[完結]殺めてもいいでしょうか?

仲 奈華 (nakanaka)

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アヤメ

6.電信

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アヤメはエレベーターが開くと同時に1階エントランスホールに出た。裏口のカギを開け、重いドアを押して外に出る。

整えられたマンションの花壇には真っ赤な椿の花が咲き誇っていた。

冷たい夜風を感じながら、無心に歩を進める。

無数の街灯が、人通りが斑な歩道を照らし、夜空の星を覆い隠す。

手を繋ぎ寄り添うように歩く恋人たち。

小さな囁き笑いを交わしながら共に歩く3人組。

アヤメは一人だ。



今日は、カエデとの結婚記念日なのに。どうしてこんな事になったのだろう。



どうして私は一人で、、、、



だけど、どうしても今は帰りたくない。



数分歩いていくと、目の前に煌々と光を放つコンビニが見えてきた。

喉の渇きを感じ、アヤメはコンビニへ向かった。

冷凍ショーケースから、氷の入ったカップを取り、レジに向かう。

レジでバーコード決済を選択しスマホで支払いを済ませる。

ドリップコーヒーの機械へ移動し、カップをセットして、アイスコーヒーのボタンを押した。


プシュー


コーヒーマシンが起動し、黒く香ばしい液体がカップに注がれていく。

マシンから流れ落ちた黒い液体が、ポタリポタリとカップに入り止まった。

緑のランプが付き、アヤメはカップを取り出した。




ふと、アヤメは思った。
もしかしたら、複雑に考えすぎているのかもしれない。通報した記録があると夫と警察の話が聞こえた。カエデは、義姉エリカと繋がりが無く、彼女が嘘を言っているだけかもしれない。
エリカは信用できない。アヤメは何度も彼女に嘘をつかれ裏切られてきた。その事をよく知っているはずなのに。ただ、夫が彼女と繋がっていると思うだけで、感情が制御できなくなる。もしかしたら、、、



アイスコーヒーが入ったカップに蓋をしている時、隣で電話をする声が耳に入った。

「ええ、これを買えばよろしいのですね。ええ。ご親切にどうも。すぐに購入して伝えますから」

ギフトカードが並べられている隣のブースで、年季が入っているが一目でブランド品だと分かるバックと婦人服を着た年配の女性が電話をしながらギフトカードを選んでいる。

0~50000と書かれたギフトカードを手に取り彼女は言った。
「はい。購入してから掛け直せばいいのですね。私に分かるかしら。まあ、またお電話をいただけるの。助かりますわ。ええ、店員さんに迷惑をかけないように致します」

切れた携帯電話とギフトカードを持ち、レジへ向かおうとした女性にアヤメは咄嗟に声をかけた。

「あの、もしかして…」
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