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弐条会コンビネーション
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雲行きが怪しくなったのは、とある高級ブランド店に入ってからだ。可愛らしい小物やアクセサリーを扱うその店で今日から発売する予定だった時計があったらしいが、午前中で売り切れてしまったらしい。
それで羽魅がすっかりへそを曲げてしまった。
『あれが一番欲しかったのに!』
『…だったら早く来てれば良かっただろ』
そりゃそうだ。
店の前にある椅子に座ってスマホを弄りながら待機中。そこにいてもハッキリと声が聞こえるんだから凄いものだ。
『あ。これか』
店の近くにポスターがあった。下の方に販売時期があり、今日は先行販売日で後は随分と前に締め切った予約販売のみらしい。
で。本人はその予約を忘れたから今日、此処まで買いに来たってわけだ。
『今日も遅れて来て予約も忘れたんなら、お前の落ち度だろ。諦めな』
『っどうしてそんな酷いこと言うの? 僕だけが悪いわけじゃないのに…』
よっぽど欲しかったらしい。馬美が店員さんにどうにかならないか聞いているが、他の店でも完売しているらしい。
グズる羽魅にうんざりした様子のボスは買った品々を指差して言う。
『なら選べ。今まで買ったモン全部諦めてその時計を探して買うか、時計は諦めるかだ』
『どうして?! 時計だって買えるんなら全部買ってくれたら良いじゃないか!』
『…はぁ。必要経費、って知ってるか? なんでもかんでも言えば手に入るなんて甘ェことはしねェぞ』
それでも時計は買ってくれる辺り、普通に甘いんじゃないかと溜め息を漏らしつつ膝に肘を置く。野次馬のように二人を眺めていれば胸が痛んで仕方ない。
…ふんだ。そうやって何でも買い与えるから問題発生するんだぞ、この色男が…。
『で? いつまで言い争ってんの、あの人ら…』
スマホで全体に問題発生、と呼び掛けている間にも二人のやり取りはヒートアップ。喧嘩するほど~…みたいな可愛いレベルは多分もう過ぎてる。
おいおい…これ以上の問題は捌き切れないって。
『なんでそんな意地悪言うの?! 信じられないっ、酷過ぎる!』
『…意地悪? テメェの方がよっぽどだろ。アレも欲しいコレも欲しい、ソレがないなら許せねェ? 手に負えねェな』
今まで羽魅に対して特に何を言うでもなかったボスが、初めて言葉を返した。言い方は冷たいし相手に少し落ち度があるから仕方ないが、ボスが初めて彼に向き合って言った言葉だ。
だけど、彼はそれが心底許せなかったらしい。
『っ~、何さ! 一人じゃ何も出来ないくせに! 僕がいなきゃアンタの夢は叶わないんだから!!』
そう吐き捨てて走り去る羽魅に現場は若干の混乱が起こる。早急に別プランを思い出して自分の持ち場である羽魅の元へ走る。
もしも二人が別れて行動する際、犬飼と刃斬はボスの方。俺と双子は羽魅の護衛と決めてある。因みに今回、猿石と覚はお留守番だ。
『追い付かないなぁ。よっと』
鞄を背負い直して階段を飛び降り、ショートカットをしてバレないように羽魅の元へ走る。未だ不審者の情報がないとは言え、一人にするのは良くない。
彼は一階の隅にある、比較的不便とされる遠くのトイレへと駆け込んでいたらしい。すぐに追い付くと、多目的トイレの鍵が掛かっているのが見えてもしや、と耳を傾ける。
『…なんか、喋ってる…』
まさか暴漢かと思ったが、その声はどちらかと言うと恐怖ではなく怒気を孕んでいる。しかも羽魅の声しか聞こえない。
…怒ると叫ぶタイプかな。
事件性はないと踏んで隠れてトイレの出入口を見張る。すると、暫くして出て来た羽魅はスマホを操作しながら出て来て…眉間には物凄い皺が寄っていた。
『馬美! 早く来て、此処から逃げるから』
電話が繋がったようで開口一番にそう叫ぶ羽魅の言葉に疑問が浮かぶ。
逃げる? …一体、誰から?
