5 / 21
第一章
兄と従弟
しおりを挟む
今日、私は同母兄の大兄皇子を訪ねて行った。10歳ほど年が離れた兄は優しく、いつも母や兄弟を気遣ってくれる。蘇我の屋敷には、何人もの皇子や姫が住んでいる。大兄皇子はその中で最も年長で、一族からの信頼も厚い。
長身で細身の兄は、武芸は苦手だが、文学に精通している。最近は大王や蘇我一族が広めようとしている仏教について調べているようだった。
「兄様。少しよろしいですか?」
「ああ、額田部姫久しいな。結婚が決まったそうではないか。おめでとう。」
「ありがとうございます。兄様。新しい書物を貸していただけないでしょうか?」
「姫は相変わらずだな。書物が好きとは。嫁入り修行はよいのか?」
「他田皇子様とは、16歳も年が離れているのです。私は皇太子様と仲睦まじくなりたいのです。書物は共通の話題になりましょう。母上には秘密です。姫には必要ないとよく𠮟られます。」
「姫は皇太子殿が気に入ったみたいだね。好きな物を持っていくといい。母上には伝えないでおこう。」
「ありがとうございます。兄様。」
「まあ、書物がなくても問題ないと思うがね。」
「え?どうしてですか?」
「嫁いだら分かるさ。大事な妹を嫁がせるんだ。何かあればいつでも私に言いなさい。力になろう。」
「ふふふ、ええ、兄様。」
数冊の書物を借りて私は自室へ戻っていった。
大兄皇子を頼りないという声がある事は知っている。でも、博識で優しい兄は私の自慢の兄だった。先日結婚もした兄はまだ蘇我の屋敷にいる。蘇我の娘を母に持つ大兄皇子が大王に選ばれるかもしれないと、叔父達はまだ期待しているようだった。皇太子の正妻広姫の息子はまだ幼い。次の皇太子に大兄皇子を蘇我一族が押すつもりらしい。
博識な兄様は、海の向こうの大陸の大国の言葉にも精通している。大国から属国扱いされている事に納得していない豪族と大王は大国との交渉を成功させたい悲願がある。
(兄様ほどではないけど、私も大国の言葉が読める。きっと皇太子様のお役に立てるはずだわ。)
母からは、肌や髪を整え、美しい布や装飾具でいかに着飾るかを何度も指導されている。そのような事は数人の侍女達が毎日私を手入れし着飾っているし、どんな着物でも侍女や母は私を美しいと褒めたたえてくれる。来年には他田皇子の元へ嫁ぐ。それまでにできる事はやっていたかった。
今日も年に一度の皇族達が集まる会が開かれていた。あの時と同じように本宮へ蘇我の皇族が連なって訪れる。隣には背が高くなり男らしくなった穴穂部皇子が歩いている。穴穂部皇子は、武芸に精通し、皇子たちの中で行われる狩猟大会でいつも上位の成績をとるらしい。
ふと、穴穂部皇子から見られている事を感じて私は背筋が寒くなった。
乱暴者の穴穂部皇子には、なんども虐められてきた。私の嫁入りが決まってからは、母や叔母から厳重に注意されたらしく、接する機会が減り安心していたが、時々こうして近くに行かなければいかない事があると、なぜか穴穂部皇子から冷たい視線を感じる。
(なにを怒っているのかしら。乱暴者が武芸に秀でても良い事ないわね。)
私は、いつものように顔を合わさないように前だけを見て、本宮へ足を進めた。
「よく来たね。蘇我の姫。」
部屋へ入るとすぐに皇太子が私を出迎えてくれた。席を立ち、私の所まで来て手を引いてくれる。促されるままに他田皇子の隣に座る。
「皇太子殿は、蘇我の美しい姫にご執心ですな。もうじき大王になられ、妃が増えるとはめでたい事です。」
「ああ、このような美しい姫は見たことがない。」
「ははっはは。」
私は顔を赤らめながら、他田皇子の隣に座っていた。他田皇子の正妻の広姫は、もともと皇族ではない。この場には広姫がおらず、まるで私が正妻として嫁ぐかのような扱いを受ける。初めて会った時に守ってあげると言われた言葉を思い出して、私はうれしくなった。
食事が終わり、皇太子は周囲を皇族達に囲まれ話をしている。私は、疲れた足を延ばしに席を立ち、部屋の外に出た。もうすぐ結婚する。だか、正妻ではない私は、蘇我の屋敷に留まり夫が訪れる事を待つことになる。夫の住む場所を目に焼き付けておきたかった。
広い本宮の廊下を歩いていると、急に戸が開き大きな手が出てきて、部屋の中に引き込められた。
「んんんーーー。」
大きな手は私の口を覆い、声を封じ込める。ドアを閉められ、抱きしめられ、声をかけられた。
