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【運命】
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『何度言わせる』
誰かの怒ったような、声が聞こえた。苛立ったような声だと思ったけど何故か少し声が震えているような気がした。
『怪我をした時に切り替える性別は?』
あ。アルファ!
『体温が下がった。底上げするのになるべき性別は?』
オメガだな、予習済みだ。
『…もっとだ。もっと、上位のアルファに。何の為にボタンなんだ? 連打しなさい。もっと、もっと…速く、強く…高みへ。
戻って来い。
…頼むよ、宋平。お前が死んだら…もうお前の両親に合わせる顔がない』
泣いているのかと心配になったら、意識がどんどんクリアになる。傷の痛みに気付き、寒さに震えた瞬間…誰かの腕の中に押し込められた。
『お前が抱えろ。運命の番をバランサーは認識出来ないが、根っこの部分は繋がっているはずだ。お前の呼び掛けが一番の薬のはず』
『宋平…、宋平? しっかりしろ…目を開けろ、良い子だから、な?』
真っ黒な場所でその人が呼ぶ度に光が差し込む。ふと振り返ると、後はもう…瞼を開くだけだった。
温かな身体に擦り寄ると、誰かの悲鳴にも似た声が上がる。ゆっくりと目を開くとしっかりとその人にしがみ付いて、息を吐いた。
…あれ?
『良いぞ。傷を塞ぐイメージを強く持て。失った血は戻らないんだ、兎に角…今は塞ぐことに集中しろ。大丈夫だ、再生能力が何の為に向上したか今ならわかる。
塞げ。お前なら容易い』
先生? 先生の声だ!
朧げな意識の中で幼い頃から世話になる医師の声に、身体が反応する。昔から先生が言うことを実現出来なかったことなどない。
先生が言うなら、出来るはずだ。
『…素晴らしい。良いぞ、宋平…よしよし。次はオメガだ。自分の体温くらい自分で上げろ。
お前…今は離れた方が良いんじゃないか。恐らく長らく運命の番と離れた後遺症が出るぞ』
『構うな! 俺ァ絶対ェ宋平から離れねェ!』
『まぁ、そうだろうな。…宋平、頑張れよ』
オメガ? オメガになれば良いのか。
コントローラーを用意してオメガのボタンを押せば、忽ち身体はアルファからオメガへと切り替わっていく。傷跡も塞がればこっちのもの。オメガになってゆっくりと体温を上げていると、自分を抱える人に変化が起こる。
カタカタと揺れ始める身体に、荒くなる息遣い。何かを耐えるような歯のぶつかる音とプツリと肌が切れるような音の後…強烈なアルファのフェロモンが解放された。
『っ、チッ…やはりラットか。なるだろうとは思ったがこれほどとは…!』
『ボス…!!』
目を開けると、目の前に真っ白な何かがある。顔を擦り付けると柔らかな素材が気持ち良くてグリグリと何度も擦る。
これ、ワイシャツ…? しかもこの匂い…。
ふと視線を上げるとボスが唇を噛んで何かに耐えるように血を流していた。全く状況がわからないが、取り敢えずアルファ性の暴走だろうかとバランサーに切り替えてそれを丁寧に鎮める。
ボスがラットになるなんて珍しい、どうしたんだろう…?
『…ぼ、す?』
『ああ…、やっと…やっと会えたな、宋平。迎えに来るのが遅れて…すまねェ』
傷に障らないようにか、優しく…優しく俺を抱きしめるボスの頬に手を添えようと伸ばしたけど血が付いた手で触れるのを躊躇ったらしっかりと頬に導かれてそのまま彼は俺の身を抱く。
すぐに俺を離した彼は手を繋いだまま辰見に傷を確認させている。
『せん、せ…出来たよぉ』
『…ああ。君はとびきり優秀な患者だよ、全く』
そうだろう、そうだろう!
エヘン! と得意げに笑えば先生はそれを可笑しそうに見つめてから真剣な面立ちとなり手袋をしてから手早くお腹の傷を確認する。
『殆ど塞がったな。だが油断は出来ない…、このままでは感染症のリスクもある。早急に病院へ。失った血が多すぎる、輸血の準備も』
辰見の指示に政府側がキビキビと動き、急ぎ担架も用意される。猫武も加わり政府の用意した救急車両が手配されたらしい。
その間、ボスはずっと俺を抱きしめたままでそんな俺たちを一緒に寒さから守るように刃斬の上着が着せられている。
『…ぇ。あ、あの…』
意識も回復してキョロキョロしていた俺の頬をプニプニと触るボス。その後ろから見守るようにして静かにそれを眺める刃斬の、クソ甘ったるい顔。
…なんだ。その…生後数ヶ月の赤ん坊でも見るようなその視線は。
『んぇ? え、え…?』
穴が開くくらい、ジーッとボスに見つめられる。
どうしてそんなに見てくるの?! 俺だってあんなお別れをした後でサラッと生き残って本当に顔を合わせ辛いんですけど?!
『…気付かねェなァ』
『気付きませんでしたね…。なるほど、つまり古城の時もやはり宋平がオメガとなって貴方を温めていたというわけですか』
『だな…。運命の残り香がありゃァ、気にいるはずだ。まさかそっからバランサーになってたとはなァ』
今とは逆だな、と呟く彼のワイシャツに再び顔を寄せると良い匂いで凄く幸せな気持ちになる。
『宋平!!』
ザッ、ザッと砂浜を走る音と声に反応して顔を上げるとすぐにそちらに首を回す。
『宋平っ、宋平!!』
『にちゃ…!!』
上着にブランケットに色々な布物が敷かれた場所に、俺とボスはいる。そこに駆け付けた兄ちゃんに手を伸ばせばすぐに両手で包まれた。
『っ…良かった、宋平っく…ぅ、うぅ』
『兄ちゃん…? 兄ちゃん、泣かないで…』
初めて見る兄ちゃんの泣いている姿。いつもカッコ良くて強い、自慢の兄ちゃんが…俺がいなくなりそうになって泣いてる。
『…ごめんね、兄ちゃん。
そうだ。俺ね、お父さんとお母さんのこと思い出した! 家帰ったらビデオ回して欲しいな』
お願い、と言うと兄ちゃんは顔を上げてからまたダバダバと涙を流しながら何度も頷く。
『…二人が宋平を帰してくれたんだな。良かった…、本当に…本当に良かった。
そうだ。宋平…、これ返すからな。ごめんな、兄ちゃんが悪かった』
兄ちゃんが手にしているのはボスから貰った指輪だ。パッと表情が変わる俺に指輪を返そうとした兄ちゃんが、ふと視線を上に向ける。
『…もうすぐ政府の車両が到着する。弟の救出に尽力してくれたことには感謝するが…、返してくれないか』
手を伸ばす兄ちゃんに、ボスが黙る。グッと俺を更に抱きしめるものの兄ちゃんは特に動じることもなく、俺を受け入れる為に手を伸ばし続けていた。
『俺はその子の保護者だ。病院に付き添って経過を見届ける義務がある。
それともアンタは、家族を引き離して強引に弟を攫うとでも言うのか』
兄ちゃんの後ろには、猫武とその部下…それに加えて辰見まで揃う。ボスの後ろには弐条会のメンバーが揃っているのだろう…譲らぬ両者の睨み合いを止めたのは政府の緊急車両の到着を報せるもの。
『…取り敢えず、治療が先決です。未だ予断を許さぬ状況。すぐに手術など入りますから、彼をこちらへ』
猫武が担架を持って来させると、暫くボスが俺を見つめる。ゆっくりと彼の唇が額に落とされるとそのまま自分の上着で俺を包み救護班へと渡した。
『ボス…! 治療ならばこちらでもっ!』
『…事後処理もある。それに、バランサーの専属機関なら術後も安心して過ごせるだろ…』
指輪をした手で彼に手を伸ばす。そっと伸びたボスの手は、指一本も掴めず離れてしまった。
『っソーヘー…』
悲しげに俺の名前を呼び猿石の方を見ようとしたのに、救護班の身体で何も見えなくなってしまった。担架の近くには兄ちゃんが付き添い、その後、弐条会の車から転がり降りて来た二人の兄も一緒に緊急車両の中へと運ばれた。
すぐに酸素マスクを付けられた俺は治療の為に麻酔をするからと眠らされてしまう。この時はまだ、治ったらすぐに彼らに会えると信じて疑っていなかった。
三人の兄に見守られながら麻酔によって眠ってしまった俺は、その後様々な治療を受けて何の影響か暫く深い眠りに着いたまま起きなかったらしい。
その後、
浜辺で起きたやりとりも知らず…目を覚ました俺のベッドには紫色の綺麗な御守り袋が括り付けられていた。
健康祈願の文字に、その全てが込められていた気がして思わず笑ってしまう。
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誰かの怒ったような、声が聞こえた。苛立ったような声だと思ったけど何故か少し声が震えているような気がした。
『怪我をした時に切り替える性別は?』
あ。アルファ!
『体温が下がった。底上げするのになるべき性別は?』
オメガだな、予習済みだ。
『…もっとだ。もっと、上位のアルファに。何の為にボタンなんだ? 連打しなさい。もっと、もっと…速く、強く…高みへ。
戻って来い。
…頼むよ、宋平。お前が死んだら…もうお前の両親に合わせる顔がない』
泣いているのかと心配になったら、意識がどんどんクリアになる。傷の痛みに気付き、寒さに震えた瞬間…誰かの腕の中に押し込められた。
『お前が抱えろ。運命の番をバランサーは認識出来ないが、根っこの部分は繋がっているはずだ。お前の呼び掛けが一番の薬のはず』
『宋平…、宋平? しっかりしろ…目を開けろ、良い子だから、な?』
真っ黒な場所でその人が呼ぶ度に光が差し込む。ふと振り返ると、後はもう…瞼を開くだけだった。
温かな身体に擦り寄ると、誰かの悲鳴にも似た声が上がる。ゆっくりと目を開くとしっかりとその人にしがみ付いて、息を吐いた。
…あれ?
『良いぞ。傷を塞ぐイメージを強く持て。失った血は戻らないんだ、兎に角…今は塞ぐことに集中しろ。大丈夫だ、再生能力が何の為に向上したか今ならわかる。
塞げ。お前なら容易い』
先生? 先生の声だ!
朧げな意識の中で幼い頃から世話になる医師の声に、身体が反応する。昔から先生が言うことを実現出来なかったことなどない。
先生が言うなら、出来るはずだ。
『…素晴らしい。良いぞ、宋平…よしよし。次はオメガだ。自分の体温くらい自分で上げろ。
お前…今は離れた方が良いんじゃないか。恐らく長らく運命の番と離れた後遺症が出るぞ』
『構うな! 俺ァ絶対ェ宋平から離れねェ!』
『まぁ、そうだろうな。…宋平、頑張れよ』
オメガ? オメガになれば良いのか。
コントローラーを用意してオメガのボタンを押せば、忽ち身体はアルファからオメガへと切り替わっていく。傷跡も塞がればこっちのもの。オメガになってゆっくりと体温を上げていると、自分を抱える人に変化が起こる。
カタカタと揺れ始める身体に、荒くなる息遣い。何かを耐えるような歯のぶつかる音とプツリと肌が切れるような音の後…強烈なアルファのフェロモンが解放された。
『っ、チッ…やはりラットか。なるだろうとは思ったがこれほどとは…!』
『ボス…!!』
目を開けると、目の前に真っ白な何かがある。顔を擦り付けると柔らかな素材が気持ち良くてグリグリと何度も擦る。
これ、ワイシャツ…? しかもこの匂い…。
ふと視線を上げるとボスが唇を噛んで何かに耐えるように血を流していた。全く状況がわからないが、取り敢えずアルファ性の暴走だろうかとバランサーに切り替えてそれを丁寧に鎮める。
ボスがラットになるなんて珍しい、どうしたんだろう…?
『…ぼ、す?』
『ああ…、やっと…やっと会えたな、宋平。迎えに来るのが遅れて…すまねェ』
傷に障らないようにか、優しく…優しく俺を抱きしめるボスの頬に手を添えようと伸ばしたけど血が付いた手で触れるのを躊躇ったらしっかりと頬に導かれてそのまま彼は俺の身を抱く。
すぐに俺を離した彼は手を繋いだまま辰見に傷を確認させている。
『せん、せ…出来たよぉ』
『…ああ。君はとびきり優秀な患者だよ、全く』
そうだろう、そうだろう!
エヘン! と得意げに笑えば先生はそれを可笑しそうに見つめてから真剣な面立ちとなり手袋をしてから手早くお腹の傷を確認する。
『殆ど塞がったな。だが油断は出来ない…、このままでは感染症のリスクもある。早急に病院へ。失った血が多すぎる、輸血の準備も』
辰見の指示に政府側がキビキビと動き、急ぎ担架も用意される。猫武も加わり政府の用意した救急車両が手配されたらしい。
その間、ボスはずっと俺を抱きしめたままでそんな俺たちを一緒に寒さから守るように刃斬の上着が着せられている。
『…ぇ。あ、あの…』
意識も回復してキョロキョロしていた俺の頬をプニプニと触るボス。その後ろから見守るようにして静かにそれを眺める刃斬の、クソ甘ったるい顔。
…なんだ。その…生後数ヶ月の赤ん坊でも見るようなその視線は。
『んぇ? え、え…?』
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どうしてそんなに見てくるの?! 俺だってあんなお別れをした後でサラッと生き残って本当に顔を合わせ辛いんですけど?!
