旦那様と僕~それから~

三冬月マヨ

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それぞれの絆

【月】ぽかぽかの雷

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「ひいんっ!!」

 その音がした時、せいにいは持っていた茶碗を投げ出して、おやじどのとボクに飛び付いて来た。
 え?
 どうしてボクもって?
 だって、ボク、まだ人間になって日にちが経ってなくて、おはしを上手く使えないからって、座布団の上であぐらをかくおやじどのの膝の上に乗って食べさせてもらっていたから。

「星にい、どうしたの? 手がふるえてるよ?」

 ボクがそう言えば星にいは、目に涙を溜めてニカッて笑って来た。

「これは違うぞ。親父殿が震えてるから、おいらが震えてる様に見えるだけだぞ。親父殿は雷が怖いんだ。だから、おいらがこうして抱き締めて守ってやるんだ! つきともおいらが守ってやるからな!」

「うんうん、怖がりの私の為にね、星はいつもこうしてくれるんだよ。月兎つきととも雷は怖いね? 二人で星に守って貰おうね?」

 そう言いながらボクの頭を撫でるおやじどのの手は、全然ふるえていないんだけど。
 声だって、ニコニコのままだし。
 それにボク、雷怖くないよ?
 人間になる前は音がうるさくてイヤだったけど、今は耳がちっちゃいせいか、あまりうるさく感じないんだ。

ドオンッて音がして外が明るくなったと思ったら、また星にいが「ひいんっ!!」って声を上げて、ぎゅうぎゅうってボクとおやじどのにしがみついて来た。

「雷が怖いのはおやじどのじゃなくて、星にいなの?」

 ボクのほっぺにあたる星にいの馬のしっぽがくすぐったいなって思いながら聞けば「違うぞ! おいらは怖くなんかないぞっ!!」って、ほっぺにあたる馬のしっぽがブンブンゆれだした。
 ちょっと痛いかも。
 でも、おもしろい。
 ボクも、髪の毛伸ばして馬のしっぽにするんだ。
 今の長さじゃ全然足りなくて、馬のしっぽにできないって、おやじどのに言われたから。
 馬のしっぽにできるようになったら、星にいにやってもらうんだ。
 星にいは、強くて優しいんだ。
 そう言うと、優しいのはおやじどのだって星にいは言うけど。
 おやじどのも優しいけど、一番最初に優しくしてくれたのは星にいだもの。だから、星にいは優しいの。それでいいんだ。
 ボクは今、いっぱいの幸せを勉強中。
 こうやって、怖いって時にぎゅうぎゅうされたいんだよね、星にいはきっと。
 だから、ボクが大きくなったら、雷の時には星にいをぎゅうぎゅうに抱きしめてあげよう。
 そうして笑ってくれたら、ボクはもっと幸せになれると思うんだ。
 だから、待っててね、星にい。
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