「静かにしろ。俺だ。」
驚き見上げると、私を抱きしめ口を塞いでいるのは穴穂部皇子だった。
「叫ばないなら、手を放してやる。いいな。」
私は頷く。
大王の本宮で、蘇我の皇族が問題を起こすわけにはいかない。私が叫び、問題を起こしたと知られると、蘇我が責められる可能性がある。
穴穂部皇子は、手を離し私に話しかけてきた。
「なあ、本当に皇太子に嫁ぐのか。あんな年上より俺の方がいいだろ。」
私は、穴穂部皇子を見る。あれだけ、私を虐めておいて何を言うのか。皇太子に嫁ぎ、夫が大王になれば私は大王の妃になる。ただの皇子より立場が上になる。そんな私の事が穴穂部は気に入らないのだろう。
だけど、すぐに逆上する穴穂部皇子を刺激したくない。
「私より、若くて美しい姫はたくさんいますわ。力のある豪族の姫を迎えたらきっと皇子の地位も上がります。穴穂部皇子にはもっとふさわしい姫がいるはずです。」
「額田部。俺はお前が欲しい。」
私は驚き、穴穂部の腕の中から逃れようとする。
だけど、大柄で力が強い穴穂部はビクともしない。
「なあ、俺の方がいいだろ。」
また同じ事を聞かれる。
そこへ、私を探す声が聞こえてきた。
「姫、額田部姫。どこにおられますか?」
「もう行かないと、お願いです。離してくださいませ。」
「どうせ、結婚しても蘇我の屋敷にいるんだ。今と何が変わる。お前はずっと俺の近くにいるんだ。俺を選べ。お前の言葉なら叔父や母も納得するはずだ。」
そういうと、穴穂部皇子は私を離した。
私は慌てて扉を開け、廊下へ飛び出す。廊下に隣接する庭の向こう側の軒下には他田皇子が立っており、こちらを見ていた。
私は他田皇子と目があい、思わず動きを止める。
私のすぐ後ろから穴穂部皇子が出てきて笑いながら言った。
「お前の結婚がダメになるといいな。そうだろ。額田部。」
穴穂部皇子の声は冷たく、私は泣きそうになった。
長身で細身の兄は、武芸は苦手だが、文学に精通している。最近は大王や蘇我一族が広めようとしている仏教について調べているようだった。
「兄様。少しよろしいですか?」
「ああ、額田部姫久しいな。結婚が決まったそうではないか。おめでとう。」
「ありがとうございます。兄様。新しい書物を貸していただけないでしょうか?」
「姫は相変わらずだな。書物が好きとは。嫁入り修行はよいのか?」
「他田皇子様とは、16歳も年が離れているのです。私は皇太子様と仲睦まじくなりたいのです。書物は共通の話題になりましょう。母上には秘密です。姫には必要ないとよく𠮟られます。」
「姫は皇太子殿が気に入ったみたいだね。好きな物を持っていくといい。母上には伝えないでおこう。」
「ありがとうございます。兄様。」
「まあ、書物がなくても問題ないと思うがね。」
「え?どうしてですか?」
「嫁いだら分かるさ。大事な妹を嫁がせるんだ。何かあればいつでも私に言いなさい。力になろう。」
「ふふふ、ええ、兄様。」
数冊の書物を借りて私は自室へ戻っていった。
大兄皇子を頼りないという声がある事は知っている。でも、博識で優しい兄は私の自慢の兄だった。先日結婚もした兄はまだ蘇我の屋敷にいる。蘇我の娘を母に持つ大兄皇子が大王に選ばれるかもしれないと、叔父達はまだ期待しているようだった。皇太子の正妻広姫の息子はまだ幼い。次の皇太子に大兄皇子を蘇我一族が押すつもりらしい。
博識な兄様は、海の向こうの大陸の大国の言葉にも精通している。大国から属国扱いされている事に納得していない豪族と大王は大国との交渉を成功させたい悲願がある。
(兄様ほどではないけど、私も大国の言葉が読める。きっと皇太子様のお役に立てるはずだわ。)
母からは、肌や髪を整え、美しい布や装飾具でいかに着飾るかを何度も指導されている。そのような事は数人の侍女達が毎日私を手入れし着飾っているし、どんな着物でも侍女や母は私を美しいと褒めたたえてくれる。来年には他田皇子の元へ嫁ぐ。それまでにできる事はやっていたかった。
今日も年に一度の皇族達が集まる会が開かれていた。あの時と同じように本宮へ蘇我の皇族が連なって訪れる。隣には背が高くなり男らしくなった穴穂部皇子が歩いている。穴穂部皇子は、武芸に精通し、皇子たちの中で行われる狩猟大会でいつも上位の成績をとるらしい。
ふと、穴穂部皇子から見られている事を感じて私は背筋が寒くなった。