そう思った瞬間、施設に鳴り響く非常ベルの独特な音。誰もが動きを止めて動揺だけが広がる中、不意に誰かが言った火事という言葉にパニックが広がって次々と人が走り出す。
…いや、煙の匂いも何かが焼けるような匂いもしない。それにこのタイミングなら火事より…。
【宋平。今どこだ】
『一階の東、一番端にある男子トイレの近くです。対象を発見後に馬美と合流して退避しました。そちらに戻りますか?』
【…ああ。気を付けろよ、連中のお出ましだ。自分の身とボスを護る、それだけを考えろ】
刃斬からの通話を切るとすぐに走り出す。群衆がパニックになりながら、なんとか施設の人々によって退避が始まる中、その波に逆らうように駆け出す。
どうやら完全に客に紛れて潜伏していたようで、次々と目の色を変えて走り出す見慣れない連中がいる。
『うげー。結構いるじゃん、早くボスんとこ行こっと』
ボスの近くには刃斬と犬飼がいるだろうし、双子も何処かにいる。この騒ぎでは外に待機していた構成員たちが入るまで時間も掛かるだろう。
『宋平ちゃーん。プランDで行くからネー』
『はーい!』
上から聞こえた言葉に返事をしてから、すっかり人のいなくなった二階に辿り着く。すぐ近くにはあの高級ブランド店に籠城する三人がいるだろう。マスクに刻まれた弐条会の代紋に気付いた連中が動揺しつつも声を上げる。
『ガキだと…?! こっちはこんなガキを引き連れてんのか、相当な人手不足だな!!』
汚い金髪をした男の威嚇フェロモンをバランサーで相殺すると、唖然とした隙だらけの男に持っていた缶ジュースを投げ付けて倒す。どうやら倒れた時の打ち所が悪かったようで、立ち上がらない。
それから走り回って敵を集め、如何にも疲れましたという雰囲気を出しつつ中央の吹き抜けを囲うようにあるガラスの柵に背中を預けて身体を縮ませる。
ジリジリと迫る連中に今だ、と手を叩く。
『おお!! 大収穫だヨ~!』
『なっ?! う、魚神きょうだ、ぐあっ!!』
まるで動物のように上から降って来た白澄が柵に乗り、そのまま俺を飛び越えて集まった敵を一掃する。
これぞ作戦D【大体全部双子に任せよう】の、Dである。
いや、作戦勝ちだな素晴らしい。俺ただの餌みたいだけど…。
『ナメやがって…!!』
拳銃を取り出して白澄を狙う男に近くの店からハンガーを拝借して投げ付ける。思いの外よく飛ぶハンガーが何個か当たって狙撃の邪魔をすると、そのまま店の中に飛んで隠れた。
激昂して銃をこちらに向ける男だが、その時には既に白澄がお仲間を抱えて投げ飛ばし、銃を構えた男に思いっきりぶつけていた。
『威嚇出すヨ、気を付けろヨ~』
『俺は平気』
ヒョコっとマネキンの下から顔を出すと白澄と黒河の上位アルファの威嚇フェロモンが同時に溢れ、堪らず連中の動きが鈍る。
…ってことは、結構なアルファで固めてる上になんか薬でもやってんな。
『合図したら作戦Dね!』
『あいヨ~。いってら』
アルファがアルファの対策をする為に薬に手を出したなら、その効果は一時的に相手のアルファを上回るというドーピングだ。
やったことはないが、バランサーはそういう不正を正す力もある。やってみよう。
『…あー、多分こう!』
パッと目を開くと周囲に集まりつつあった連中がピタリと止まると、徐々に具合が悪そうに真っ青な顔になっていく。
大きな力を得た後は、それなりの代償がいるもんだ。
『今やってー!』
合図を送ると再び双子の威嚇フェロモンが溢れ、今度こそ直撃のそれに次々と敵が倒れる。なんなら副作用のせいで普通に受けるよりも大ダメージだろう。
階段の踊り場に取り残された俺は、倒れた敵を避けながらえっちらおっちら階段を登る。
はぁ。疲れた…。
『あは! ねぇ、最高だヨ! お前はなんでそんなに儂らと息ピッタリ出来るの?』
『わぁ!?』
ドスン、と再び上から降って来た白澄に抱き上げられまた高い高いをされる。
どうやら二徹目で頭がやられたらしい、哀れな。
『良い動きだったネ、宋平ちゃん。なんなら今度、動きの指導してあげても良いネ』
『え。本当に?! やった、二人とも約束だよ!』
嬉しい! 俺、昔ちょっとだけ政府の人から護身術習ってそっからは勘で動いてるから基礎練だけでも誰かと出来るの最高!
白澄の上で一人喜んでいたら冗談だったのか黒河が唖然とした表情をしていたので、落ち込む。
…なんだ。嘘か。
『いや…、こんなことでそこまで喜ぶとは…ネ? わかったわかった、ちゃんと見てあげるから落ち込まないでよネ』
ヒュー!!
三人で二階に籠城するボスたちを迎えに行く。大半の敵は俺たちで対処したから問題ない。階段を登ってすぐにあの店を目指して走れば、店の前に三人が出ている。
『ボス…! 二人も無事だ、良かった~!』
ふわりと笑うボスが少し腕を広げて待つ素振りをする。思わず後ろを振り返ると、二人に同時に押されてそのままボスの元に飛び込んだ。
『ご苦労。お前ら、いつの間にあんな連携を覚えてやがった』
『ご無事で何よりだネ。いや、アレ殆ど来るまでの電車で立てた作戦とアドリブ。なんなら作戦の立案時間、二分かな』
そうだね、だってただの丸投げ作戦だもんね。
『…それで上手く行くなら大したモンだ。お前もよくやった。やっと怪我しねェで帰って来るのを覚えたか』
『ですね。やっと身を守る術に気付いたようで…、子どもの成長は早いもんです』
うんうん、と頷くメンバー。
…なんだろう。褒められてるはずなのに、なんか素直に喜べないな…。
.
それで羽魅がすっかりへそを曲げてしまった。
『あれが一番欲しかったのに!』
『…だったら早く来てれば良かっただろ』
そりゃそうだ。
店の前にある椅子に座ってスマホを弄りながら待機中。そこにいてもハッキリと声が聞こえるんだから凄いものだ。
『あ。これか』
店の近くにポスターがあった。下の方に販売時期があり、今日は先行販売日で後は随分と前に締め切った予約販売のみらしい。
で。本人はその予約を忘れたから今日、此処まで買いに来たってわけだ。
『今日も遅れて来て予約も忘れたんなら、お前の落ち度だろ。諦めな』
『っどうしてそんな酷いこと言うの? 僕だけが悪いわけじゃないのに…』
よっぽど欲しかったらしい。馬美が店員さんにどうにかならないか聞いているが、他の店でも完売しているらしい。
グズる羽魅にうんざりした様子のボスは買った品々を指差して言う。
『なら選べ。今まで買ったモン全部諦めてその時計を探して買うか、時計は諦めるかだ』
『どうして?! 時計だって買えるんなら全部買ってくれたら良いじゃないか!』
『…はぁ。必要経費、って知ってるか? なんでもかんでも言えば手に入るなんて甘ェことはしねェぞ』
それでも時計は買ってくれる辺り、普通に甘いんじゃないかと溜め息を漏らしつつ膝に肘を置く。野次馬のように二人を眺めていれば胸が痛んで仕方ない。
…ふんだ。そうやって何でも買い与えるから問題発生するんだぞ、この色男が…。
『で? いつまで言い争ってんの、あの人ら…』
スマホで全体に問題発生、と呼び掛けている間にも二人のやり取りはヒートアップ。喧嘩するほど~…みたいな可愛いレベルは多分もう過ぎてる。
おいおい…これ以上の問題は捌き切れないって。
『なんでそんな意地悪言うの?! 信じられないっ、酷過ぎる!』
『…意地悪? テメェの方がよっぽどだろ。アレも欲しいコレも欲しい、ソレがないなら許せねェ? 手に負えねェな』
今まで羽魅に対して特に何を言うでもなかったボスが、初めて言葉を返した。言い方は冷たいし相手に少し落ち度があるから仕方ないが、ボスが初めて彼に向き合って言った言葉だ。
だけど、彼はそれが心底許せなかったらしい。
