらなかったんだろ?」
「……ああ、リザークは知らないんだね。分かった。ちょっと長くなるけど、聞いてもらっても良いかな?」
そう言って神妙な面持ちになるリザードマン。
俺が黙ってこくんとうなずくと、一呼吸おいてから、俺に事情を話し始めた。
「リザーク、いるかー!?」
「ああ、今行く!」
俺は武器、防具などの装備を身につけてから、外へ出る。
今度は先程の池で狩りをしたメンバーとは別のリザードマン三人が家の前に集まっていた。
「準備は大丈夫そうだな。さすがはレッドベアを倒したリザークだ」
「俺、言っとくけど、お前達がどう狩りをしているのか知らないから、そこの所はしっかり教えてくれよ?」
「もちろん、そのつもりだ。安心してくれ。それじゃ、行くぞ!」
あまり俺の言うことを聞いてなさそうな感じでさっさとどこかへ移動していくリザードマン達。
……本当に分かっているのかな、コイツら?
俺、こうやって狩りをするのは初めてなんだが、明らかに狩り初心者に対する対応じゃないんだよな、これ。
特に心配なのは、リザードマン達が俺の実力を過剰評価している所だ。
俺がクロコダイルやレッドベアを倒したというのは事実だが、それはあくまでスライムとしての能力を使っての話。
リザードマンとしての能力だけを使った俺といえば、多分巨大カマキリとかの動物相手にさえ、一回も勝ったことはないんじゃないか。
そして、俺の心配は的中した。
巨大クマに遭遇し、リザードマン達が三人がかりでも、なんか徐々に押されているような戦況になっている。
俺も一応戦いに参加するのだが、リザードマンとして戦闘慣れしていないからか、まともに剣を振っても当たらないし、相手の攻撃にモロに当たるのだ。
この感じじゃ、明らかにマズい。
他の三人とも戦況が悪いことは認識しているみたいで、明らかに俺の方をチラチラ見てきている。
ついには「そろそろ本気出していいんだぞ?」的な事をぼそぼそつぶやく始末。
ああ、分かったよ。
やればいいんだろ!?
どこで誰が見ているかも分からないし、極力スライム形態になるのは避けたかったのだが、背に腹は変えられまい。
俺は、右腕から触手を出し、巨大クマの身動きを封じる。
それから俺達四人がかりで巨大クマに一方的な攻撃を仕掛け、勝利。
「……さすがはリザーク! 頼りになるぜ!」
そんな感じの言葉を言って、俺を持ち上げる三人。
だけど、俺はそんな三人に釘をさすことにした。
「勝てて良かったな。だけど、お前達に言っておく事がある」
「……ん、どうしたんだ、リザーク?」
「俺がこうやってスライムとしての力を使えば使うほど、俺はお前達とそう遠くないうちに一緒にいられなくなる可能性が高い」
「えっ、どういうことだよ?」
俺の言葉を聞いて、首をかしげる三人。
やっぱり分かってなかったのか、コイツら。
まあ、そうだろうとは思っていたけどさ。
俺は、自分が考えている懸念について三人に説明した。
俺がいかに他種族にとって危険な存在であるかということ。
それ故に、俺がスライムだと他の種族にバレれば、その種族が俺を討伐しにくるであろうこと。
そして俺はその危険を感じたら、迷惑をかけないために、リザードマンの村から出て行くつもりであることを伝えたのだ。
……まあ、既に何度かスライム形態にはなってるし、今さら気にしても手遅れの可能性も十分あるんだけど。
それはあえて伝えないことにした。
「リザークと一緒にいられなくなるのは嫌だな……。どうすれば良い?」
「別に単純な話だ。バレにくい方法で力を使えば良い。例えばちょっとしたケガを治すのは、手で治療箇所を隠せば、問題なくできるしな」
「そうか……分かった。それなら、戦闘は基本的にオレ達がやる。リザークはそのサポートをしてもらっても良いか?」
「ああ、そうしてもらえたら俺としても嬉しい」
俺が話した内容を三人ともしっかり理解してくれたようだ。
それからは、三人が前線に立って戦う形で狩りを進んでいく。
ただ、俺もやるべき事はやる。
三人のリザードマンの獲物入れを借りて、それを全部俺が背負うことにしたのだ。
というのも、獲物入れに獲物を入れた後、こっそり獲物入れの中で「格納」の力を発動させれば、誰にも見られずに能力を発揮できるからな。
「格納」の力を使えば、どんなものでも重さを感じないし、大量に獲物を狩っても、全て俺の体に吸い込まれていくので、全く重くない。
その仕組みをリザードマンの三人に話すと、とてもありがたがってくれて、喜んで獲物入れを貸してくれた。
普通背負うはずの荷物がなく、身軽な格好で狩りができるからか、いつもよりも早いペースで狩りに成功できるし、敵わない相手にはいち早く逃走ができるようになったのだとか。
ある程度狩ったら村に戻るということもする必要もないし、少しケガをしても俺が治してしまうから、余計な移動もなくなったのも大きいらしい。
直接戦闘には貢献できていないが、狩りの成果をあげるという事に貢献できているみたいで実に良かったな。
十分な狩りの成果をあげたことで、意気揚々と村へと戻っていく俺達。
すると、リザードマンの人だかりができていることに気がつく。
一体どうしたんだろうか?