乱暴者の穴穂部皇子には、なんども虐められてきた。私の嫁入りが決まってからは、母や叔母から厳重に注意されたらしく、接する機会が減り安心していたが、時々こうして近くに行かなければいかない事があると、なぜか穴穂部皇子から冷たい視線を感じる。
(なにを怒っているのかしら。乱暴者が武芸に秀でても良い事ないわね。)
私は、いつものように顔を合わさないように前だけを見て、本宮へ足を進めた。
「よく来たね。蘇我の姫。」
部屋へ入るとすぐに皇太子が私を出迎えてくれた。席を立ち、私の所まで来て手を引いてくれる。促されるままに他田皇子の隣に座る。
「皇太子殿は、蘇我の美しい姫にご執心ですな。もうじき大王になられ、妃が増えるとはめでたい事です。」
「ああ、このような美しい姫は見たことがない。」
「ははっはは。」
私は顔を赤らめながら、他田皇子の隣に座っていた。他田皇子の正妻の広姫は、もともと皇族ではない。この場には広姫がおらず、まるで私が正妻として嫁ぐかのような扱いを受ける。初めて会った時に守ってあげると言われた言葉を思い出して、私はうれしくなった。
食事が終わり、皇太子は周囲を皇族達に囲まれ話をしている。私は、疲れた足を延ばしに席を立ち、部屋の外に出た。もうすぐ結婚する。だか、正妻ではない私は、蘇我の屋敷に留まり夫が訪れる事を待つことになる。夫の住む場所を目に焼き付けておきたかった。
広い本宮の廊下を歩いていると、急に戸が開き大きな手が出てきて、部屋の中に引き込められた。
「んんんーーー。」
大きな手は私の口を覆い、声を封じ込める。ドアを閉められ、抱きしめられ、声をかけられた。
「静かにしろ。俺だ。」
驚き見上げると、私を抱きしめ口を塞いでいるのは穴穂部皇子だった。
「叫ばないなら、手を放してやる。いいな。」
私は頷く。
大王の本宮で、蘇我の皇族が問題を起こすわけにはいかない。私が叫び、問題を起こしたと知られると、蘇我が責められる可能性がある。
穴穂部皇子は、手を離し私に話しかけてきた。
「なあ、本当に皇太子に嫁ぐのか。あんな年上より俺の方がいいだろ。」
私は、穴穂部皇子を見る。あれだけ、私を虐めておいて何を言うのか。皇太子に嫁ぎ、夫が大王になれば私は大王の妃になる。ただの皇子より立場が上になる。そんな私の事が穴穂部は気に入らないのだろう。
だけど、すぐに逆上する穴穂部皇子を刺激したくない。
「私より、若くて美しい姫はたくさんいますわ。力のある豪族の姫を迎えたらきっと皇子の地位も上がります。穴穂部皇子にはもっとふさわしい姫がいるはずです。」
「額田部。俺はお前が欲しい。」
私は驚き、穴穂部の腕の中から逃れようとする。
だけど、大柄で力が強い穴穂部はビクともしない。
「なあ、俺の方がいいだろ。」
また同じ事を聞かれる。
そこへ、私を探す声が聞こえてきた。
「姫、額田部姫。どこにおられますか?」
「もう行かないと、お願いです。離してくださいませ。」
「どうせ、結婚しても蘇我の屋敷にいるんだ。今と何が変わる。お前はずっと俺の近くにいるんだ。俺を選べ。お前の言葉なら叔父や母も納得するはずだ。」
そういうと、穴穂部皇子は私を離した。
私は慌てて扉を開け、廊下へ飛び出す。廊下に隣接する庭の向こう側の軒下には他田皇子が立っており、こちらを見ていた。
私は他田皇子と目があい、思わず動きを止める。
私のすぐ後ろから穴穂部皇子が出てきて笑いながら言った。
「お前の結婚がダメになるといいな。そうだろ。額田部。」
穴穂部皇子の声は冷たく、私は泣きそうになった。
0
あなたにおすすめの小説
与兵衛長屋つれあい帖 お江戸ふたり暮らし
かずえ
歴史・時代
旧題:ふたり暮らし
長屋シリーズ一作目。
第八回歴史・時代小説大賞で優秀短編賞を頂きました。応援してくださった皆様、ありがとうございます。
十歳のみつは、十日前に一人親の母を亡くしたばかり。幸い、母の蓄えがあり、自分の裁縫の腕の良さもあって、何とか今まで通り長屋で暮らしていけそうだ。
頼まれた繕い物を届けた帰り、くすんだ着物で座り込んでいる男の子を拾う。
一人で寂しかったみつは、拾った男の子と二人で暮らし始めた。
【完結】限界離婚
仲 奈華 (nakanaka)
ミステリー
もう限界だ。
「離婚してください」
丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広一はそのまま意識を失った。
