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21.回復後の旅路
「モナリーン。本当にガイグロア国へ行くのか?」
「はい。お父様。確かにクロアは私を裏切ったのかもしれません。でも、あの国はここ数年私がほとんどの執務を行っていました。諦めきれないのです。どうしてもガイグロア国へ行って、クロアに伝えたい。」
「そうか。お前は回復したばかりだ。気をつけていっておいで。」
「この3か月間ありがとうございました。どうしてあんなに寝込んでしまったのか分からないのですが、帝国に連れて行かれてからの記憶が曖昧で、、、」
「忘れた方がいい事がある。気にする必要はない。お前がまた起き上がれるようになって良かったよ。帝国は新しい皇帝になって周辺各国への重税を改めた。暫くは戦争を起こす事はないだろう。我が国も、モリスの息子を王太子にする事が決まった。あの子はまだ若いが優秀だ。大丈夫だろう。お前は自分の体調だけを考えればいい」
「ええ、お父様。私は、もう王妃ではありませんが、かの国に行って何らかの形でクロアを、ガイグロア国を支えられたらと思っています。彼にはもう一度会って確かめないと」
目の前の父王は、何故か酷く辛そうな表情をしていた。
「モナリーン。どうしてもその約束を忘れられないか?其方にはいろんな道がある。もうこだわらなくていい」
「わかっています。ただどうしても納得いかないだけです。彼に会って私の想いを伝えられたら何かが変わりそうな気がします。」
「そうか。くれぐれも無理はするなよ」
私は、ライア神聖王国を後にして、ガイグロア国へ向かった。
珍しい長い銀髪を黒く染め商人服を着こんで、平民に紛れて移動する。
あの、舞踏会の日から半年の月日が流れた。
なにもかも変わってしまった。いまだに夢を見ているかのように現実感がない。
毎晩のように酷い悪夢に襲われ、目を覚ます。目覚めると悪夢を覚えていない。
胸に穴が開いたような酷い喪失感を感じ眠れなくなる。
クロア・ガイグロアにもう一度会う。彼に確かめる。そう思うと、なぜか少しだけ心が和らぐ。
自分でも彼に執着しすぎていると思う。でも、どうしようもない。
王妃としてのモナリーンはあの日崖から落ちて死んだことになっている。
しばらくガイグロア国で商人として身を潜めるつもりだ。
ふと、流亜会のジークの事を思い出した。
灰黒色の髪の彼は、どうしているのだろう。最近は帝国船を海賊が襲ったという知らせを聞かなくなった。一時期は、ジークが海賊達の長、海魔王と呼ばれる人物かと思っていたけれど、違ったのかもしれない。
彼はとても私に優しかった。
もし、命を救ってくれた彼に、もう一度会えたなら、、、
馬車が、ガイグロア国の停留所に到着した。
馬車から荷物を持ち、降りる。
私は、急に声をかけられた。
「モナリーン。逢いたかった」
「はい。お父様。確かにクロアは私を裏切ったのかもしれません。でも、あの国はここ数年私がほとんどの執務を行っていました。諦めきれないのです。どうしてもガイグロア国へ行って、クロアに伝えたい。」
「そうか。お前は回復したばかりだ。気をつけていっておいで。」
「この3か月間ありがとうございました。どうしてあんなに寝込んでしまったのか分からないのですが、帝国に連れて行かれてからの記憶が曖昧で、、、」
「忘れた方がいい事がある。気にする必要はない。お前がまた起き上がれるようになって良かったよ。帝国は新しい皇帝になって周辺各国への重税を改めた。暫くは戦争を起こす事はないだろう。我が国も、モリスの息子を王太子にする事が決まった。あの子はまだ若いが優秀だ。大丈夫だろう。お前は自分の体調だけを考えればいい」
「ええ、お父様。私は、もう王妃ではありませんが、かの国に行って何らかの形でクロアを、ガイグロア国を支えられたらと思っています。彼にはもう一度会って確かめないと」
目の前の父王は、何故か酷く辛そうな表情をしていた。
「モナリーン。どうしてもその約束を忘れられないか?其方にはいろんな道がある。もうこだわらなくていい」
「わかっています。ただどうしても納得いかないだけです。彼に会って私の想いを伝えられたら何かが変わりそうな気がします。」
「そうか。くれぐれも無理はするなよ」
私は、ライア神聖王国を後にして、ガイグロア国へ向かった。
珍しい長い銀髪を黒く染め商人服を着こんで、平民に紛れて移動する。
あの、舞踏会の日から半年の月日が流れた。
なにもかも変わってしまった。いまだに夢を見ているかのように現実感がない。
毎晩のように酷い悪夢に襲われ、目を覚ます。目覚めると悪夢を覚えていない。
胸に穴が開いたような酷い喪失感を感じ眠れなくなる。
クロア・ガイグロアにもう一度会う。彼に確かめる。そう思うと、なぜか少しだけ心が和らぐ。
自分でも彼に執着しすぎていると思う。でも、どうしようもない。
王妃としてのモナリーンはあの日崖から落ちて死んだことになっている。
しばらくガイグロア国で商人として身を潜めるつもりだ。
ふと、流亜会のジークの事を思い出した。
灰黒色の髪の彼は、どうしているのだろう。最近は帝国船を海賊が襲ったという知らせを聞かなくなった。一時期は、ジークが海賊達の長、海魔王と呼ばれる人物かと思っていたけれど、違ったのかもしれない。
彼はとても私に優しかった。
もし、命を救ってくれた彼に、もう一度会えたなら、、、
馬車が、ガイグロア国の停留所に到着した。
馬車から荷物を持ち、降りる。
私は、急に声をかけられた。
「モナリーン。逢いたかった」
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