『…気付かねェなァ』
『気付きませんでしたね…。なるほど、つまり古城の時もやはり宋平がオメガとなって貴方を温めていたというわけですか』
『だな…。運命の残り香がありゃァ、気にいるはずだ。まさかそっからバランサーになってたとはなァ』
今とは逆だな、と呟く彼のワイシャツに再び顔を寄せると良い匂いで凄く幸せな気持ちになる。
『宋平!!』
ザッ、ザッと砂浜を走る音と声に反応して顔を上げるとすぐにそちらに首を回す。
『宋平っ、宋平!!』
『にちゃ…!!』
上着にブランケットに色々な布物が敷かれた場所に、俺とボスはいる。そこに駆け付けた兄ちゃんに手を伸ばせばすぐに両手で包まれた。
『っ…良かった、宋平っく…ぅ、うぅ』
『兄ちゃん…? 兄ちゃん、泣かないで…』
初めて見る兄ちゃんの泣いている姿。いつもカッコ良くて強い、自慢の兄ちゃんが…俺がいなくなりそうになって泣いてる。
『…ごめんね、兄ちゃん。
そうだ。俺ね、お父さんとお母さんのこと思い出した! 家帰ったらビデオ回して欲しいな』
お願い、と言うと兄ちゃんは顔を上げてからまたダバダバと涙を流しながら何度も頷く。
『…二人が宋平を帰してくれたんだな。良かった…、本当に…本当に良かった。
そうだ。宋平…、これ返すからな。ごめんな、兄ちゃんが悪かった』
兄ちゃんが手にしているのはボスから貰った指輪だ。パッと表情が変わる俺に指輪を返そうとした兄ちゃんが、ふと視線を上に向ける。
『…もうすぐ政府の車両が到着する。弟の救出に尽力してくれたことには感謝するが…、返してくれないか』
手を伸ばす兄ちゃんに、ボスが黙る。グッと俺を更に抱きしめるものの兄ちゃんは特に動じることもなく、俺を受け入れる為に手を伸ばし続けていた。
『俺はその子の保護者だ。病院に付き添って経過を見届ける義務がある。
それともアンタは、家族を引き離して強引に弟を攫うとでも言うのか』
兄ちゃんの後ろには、猫武とその部下…それに加えて辰見まで揃う。ボスの後ろには弐条会のメンバーが揃っているのだろう…譲らぬ両者の睨み合いを止めたのは政府の緊急車両の到着を報せるもの。
『…取り敢えず、治療が先決です。未だ予断を許さぬ状況。すぐに手術など入りますから、彼をこちらへ』
猫武が担架を持って来させると、暫くボスが俺を見つめる。ゆっくりと彼の唇が額に落とされるとそのまま自分の上着で俺を包み救護班へと渡した。
『ボス…! 治療ならばこちらでもっ!』
『…事後処理もある。それに、バランサーの専属機関なら術後も安心して過ごせるだろ…』
指輪をした手で彼に手を伸ばす。そっと伸びたボスの手は、指一本も掴めず離れてしまった。
『っソーヘー…』
悲しげに俺の名前を呼び猿石の方を見ようとしたのに、救護班の身体で何も見えなくなってしまった。担架の近くには兄ちゃんが付き添い、その後、弐条会の車から転がり降りて来た二人の兄も一緒に緊急車両の中へと運ばれた。
すぐに酸素マスクを付けられた俺は治療の為に麻酔をするからと眠らされてしまう。この時はまだ、治ったらすぐに彼らに会えると信じて疑っていなかった。
三人の兄に見守られながら麻酔によって眠ってしまった俺は、その後様々な治療を受けて何の影響か暫く深い眠りに着いたまま起きなかったらしい。
その後、
浜辺で起きたやりとりも知らず…目を覚ました俺のベッドには紫色の綺麗な御守り袋が括り付けられていた。
健康祈願の文字に、その全てが込められていた気がして思わず笑ってしまう。
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