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嫁の姉
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我が弟の様子がおかしい。
ゴールデンウィークが終了して、六月に入る前にこれまでのアパートを引き払い、鉄筋コンクリートのアパートへと引っ越して行った。
何故、今頃?
これまでに、ヌイと二人で1Kは狭かろうと散々引っ越しを勧めて来た我としては、非常に引っ掛かる物がある。
まあ、確かに六月は更新月であったから、タイミング的には問題が無いと言えば問題ないのだが。
だが、何故に、今?
我は引っ越し祝いを持って、昼過ぎに弟の新居へと突撃した。
今日は平日であるが、弟は夜勤明けで休みだと云うのは確認済だし、了承も得てある。
「ああ、わざわざサンキュ」
我を迎えた弟は、まだ寝ぼけた様子で我を迎えた。
そこは以前の部屋より、グレードアップした物だった。
2DKと云う、これまでとは考えもつかない広い物だった。
各部屋は六畳あり、ダイニング部分は八畳あるそうだ。なるほど、良い物件を見付けた物だ。
掃除が面倒だとか言っていたのに。
まさか、ヌイに全部やらせているのでは?
そう問えば、弟は軽く唇を尖らせて否定して来た。
ふむ、それならば良いのだが、後でヌイにラ〇ンを送ろう。
しかし、これまで一部屋だったのに、随分と思い切った物だ。
まさか、ヌイに彼女でも出来たのだろうか?
それで、ヌイに部屋を用意したのか?
この弟に恋人が出来る筈も無いからな。
ん? 失礼だと? いや、事実なのだから仕方が無い。
弟は彼女が欲しい様な事を口にしていたが、はっきり言って鈍い。
見た目は平凡だが、それなりに気の利く処があり、面倒見も良いのでこの弟に好意を寄せる者はいたのだ。
だが、悲しいかな。この弟は悉くその好意に気付かないのだ。
告白をされても気付かずに、華麗にスルーして来た事は何回もある。
学生時代に、その度に我はその相手に泣きつかれて来たのだ。
『好きだって言ったら"誰が好きなの? 俺から伝えておくよ。でも、本人に直接言った方がいいぞ?"って、言われた! あんたの弟ずれてるっ!!』、『チョコをあげたら"何の罰ゲームなの? ごめんな。金払うよ"って、言われたんですけどっ!!』と。
弟よ、恋人が欲しいのなら、その自己評価の低さを見直せ。と、何度言ったのか解らない。
しかし弟は『俺よりも安藤の方が手がデカい』、『加藤の方が背が高い』、『斉藤はイケボ』、『棚藤の方が頭が良い』、『内藤は腹筋が割れてる』、『とにかく、みんなイケメン』と、言うだけだ。
周りの友人がそれだから、自分に自信が持てないのだろう。
人は人、自分は自分、本当に何度言っただろうか。
まあ、言い過ぎたのだろう。
就職して、それで稼いだ金でアパートを借りて家を出て行ってしまった。
長期休暇の時も、帰って来たり来なかったり。
そんな弟が、我を頼って来た時は本当に嬉しかった。
それも萌え萌えな尊いヌイと云う存在付きで。
舞い上がらない筈がない。
弟が何だかんだ条件を出して来たが、そんな物無くても我は引き受けていたぞ。
まあ、有難く利用させて貰ったが。
さて。
改めて何故引っ越したのかと問えば、何故か肩を揺らして我を追い出そうとした。
…怪しい。
鉄筋コンクリートと、ぼそりと言えば、ますます肩を揺らせた。
……更に怪しい。
腐の付く女子として、疑わしきものは疑わなければならない。疑わしくなくとも疑うが。
「………パソコン…借りる…」
そう言って真新しいパソコンラックへと向かえば、目に見えて弟が慌て出した。
だが、それで退く我では無い。
履歴を見れば、我が利用したアダルトショップが一番上に来ていた。
「…ふっ…」
今日の処はこれで十分だ。後でヌイにラ〇ンでカマをかけよう。
次にここに来る時は、赤飯を持ってこようと我は思った。
ゴールデンウィークが終了して、六月に入る前にこれまでのアパートを引き払い、鉄筋コンクリートのアパートへと引っ越して行った。
何故、今頃?