『っ~、何さ! 一人じゃ何も出来ないくせに! 僕がいなきゃアンタの夢は叶わないんだから!!』
そう吐き捨てて走り去る羽魅に現場は若干の混乱が起こる。早急に別プランを思い出して自分の持ち場である羽魅の元へ走る。
もしも二人が別れて行動する際、犬飼と刃斬はボスの方。俺と双子は羽魅の護衛と決めてある。因みに今回、猿石と覚はお留守番だ。
『追い付かないなぁ。よっと』
鞄を背負い直して階段を飛び降り、ショートカットをしてバレないように羽魅の元へ走る。未だ不審者の情報がないとは言え、一人にするのは良くない。
彼は一階の隅にある、比較的不便とされる遠くのトイレへと駆け込んでいたらしい。すぐに追い付くと、多目的トイレの鍵が掛かっているのが見えてもしや、と耳を傾ける。
『…なんか、喋ってる…』
まさか暴漢かと思ったが、その声はどちらかと言うと恐怖ではなく怒気を孕んでいる。しかも羽魅の声しか聞こえない。
…怒ると叫ぶタイプかな。
事件性はないと踏んで隠れてトイレの出入口を見張る。すると、暫くして出て来た羽魅はスマホを操作しながら出て来て…眉間には物凄い皺が寄っていた。
『馬美! 早く来て、此処から逃げるから』
電話が繋がったようで開口一番にそう叫ぶ羽魅の言葉に疑問が浮かぶ。
逃げる? …一体、誰から?
そう思った瞬間、施設に鳴り響く非常ベルの独特な音。誰もが動きを止めて動揺だけが広がる中、不意に誰かが言った火事という言葉にパニックが広がって次々と人が走り出す。
…いや、煙の匂いも何かが焼けるような匂いもしない。それにこのタイミングなら火事より…。
【宋平。今どこだ】
『一階の東、一番端にある男子トイレの近くです。対象を発見後に馬美と合流して退避しました。そちらに戻りますか?』
【…ああ。気を付けろよ、連中のお出ましだ。自分の身とボスを護る、それだけを考えろ】
刃斬からの通話を切るとすぐに走り出す。群衆がパニックになりながら、なんとか施設の人々によって退避が始まる中、その波に逆らうように駆け出す。
どうやら完全に客に紛れて潜伏していたようで、次々と目の色を変えて走り出す見慣れない連中がいる。
『うげー。結構いるじゃん、早くボスんとこ行こっと』
ボスの近くには刃斬と犬飼がいるだろうし、双子も何処かにいる。この騒ぎでは外に待機していた構成員たちが入るまで時間も掛かるだろう。
『宋平ちゃーん。プランDで行くからネー』
『はーい!』
上から聞こえた言葉に返事をしてから、すっかり人のいなくなった二階に辿り着く。すぐ近くにはあの高級ブランド店に籠城する三人がいるだろう。マスクに刻まれた弐条会の代紋に気付いた連中が動揺しつつも声を上げる。
『ガキだと…?! こっちはこんなガキを引き連れてんのか、相当な人手不足だな!!』
汚い金髪をした男の威嚇フェロモンをバランサーで相殺すると、唖然とした隙だらけの男に持っていた缶ジュースを投げ付けて倒す。どうやら倒れた時の打ち所が悪かったようで、立ち上がらない。
それから走り回って敵を集め、如何にも疲れましたという雰囲気を出しつつ中央の吹き抜けを囲うようにあるガラスの柵に背中を預けて身体を縮ませる。
ジリジリと迫る連中に今だ、と手を叩く。
『おお!! 大収穫だヨ~!』
『なっ?! う、魚神きょうだ、ぐあっ!!』
まるで動物のように上から降って来た白澄が柵に乗り、そのまま俺を飛び越えて集まった敵を一掃する。