丸田広一の息子の嫁、鈴奈はもう耐える事ができなかった。体調を崩し病院へ行く。医師に告げられた言葉にショックを受け、夫に連絡しようとするが、SNSが既読にならず、電話も繋がらない。もう諦め離婚届だけを置いて実家に帰った。
丸田広一の妻、京香は手足の違和感を感じていた。自分が家族から嫌われている事は知っている。高齢な姑、離婚を仄めかす夫、可愛くない嫁、誰かが私を害そうとしている気がする。渡されていた離婚届に署名をして役所に提出した。もう私は自由の身だ。あの人の所へ向かった。
広一の母、文は途方にくれた。大事な物が無くなっていく。今日は通帳が無くなった。いくら探しても見つからない。まさかとは思うが最近様子が可笑しいあの女が盗んだのかもしれない。衰えた体を動かして、家の中を探し回った。
出張からかえってきた広一の息子、良は家につき愕然とした。信じていた安心できる場所がガラガラと崩れ落ちる。後始末に追われ、いなくなった妻の元へ向かう。妻に頭を下げて別れたくないと懇願した。
平和だった丸田家に襲い掛かる不幸。どんどん倒れる家族。
信じていた家族の形が崩れていく。
倒されたのは誰のせい?
倒れた達磨は再び起き上がる。
丸田家の危機と、それを克服するまでの物語。
丸田 広一…65歳。定年退職したばかり。
丸田 京香…66歳。半年前に退職した。
丸田 良…38歳。営業職。出張が多い。
丸田 鈴奈…33歳。
丸田 勇太…3歳。
丸田 文…82歳。専業主婦。
麗奈…広一が定期的に会っている女。
※7月13日初回完結
※7月14日深夜 忘れたはずの思い~エピローグまでを加筆修正して投稿しました。話数も増やしています。
※7月15日【裏】登場人物紹介追記しました。
2026年1月ジャンルを大衆文学→ミステリーに変更しています。
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結保証】
星森 永羽
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
石榴(ざくろ)の月~愛され求められ奪われて~
めぐみ
歴史・時代
お民は江戸は町外れ徳平店(とくべいだな)に夫源治と二人暮らし。
源治はお民より年下で、お民は再婚である。前の亭主との間には一人息子がいたが、川に落ちて夭折してしまった。その後、どれだけ望んでも、子どもは授からなかった。
長屋暮らしは慎ましいものだが、お民は夫に愛されて、女としても満ち足りた日々を過ごしている。
そんなある日、徳平店が近々、取り壊されるという話が持ちあがる。徳平店の土地をもっているのは大身旗本の石澤嘉門(いしざわかもん)だ。その嘉門、実はお民をふとしたことから見初め、お民を期間限定の側室として差し出すなら、長屋取り壊しの話も考え直しても良いという。
明らかにお民を手に入れんがための策略、しかし、お民は長屋に住む皆のことを考えて、殿様の取引に応じるのだった。
〝行くな!〟と懸命に止める夫に哀しく微笑み、〝約束の1年が過ぎたから、きっとお前さんの元に帰ってくるよ〟と残して―。
お飾り王妃の死後~王の後悔~
ましゅぺちーの
恋愛
ウィルベルト王国の王レオンと王妃フランチェスカは白い結婚である。
王が愛するのは愛妾であるフレイアただ一人。
ウィルベルト王国では周知の事実だった。
しかしある日王妃フランチェスカが自ら命を絶ってしまう。
最後に王宛てに残された手紙を読み王は後悔に苛まれる。
小説家になろう様にも投稿しています。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
【完結】そんなに好きなら、そっちへ行けば?
雨雲レーダー
恋愛
侯爵令嬢クラリスは、王太子ユリウスから一方的に婚約破棄を告げられる。
理由は、平民の美少女リナリアに心を奪われたから。
クラリスはただ微笑み、こう返す。
「そんなに好きなら、そっちへ行けば?」
そうして物語は終わる……はずだった。
けれど、ここからすべてが狂い始める。
*完結まで予約投稿済みです。
*1日3回更新(7時・12時・18時)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる