16 / 85
それからの絆
【六】ぽかぽかの爆弾
しおりを挟む
「ん。そこ、もちょい右な。ん、そこそこ、いいぞ!」
…俺は何をしているのだろう…。
何処か遠い目をしながら、俺は星の髪の毛を洗っていた。
あれだけ嫌がっていた癖に、風呂場に着けば星はさっさと着物を脱いで、腰に手拭いを巻き、たすき掛けをする俺を急かす始末だった。
「…全く…何なんだ、お前は…」
椅子に腰掛け、少しばかり背中を丸める星の髪を洗いながら、俺は疲れた様な声音で聞いた。
いや、実際、要らん体力を使わされたのだが。
朝から親父に愚痴られ、雪緒に癒して貰おうと帰宅すれば、その息子が居ると云う、二段構えの攻撃にだ。
「ん~?」
だが、解っているのかいないのか、星の声は暢気な物だ。
「…お前、本当に明日は帰れよ。良いか、話を受けるか受けないかはお前の自由だ。しかし、断るにしてもだな、お前はともかく親父…司令の立場からして、会わずに断ると云う選択肢は無いんだ。そこの処は解ってやれ。お前だって、親父の面子を潰すのは本意では無いんだろう?」
「…ん…」
桶に湯を掬い、星の頭を濯ぎながら、俺が言う言葉に星は静かに頷いた。
何時もは煩いぐらいに元気だが、こうも大人しくされると不気味で仕方が無い。
「…あのさ…」
「何だ?」
次の湯を掬った処で、星がぽつりと呟いた。
「おじさんはさ、ゆきおがすきなんだよな?」
「…何だ、いきなり」
星の突然の質問に、俺は湯を汲んだ桶を簀子の上に置いた。
「ゆきおをあいしてるんだよな?」
振り返って来て俺を見る星の目は、仕事で妖と対峙した時と同じく真剣な物だったから、俺は『ああ』と頷いた。
「あのさ、あのさ、ゆきお見ると、ちんちんがたつんだろ?」
―――――――――――…何だって…?
「…おいら、も、おんなじ。考えるとちんちんが辛くなるんだ」
―――――――――――…誰の事を…?
「…すきだけど、あいしてるけど、こうなるのって、当たり前なんだよな?」
―――――――――――…雪緒を…?
「恋人だし、いいんだよな?」
―――――――――――…恋人…?
「…は…? 何時、雪緒とお前が恋人になった? 雪緒は俺の…っ…!!」
「ゆきおじゃないよ。昔はすきだったけど、今は違う」
「…誰の話をしてる?」
…昔って…。そう言えば、あの親父が星の初恋が、とか言っていた様な…?
「親父殿に決まってるだろ、言わせんなバカ」
俺の言葉に星は唇を尖らせて、ふいっと横を向いた。その頬は、赤く染まっている様に見えた。
…と云うか。つい今朝も、どこぞで見たぞその仕草。
――――――――――――――――――…は…?
「おいらと親父殿は恋人なのに、お見合いとかひどいよな? おいら、ずっと親父殿にすきすき言ってるのに。親父殿だって、いっぱいすきって言ってるのに。おいらが居なくなったら、誰が親父殿の髪を洗うんだ? 雷の時、誰が親父殿と寝るんだ? 誰が親父殿のご飯を…」
「待て! 待て待て! …頼むから、少し待ってくれ! 考える時間をくれ!!」
尚も続く星の言葉を遮り、俺は片手で口を押さえ、片手は掌を星へと向けた。
何だって?
いきなりこいつは何を言い出した?
星が親父を好きなのは、とうの昔から知っている。
知ってはいたが、そう云う好きだとは聞いて…。
『星様もえみちゃん様を愛して…』
そう思った時、不意に雪緒の言葉が脳裏を過った。
……………………………………………あ…?
「………は…? 雪緒は…知っていた…?」
あれは、家族愛の事を言っているのだと思ったのだが、違ったのか…?
だが、確かにそれならば、星に嫉妬した俺に雪緒がそう口にしたのも合点が行く。
いや、だがしかし。恋人とは?
あの親父からそんな言葉なぞ聞いた記憶は無いし、親父の態度は息子を溺愛する、親馬鹿その物にしか見えないが。
…いや、あの親父の事だから、巧みに態度には出さない様にしているのかも知れない…。
「………星…。…念の為に聞くが…お前…恋人の意味…解っているのか…?」
「バカにするなよ! 恋しい、すきな、あいする人の事を恋人言うんだろ! だから、おいらの恋人は親父殿だし! 親父殿の恋人はおいらだ!」
星の言葉に俺は思い切り脱力し、両手を簀子の上に置き、何とか身体を支えた。
「どした、おじさん?」
不思議そうな星の声が聞こえるが、顔を上げる気力が湧いて来ない。
確かにそうだが。だが、違う。
「…あのな、星…」
何と言えば良いのか…。
と云うか、何故、俺が言わねばならんのだ。
これは、あの親父が言うべき事なのでは?
「…その…お前は………………………………あるのか…?」
「…ん? 何が?」
くそ…っ…!
また、それを言わねばならんのか!
「…その…親父を想いながら…ち、ちんちんを弄った事が…」
何故、また俺は"ちんちん"と言わされているんだっ!
こいつら、実は結託しているのではないだろうな!?
「ん! 何年か前に相楽のにーちゃんに、ちんちん辛い言ったら教えてくれたぞ!」
何時の間に!?
どれぐらい前の話なんだ!?
あいつ、雪緒の時は散々俺をからかったくせにっ!!
「そ、そうか…」
やけに自信満々な星の声に、俺は更に脱力をする。
簀子の上に置いた手が、みっともなく震えている。
「…あの、な…? 確かにお前のそれは、恋しく愛しい者に向けられる感情だろうが、親父はどうなんだ?」
「なんだよ? 親父殿も同じに決まってるだろ! ずっと一緒にいるんだぞ!」
………………………もう、このまま捨ててしまっても良いだろうか?
…いや、駄目だ。
これは有耶無耶にしては駄目だ。
俺と雪緒の安寧の為にも、この問題は早急に片付けるべきだ。
「星、とにかく! 明日親父と話せ。お前の気持ちも、もう一度きちんと伝えるんだ!」
「なんでだ? そんなの親父殿はとっくに…っ、おわっ!?」
俺は身体を起こして、星の両肩を掴んだ。
「良いか? ずっと傍に居るから、改めて伝えなくても伝わるだろうなんてのは、そんなのは甘えだ。どれだけ一緒に居ても伝わらない事はある。特に、こう云った想いはすれ違ったりする物なんだ。はっきりと言え。…親父に抱かれたいと!」
真っ直ぐと、星の目を覗き込む様にして、俺は言った。
自分で言っていて、また胃がしくしくと痛みだしたが。
「…うん? それって、親父殿のちんちんがおいらの尻の穴に入るって事か? 違うぞ。おいらは、おいらのちんちんを親父殿の尻の穴に入れたいんだぞ! …そう言えばいいのか?」
目を瞬かせて首を傾げる星に、俺は天を仰いだ。
…俺は何をしているのだろう…。
何処か遠い目をしながら、俺は星の髪の毛を洗っていた。
あれだけ嫌がっていた癖に、風呂場に着けば星はさっさと着物を脱いで、腰に手拭いを巻き、たすき掛けをする俺を急かす始末だった。
「…全く…何なんだ、お前は…」
椅子に腰掛け、少しばかり背中を丸める星の髪を洗いながら、俺は疲れた様な声音で聞いた。
いや、実際、要らん体力を使わされたのだが。
朝から親父に愚痴られ、雪緒に癒して貰おうと帰宅すれば、その息子が居ると云う、二段構えの攻撃にだ。
「ん~?」
だが、解っているのかいないのか、星の声は暢気な物だ。
「…お前、本当に明日は帰れよ。良いか、話を受けるか受けないかはお前の自由だ。しかし、断るにしてもだな、お前はともかく親父…司令の立場からして、会わずに断ると云う選択肢は無いんだ。そこの処は解ってやれ。お前だって、親父の面子を潰すのは本意では無いんだろう?」
「…ん…」
桶に湯を掬い、星の頭を濯ぎながら、俺が言う言葉に星は静かに頷いた。
何時もは煩いぐらいに元気だが、こうも大人しくされると不気味で仕方が無い。
「…あのさ…」
「何だ?」
次の湯を掬った処で、星がぽつりと呟いた。
「おじさんはさ、ゆきおがすきなんだよな?」
「…何だ、いきなり」
星の突然の質問に、俺は湯を汲んだ桶を簀子の上に置いた。
「ゆきおをあいしてるんだよな?」
振り返って来て俺を見る星の目は、仕事で妖と対峙した時と同じく真剣な物だったから、俺は『ああ』と頷いた。
「あのさ、あのさ、ゆきお見ると、ちんちんがたつんだろ?」
―――――――――――…何だって…?
「…おいら、も、おんなじ。考えるとちんちんが辛くなるんだ」
―――――――――――…誰の事を…?
「…すきだけど、あいしてるけど、こうなるのって、当たり前なんだよな?」
―――――――――――…雪緒を…?
「恋人だし、いいんだよな?」
―――――――――――…恋人…?
「…は…? 何時、雪緒とお前が恋人になった? 雪緒は俺の…っ…!!」
「ゆきおじゃないよ。昔はすきだったけど、今は違う」
「…誰の話をしてる?」
…昔って…。そう言えば、あの親父が星の初恋が、とか言っていた様な…?
「親父殿に決まってるだろ、言わせんなバカ」
俺の言葉に星は唇を尖らせて、ふいっと横を向いた。その頬は、赤く染まっている様に見えた。
…と云うか。つい今朝も、どこぞで見たぞその仕草。
――――――――――――――――――…は…?
「おいらと親父殿は恋人なのに、お見合いとかひどいよな? おいら、ずっと親父殿にすきすき言ってるのに。親父殿だって、いっぱいすきって言ってるのに。おいらが居なくなったら、誰が親父殿の髪を洗うんだ? 雷の時、誰が親父殿と寝るんだ? 誰が親父殿のご飯を…」
「待て! 待て待て! …頼むから、少し待ってくれ! 考える時間をくれ!!」
尚も続く星の言葉を遮り、俺は片手で口を押さえ、片手は掌を星へと向けた。
何だって?
いきなりこいつは何を言い出した?
星が親父を好きなのは、とうの昔から知っている。
知ってはいたが、そう云う好きだとは聞いて…。
『星様もえみちゃん様を愛して…』
そう思った時、不意に雪緒の言葉が脳裏を過った。
……………………………………………あ…?
「………は…? 雪緒は…知っていた…?」
あれは、家族愛の事を言っているのだと思ったのだが、違ったのか…?
だが、確かにそれならば、星に嫉妬した俺に雪緒がそう口にしたのも合点が行く。
いや、だがしかし。恋人とは?
あの親父からそんな言葉なぞ聞いた記憶は無いし、親父の態度は息子を溺愛する、親馬鹿その物にしか見えないが。
…いや、あの親父の事だから、巧みに態度には出さない様にしているのかも知れない…。
「………星…。…念の為に聞くが…お前…恋人の意味…解っているのか…?」
「バカにするなよ! 恋しい、すきな、あいする人の事を恋人言うんだろ! だから、おいらの恋人は親父殿だし! 親父殿の恋人はおいらだ!」
星の言葉に俺は思い切り脱力し、両手を簀子の上に置き、何とか身体を支えた。
「どした、おじさん?」
不思議そうな星の声が聞こえるが、顔を上げる気力が湧いて来ない。
確かにそうだが。だが、違う。
「…あのな、星…」
何と言えば良いのか…。
と云うか、何故、俺が言わねばならんのだ。
これは、あの親父が言うべき事なのでは?
「…その…お前は………………………………あるのか…?」
「…ん? 何が?」
くそ…っ…!
また、それを言わねばならんのか!
「…その…親父を想いながら…ち、ちんちんを弄った事が…」
何故、また俺は"ちんちん"と言わされているんだっ!
こいつら、実は結託しているのではないだろうな!?
「ん! 何年か前に相楽のにーちゃんに、ちんちん辛い言ったら教えてくれたぞ!」
何時の間に!?
どれぐらい前の話なんだ!?
あいつ、雪緒の時は散々俺をからかったくせにっ!!
「そ、そうか…」
やけに自信満々な星の声に、俺は更に脱力をする。
簀子の上に置いた手が、みっともなく震えている。
「…あの、な…? 確かにお前のそれは、恋しく愛しい者に向けられる感情だろうが、親父はどうなんだ?」
「なんだよ? 親父殿も同じに決まってるだろ! ずっと一緒にいるんだぞ!」
………………………もう、このまま捨ててしまっても良いだろうか?