これぞ作戦D【大体全部双子に任せよう】の、Dである。
いや、作戦勝ちだな素晴らしい。俺ただの餌みたいだけど…。
『ナメやがって…!!』
拳銃を取り出して白澄を狙う男に近くの店からハンガーを拝借して投げ付ける。思いの外よく飛ぶハンガーが何個か当たって狙撃の邪魔をすると、そのまま店の中に飛んで隠れた。
激昂して銃をこちらに向ける男だが、その時には既に白澄がお仲間を抱えて投げ飛ばし、銃を構えた男に思いっきりぶつけていた。
『威嚇出すヨ、気を付けろヨ~』
『俺は平気』
ヒョコっとマネキンの下から顔を出すと白澄と黒河の上位アルファの威嚇フェロモンが同時に溢れ、堪らず連中の動きが鈍る。
…ってことは、結構なアルファで固めてる上になんか薬でもやってんな。
『合図したら作戦Dね!』
『あいヨ~。いってら』
アルファがアルファの対策をする為に薬に手を出したなら、その効果は一時的に相手のアルファを上回るというドーピングだ。
やったことはないが、バランサーはそういう不正を正す力もある。やってみよう。
『…あー、多分こう!』
パッと目を開くと周囲に集まりつつあった連中がピタリと止まると、徐々に具合が悪そうに真っ青な顔になっていく。
大きな力を得た後は、それなりの代償がいるもんだ。
『今やってー!』
合図を送ると再び双子の威嚇フェロモンが溢れ、今度こそ直撃のそれに次々と敵が倒れる。なんなら副作用のせいで普通に受けるよりも大ダメージだろう。
階段の踊り場に取り残された俺は、倒れた敵を避けながらえっちらおっちら階段を登る。
はぁ。疲れた…。
『あは! ねぇ、最高だヨ! お前はなんでそんなに儂らと息ピッタリ出来るの?』
『わぁ!?』
ドスン、と再び上から降って来た白澄に抱き上げられまた高い高いをされる。
どうやら二徹目で頭がやられたらしい、哀れな。
『良い動きだったネ、宋平ちゃん。なんなら今度、動きの指導してあげても良いネ』
『え。本当に?! やった、二人とも約束だよ!』
嬉しい! 俺、昔ちょっとだけ政府の人から護身術習ってそっからは勘で動いてるから基礎練だけでも誰かと出来るの最高!
白澄の上で一人喜んでいたら冗談だったのか黒河が唖然とした表情をしていたので、落ち込む。
…なんだ。嘘か。
『いや…、こんなことでそこまで喜ぶとは…ネ? わかったわかった、ちゃんと見てあげるから落ち込まないでよネ』
ヒュー!!
三人で二階に籠城するボスたちを迎えに行く。大半の敵は俺たちで対処したから問題ない。階段を登ってすぐにあの店を目指して走れば、店の前に三人が出ている。
『ボス…! 二人も無事だ、良かった~!』
ふわりと笑うボスが少し腕を広げて待つ素振りをする。思わず後ろを振り返ると、二人に同時に押されてそのままボスの元に飛び込んだ。
『ご苦労。お前ら、いつの間にあんな連携を覚えてやがった』
『ご無事で何よりだネ。いや、アレ殆ど来るまでの電車で立てた作戦とアドリブ。なんなら作戦の立案時間、二分かな』
そうだね、だってただの丸投げ作戦だもんね。
『…それで上手く行くなら大したモンだ。お前もよくやった。やっと怪我しねェで帰って来るのを覚えたか』
『ですね。やっと身を守る術に気付いたようで…、子どもの成長は早いもんです』
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