これまでに、ヌイと二人で1Kは狭かろうと散々引っ越しを勧めて来た我としては、非常に引っ掛かる物がある。
まあ、確かに六月は更新月であったから、タイミング的には問題が無いと言えば問題ないのだが。
だが、何故に、今?
我は引っ越し祝いを持って、昼過ぎに弟の新居へと突撃した。
今日は平日であるが、弟は夜勤明けで休みだと云うのは確認済だし、了承も得てある。
「ああ、わざわざサンキュ」
我を迎えた弟は、まだ寝ぼけた様子で我を迎えた。
そこは以前の部屋より、グレードアップした物だった。
2DKと云う、これまでとは考えもつかない広い物だった。
各部屋は六畳あり、ダイニング部分は八畳あるそうだ。なるほど、良い物件を見付けた物だ。
掃除が面倒だとか言っていたのに。
まさか、ヌイに全部やらせているのでは?
そう問えば、弟は軽く唇を尖らせて否定して来た。
ふむ、それならば良いのだが、後でヌイにラ〇ンを送ろう。
しかし、これまで一部屋だったのに、随分と思い切った物だ。
まさか、ヌイに彼女でも出来たのだろうか?
それで、ヌイに部屋を用意したのか?
この弟に恋人が出来る筈も無いからな。
ん? 失礼だと? いや、事実なのだから仕方が無い。
弟は彼女が欲しい様な事を口にしていたが、はっきり言って鈍い。
見た目は平凡だが、それなりに気の利く処があり、面倒見も良いのでこの弟に好意を寄せる者はいたのだ。
だが、悲しいかな。この弟は悉くその好意に気付かないのだ。
告白をされても気付かずに、華麗にスルーして来た事は何回もある。
学生時代に、その度に我はその相手に泣きつかれて来たのだ。
『好きだって言ったら"誰が好きなの? 俺から伝えておくよ。でも、本人に直接言った方がいいぞ?"って、言われた! あんたの弟ずれてるっ!!』、『チョコをあげたら"何の罰ゲームなの? ごめんな。金払うよ"って、言われたんですけどっ!!』と。
弟よ、恋人が欲しいのなら、その自己評価の低さを見直せ。と、何度言ったのか解らない。
しかし弟は『俺よりも安藤の方が手がデカい』、『加藤の方が背が高い』、『斉藤はイケボ』、『棚藤の方が頭が良い』、『内藤は腹筋が割れてる』、『とにかく、みんなイケメン』と、言うだけだ。
周りの友人がそれだから、自分に自信が持てないのだろう。
人は人、自分は自分、本当に何度言っただろうか。
まあ、言い過ぎたのだろう。
就職して、それで稼いだ金でアパートを借りて家を出て行ってしまった。
長期休暇の時も、帰って来たり来なかったり。
そんな弟が、我を頼って来た時は本当に嬉しかった。
それも萌え萌えな尊いヌイと云う存在付きで。
舞い上がらない筈がない。
弟が何だかんだ条件を出して来たが、そんな物無くても我は引き受けていたぞ。
まあ、有難く利用させて貰ったが。
さて。
改めて何故引っ越したのかと問えば、何故か肩を揺らして我を追い出そうとした。
…怪しい。
鉄筋コンクリートと、ぼそりと言えば、ますます肩を揺らせた。
……更に怪しい。
腐の付く女子として、疑わしきものは疑わなければならない。疑わしくなくとも疑うが。
「………パソコン…借りる…」
そう言って真新しいパソコンラックへと向かえば、目に見えて弟が慌て出した。
だが、それで退く我では無い。
履歴を見れば、我が利用したアダルトショップが一番上に来ていた。
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今日の処はこれで十分だ。後でヌイにラ〇ンでカマをかけよう。
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