「……あの感じは、もうケットシーがやってきたみたいだな」
「ケットシー?」
「ああ。多分、オレ達がレッドベアに襲われて、大きな被害にあって、食料とかに困っていると思ったんだろう」
「なるほどな。それだけ聞くと、良いヤツに聞こえてくるが……多分そうじゃないんだよな?」
「ご明察だ。そいつらはオレ達が食料不足になっているだろうということで、高値で食料を売りつけてくるんだよ、いつも。多分、今回もそうなんじゃないかな。リザークのおかげで、今回オレ達の被害はあまりなかったけどさ」
ヘヘッと嬉しそうにするリザードマン。
というか、あんなに大勢のケガ人を出したにも関わらず、それでも被害があまりないという表現になるのか。
一体、普通に被害があった場合はどれだけ深刻な被害が出ていたんだろう?
想像もしたくないな……。
「ふふ、ケットシー様が飢えたお前らに貴重な食料を持ってきたニャ! 牛肉100g10000デル、早い者勝ちだニャ!」
「……食料かぁ。うちは間に合ってるんだよなぁ」
「うーん、うちは困ってないわね」
「あいにく、おれ達も困ってないんだよなぁ」
どうやらリザードマン達の反応はあまり良くないらしい。
レッドベアの被害が家まで及ばなかったからか、みんな食料には困っていないようだ。
ケットシーは、リザードマンから見せる反応に不満げな様子で、ついにはいら立ち始める。
「……お前達がいるかいらないかは関係ないニャ。とにかく、この牛肉を買うのニャ! さもないと、どうなるかは分かってるニャ?」
にやりと笑みを浮かべ、そっと懐から銀色の球をちらりと見せるケットシー。
すると、ひぃぃ!?と後ずさりするリザードマン達。
そして、リザードマン達は話し合って、少しずつお金を出し合って、ケットシーにお金を渡すのだった。
「……確かに受け取ったニャ。せいぜい、ありがたく食べるといいニャ。ケットシー様のありがたーいお肉だニャ。お残しは許さないからニャ!?」
ぷんぷんと怒った態度をとりながら、ケットシーはリザードマンの村から出ていく。
その場に残されたリザードマン達は、はぁとため息をついていた。
……あの様子だと、脅されていらない牛肉を押し売りされた感じだよな。
少し話しかけてみるか。
「……お前達、大丈夫か?」
「あぁ、リザーク。おれ達は大丈夫。なに、ケットシーが押し売りしてくるいつものヤツだ。どうってことないよ」
そう言うと、苦笑いを浮かべるリザードマン達。
どうってことないとは言ってはいるが、やっぱり困っているには間違いないようだな。
「あっ、そういえばリザーク。先程ケットシー達から買った牛肉、いるかい? まだリザークにお礼できてないし、おれ達からのお礼ってことにするのはどうかな、みんな?」
一人のリザードマンがそう言うと、周りのリザードマンは「それは良い考えだな!」「欲しい人にあげる方が良いもんな!」と賛同の声をあげている。
だが、残念ながら、あいにく俺は先ほど大量に肉を狩ったばかりなので。
「俺、ついさっき狩りから帰ってきたばかりなんだよ。この通りな」
俺が獲物入れに手をつっこみ、獲物を一部ちらりと見せてみる。
すると、リザードマン達ははぁとため息をついた。
「リザークも肉には間に合っているのか、分かった。リザークには別の形でお礼をすることにするよ。……この牛肉、どうしようかな?」
俺が牛肉はいらないことを察したリザードマン達は、あっさりと引き下がり、どう牛肉を処分するかを話し合い始めた。
……せっかくの食料だし、処分方法に悩むくらいだったら、俺がもらっておこうかな。
俺の「格納」能力は、どうやら物の劣化を防ぐ作用が働いているようで、狩った獲物の鮮度が全く落ちていなそうだったからな。
牛肉も格納しておいて、必要な時に取り出せる俺がもらっておいた方が、後々役に立つだろう。
「処分に悩んでいるなら、俺がもらっても良いか?」
「……えっ、もらってくれるのかい? リザーク? でも、狩りに行ったばかりなんじゃ?」
「使い道はあるからな。いただけるなら、有効に活用させてもらおうと思っている。別に困ることはない」
「おお、そうなのか! なら、リザークにあげよう! それで良いよな、みんな!」
うんうんとうなずくリザードマン達。
そして、あっさりと牛肉が俺の手に渡される。
渡された牛肉は獲物入れに一回入れた後、そのまま「格納」の力を使って、俺の体の中に収納した。
俺に牛肉を渡したことで、リザードマン達は一件落着といった雰囲気になっている。
だけど、俺はそんなリザードマン達に疑問を投げかけた。
「ちょっと聞きたいんだが。みんなは、さっきのようなケットシーの押し売りをなんであっさり受け入れるんだ? この牛肉だって、本当はいらなかったんだろ?」
「……ああ、リザークは知らないんだね。分かった。ちょっと長くなるけど、聞いてもらっても良いかな?」
そう言って神妙な面持ちになるリザードマン。
俺が黙ってこくんとうなずくと、一呼吸おいてから、俺に事情を話し始めた。
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