天才鬼才が集う世界で

凍銅つらら

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天才鬼才の集う世界で

3歳です

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「レイ・グレンゼル、3さいです」


 鏡に写る自分の姿を見て何故か自己紹介をする。
 そう、言葉でも言ったとおり俺は3歳になっていた。言語を習得するのは至難の技だったが、そこはいつも通りそこそこ頭がいいからなんとかなった。
 
 そして何と俺は子爵ではあるが貴族の跡取りとして転生したようだ。アルフォード・グレンゼルとミーシャ・グレンゼルとの間に生まれた唯一の赤子。
 将来グレンゼル領を担っていく存在として期待されているらしいから物凄く気負いしている。


「しかしな……」


 鏡に写る姿を見て何となく呟く。
 まぁそれも仕方ないことだ。光る球体の灯りを反射し、神々しいばかりの金髪、見るものを優しく包んでくれるような蒼い瞳。顔立ちは美形と言っても過言ではなく、将来は様々な女を泣かせることになりそうだ。

 まぁ他人事みたいに言っているが、それは俺のことなんだがな。最初は信じられなかった。平凡な顔立ちが特徴な俺がまさかの美形に生まれ変わるとはな。
 だけどこの世界は基本的に美形しか見たことがないからこれが平均的な顔立ちかもしれない。


 3歳となるまで何をしていたかというと、それは情報収集だ。
 やはりこれから自分が生きていく未知の世界ということもあり情報が大切になっていく。しかも魔物なんて存在しているらしいので聞いていてよかったと本当に思った。

 当然ながら魔法も存在しており、火・水・風・土・光・闇の6属性に別れている。それらの属性を複合させる者もいるらしいが希だそうだ。
 
 しかし、魔法が存在するにも関わらず、ステータスは存在しないらしい。まぁステータスが存在しないとしても見た目が各々の力に直結するということはないみたいだ。

 この前だって細マッチョな父上が明らかに華奢である猫耳メイドのミニャさんにねじ伏せられていたからな。
 あの人は怒らせてはならないっぽい。


 何故、見た目が力に直結しないかというと魔法の力ということもあるが、それとは別に【異能】というものがあるそうだ。これは10歳になると神殿に行き、神から祝福を貰うことによって発現する。
 これは特別なことではなく、生きている人なら神殿に行けば誰でも貰えるものらしい。

 さっき言ったミニャさんも【獣の力】という【異能】を持っているそうだ。全体的に身体能力が向上するらしい。
 領主である父上ももちろん【異能】を持っていて【束ねる者】っていう【異能】らしい。
 父上の指揮下にある者の全能力を微上昇させ、緊張などの緩和の作用もあるらしい。なかなか強い【異能】だと思う。


 まだ俺は3歳だから、【異能】は発現していない。どうなるかわからないが、10歳になるのが楽しみで仕方ない。凡人だった俺が才能を持てるんだ。心が踊るのも仕方ないだろう。


「レイ様~ご飯ですよ~」


 思い耽っていた時、ミニャから声が掛かる。今日は家族三人揃っての食事だ。いつも父上は忙しくて家に帰れない時が多い。母上とミニャの三人での食事が多い。
 久しぶりの家族勢揃いということもあって今日は食事が豪勢のようだ。早く向かおう。





 急いで食事場へと向かいテーブルへと着く。目の前には予想通りいつもより豪勢な料理が並んでいた。


 「レイ、久しぶりだな。元気だったか?」

 父上がこちらへ笑みを向けてくる。余程家族に会えないのが寂しかったらしい。

 「はい父上! 父上もお元気そうで!」

 「ははっ、レイはしっかりしているな。これでグレンゼル領も安泰だ」


 そんなことを言いながら笑っている父上に母上が微笑みながら声を掛ける。


 「ほら、貴方。お料理が冷めてしまいますよ。早く食べましょ?」


 「そうだな……では食材と作り手に感謝を込めて」

 「「感謝を込めて」」


 これは日本でいういただきますみたいなものだ。食材とそれを作ってくれた農家の方に感謝を込めてという意味だ。まぁそのまんまだけどね。


 一心不乱に料理を胃袋に詰め込んでいく。たまに母上に注意されるが、顔には笑みが浮かんでいるため、本気では怒っていないことがわかる。


 「ところでミニャはどうした?」


 料理を食べている最中、父上がそんなことを言い出した。


 「ミニャは私たち家族が三人揃うのが久しぶりだからそれを邪魔したくないって言って聞かなかったのよ。今頃は外で食事してると思うわ」

 母上がそう寂しそうに言う。


 「そうか、本当に余計な配慮をしおって……あいつも家族だというのに」

「ふふふ、そうね」


 そんな会話をしながら食事を終えた。
 その後は、家族団欒を楽しみ寝室へ入り就寝するだけだ。


 本当にこの家族に生まれてよかった。優しい家族に不器用なメイド。暖かい思いを胸に眠りに就いた。
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