…いや、駄目だ。
これは有耶無耶にしては駄目だ。
俺と雪緒の安寧の為にも、この問題は早急に片付けるべきだ。
「星、とにかく! 明日親父と話せ。お前の気持ちも、もう一度きちんと伝えるんだ!」
「なんでだ? そんなの親父殿はとっくに…っ、おわっ!?」
俺は身体を起こして、星の両肩を掴んだ。
「良いか? ずっと傍に居るから、改めて伝えなくても伝わるだろうなんてのは、そんなのは甘えだ。どれだけ一緒に居ても伝わらない事はある。特に、こう云った想いはすれ違ったりする物なんだ。はっきりと言え。…親父に抱かれたいと!」
真っ直ぐと、星の目を覗き込む様にして、俺は言った。
自分で言っていて、また胃がしくしくと痛みだしたが。
「…うん? それって、親父殿のちんちんがおいらの尻の穴に入るって事か? 違うぞ。おいらは、おいらのちんちんを親父殿の尻の穴に入れたいんだぞ! …そう言えばいいのか?」
目を瞬かせて首を傾げる星に、俺は天を仰いだ。
22
あなたにおすすめの小説
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
公爵子息だったけど勘違いが恥ずかしいので逃走します
市之川めい
BL
魔王を倒した英雄によって建国されたグレンロシェ王国。その後は現在までに二人、王家の血を引く者から英雄が現れている。
四大公爵家嫡男、容姿端麗、成績優秀と全てにおいて恵まれているジルベールは、いつか自分も英雄になると思い、周りには貴公子然とした態度で接しながらも裏では使用人の息子、レオンに対して傲慢に振る舞い性的な関係まで強要していた。
だが、魔王の襲来時に平民であるはずのレオンが英雄になった。
自分とレオンの出生の秘密を知ったジルベールは恥ずかしくなって逃走することにしたが、レオンが迎えに来て……。
※性描写あり。他サイトにも掲載しています。
【完結】極貧イケメン学生は体を売らない。【番外編あります】
紫紺
BL
貧乏学生をスパダリが救済!?代償は『恋人のフリ』だった。
相模原涼(さがみはらりょう)は法学部の大学2年生。
超がつく貧乏学生なのに、突然居酒屋のバイトをクビになってしまった。
失意に沈む涼の前に現れたのは、ブランドスーツに身を包んだイケメン、大手法律事務所の副所長 城南晄矢(じょうなんみつや)。
彼は涼にバイトしないかと誘うのだが……。
※番外編を公開しました(2024.10.21)
生活に追われて恋とは無縁の極貧イケメンの涼と、何もかもに恵まれた晄矢のラブコメBL。二人の気持ちはどっちに向いていくのか。
※本作品中の公判、判例、事件等は全て架空のものです。完全なフィクションであり、参考にした事件等もございません。拙い表現や現実との乖離はどうぞご容赦ください。
禁書庫の管理人は次期宰相様のお気に入り
結衣可
BL
オルフェリス王国の王立図書館で、禁書庫を預かる司書カミル・ローレンは、過去の傷を抱え、静かな孤独の中で生きていた。
そこへ次期宰相と目される若き貴族、セドリック・ヴァレンティスが訪れ、知識を求める名目で彼のもとに通い始める。
冷静で無表情なカミルに興味を惹かれたセドリックは、やがて彼の心の奥にある痛みに気づいていく。
愛されることへの恐れに縛られていたカミルは、彼の真っ直ぐな想いに少しずつ心を開き、初めて“痛みではない愛”を知る。
禁書庫という静寂の中で、カミルの孤独を、過去を癒し、共に歩む未来を誓う。
僕の目があなたを遠ざけてしまった
紫野楓
BL
受験に失敗して「一番バカの一高校」に入学した佐藤二葉。
人と目が合わせられず、元来病弱で体調は気持ちに振り回されがち。自分に後ろめたさを感じていて、人付き合いを避けるために前髪で目を覆って過ごしていた。医者になるのが夢で、熱心に勉強しているせいで周囲から「ガリ勉メデューサ」とからかわれ、いじめられている。
しかし、別クラスの同級生の北見耀士に「勉強を教えてほしい」と懇願される。彼は高校球児で、期末考査の成績次第で部活動停止になるという。
二葉は耀士の甲子園に行きたいという熱い夢を知って……?
______
BOOTHにて同人誌を頒布しています。(下記)
https://shinokaede.booth.pm/items/7444815
その後の短編を収録しています。
【完結】火を吐く土の国の王子は、塔から来た調査官に灼熱の愛をそそぐ
月田朋
BL
「トウヤ様、長旅お疲れのことでしょう。首尾よくなによりでございます。――とはいえ油断なされるな。決してお声を発してはなりませんぞ!」」
塔からはるばる火吐国(ひはきこく)にやってきた銀髪の美貌の調査官トウヤは、副官のザミドからの小言を背に王宮をさまよう。
塔の加護のせいで無言を貫くトウヤが王宮の浴場に案内され出会ったのは、美しくも対照的な二人の王子だった。
太陽に称される金の髪をもつニト、月に称される漆黒の髪をもつヨミであった。
トウヤは、やがて王家の秘密へと足を踏み入れる。
灼熱の王子に愛され焦がされるのは、理性か欲か。
【ぶっきらぼう王子×銀髪美人調査官】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる