【完結】側妃は愛されるのをやめました

「君ではなく、彼女を正妃とする」

 私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
 なのに……彼は。

「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」

 私のため。
 そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
 
 このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
 否。
 そのような恥を晒す気は無い。

「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」

 側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
 今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。

「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」

 これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
 華々しく、私の人生を謳歌しよう。
 全ては、廃妃となるために。


   ◇◇◇

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