3 / 19
突然の告白
しおりを挟む翌日、イリーナは、ザンジ国立学院で留学の手続きを行った。
父が大きくしたグロッサー商会の主な取引先はジン帝国だ。父の後を継ぐ妹のルアンナと、元婚約者のリカルドもジン帝国を主な取引先としてグロッサー商会を引き継ぐ事になるだろう。
ルアンナとリカルドは貴族院を卒業する。果たして、まともに商会の事を学んでいない二人が、グロッサー商会を上手く運用できるのか、イリーナは疑っていた。
(きっと、私にも勝機があるはず)
何もかも、返して貰う。
まずは、ジン帝国に行って、、、、
ザンジ国立学院の事務局で手続きを済ましたイリーナに話しかけてくる人物がいた。
「イリーナ。」
声をかけてきたのは、オージン・マクラビアンだった。オージンはジン帝国公爵家の嫡男になる。黒髪で藍色瞳の体格のいい男性だ。オージンは幼馴染のナンシーと共に、ザンジ国立学院へ留学してきた。ナンシーとイリーナはすぐに仲良くなり今では親友になっている。オージンは仲が良いのかよくナンシーに会いに来ていた。ナンシーと一緒にオージンも、イリーナと度々食事を共にしていた。
イリーナは驚き声をかける。
「オージン。そんなに慌ててどうしたの?」
普段落ち着いているオージンが、急いでいたのか息を切らしている。
「ナンシーから聞いた。婚約破棄したって本当?」
イリーナは少し顔を顰める。
ナンシーとオージンの仲の良さは知っているが、話が伝わる事が早すぎる。
イリーナは言った。
「ええ、そうよ。相変わらず貴方達は仲がいいわね。」
オージンは、イリーナに近づき、その手を取った。
急に接近してきたオージンに驚き、イリーナは後退った。
「違う。俺が一番仲良くしたいのはイリーナだ。好きだ。俺と結婚してください。」
今二人がいる場所は、ザンジ国立学院のロビーになる。多くの人が行きかう、その場所での突然の告白に、周囲にいる学生たちが騒めいている。イリーナは、思いがけない告白に驚き、返答した。
「無理よ。ごめんなさい。オージン。」
957
あなたにおすすめの小説
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
思い出してしまったのです
月樹《つき》
恋愛
同じ姉妹なのに、私だけ愛されない。
妹のルルだけが特別なのはどうして?
婚約者のレオナルド王子も、どうして妹ばかり可愛がるの?
でもある時、鏡を見て思い出してしまったのです。
愛されないのは当然です。
だって私は…。
虐げられた皇女は父の愛人とその娘に復讐する
ましゅぺちーの
恋愛
大陸一の大国ライドーン帝国の皇帝が崩御した。
その皇帝の子供である第一皇女シャーロットはこの時をずっと待っていた。
シャーロットの母親は今は亡き皇后陛下で皇帝とは政略結婚だった。
皇帝は皇后を蔑ろにし身分の低い女を愛妾として囲った。
やがてその愛妾には子供が生まれた。それが第二皇女プリシラである。
愛妾は皇帝の寵愛を笠に着てやりたい放題でプリシラも両親に甘やかされて我儘に育った。
今までは皇帝の寵愛があったからこそ好きにさせていたが、これからはそうもいかない。
シャーロットは愛妾とプリシラに対する復讐を実行に移す―
一部タイトルを変更しました。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
三年の想いは小瓶の中に
月山 歩
恋愛
結婚三周年の記念日だと、邸の者達がお膳立てしてくれた二人だけのお祝いなのに、その中心で一人夫が帰らない現実を受け入れる。もう彼を諦める潮時かもしれない。だったらこれからは自分の人生を大切にしよう。アレシアは離縁も覚悟し、邸を出る。
※こちらの作品は契約上、内容の変更は不可であることを、ご理解ください。
愛する夫が目の前で別の女性と恋に落ちました。
ましゅぺちーの
恋愛
伯爵令嬢のアンジェは公爵家の嫡男であるアランに嫁いだ。
子はなかなかできなかったが、それでも仲の良い夫婦だった。
――彼女が現れるまでは。
二人が結婚して五年を迎えた記念パーティーでアランは若く美しい令嬢と恋に落ちてしまう。
それからアランは変わり、何かと彼女のことを優先するようになり……
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる