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新しい世界の始まり
フレとパワーレベリング
しおりを挟む翌朝十夜は学校で津に報告した。
進められたゲームを始めたこと。
レベルが14になったこと、填まりそうだと言うことなどを。
「おお、そうか、なら夕飯後にでもレベル上げ手伝うよ!十夜の家夕飯19時くらいだったよな?」
「うん、食べ終わったらログインすればいい?」
「そうだな、十夜は剣士だっけか?転職した街にいるんだよな?噴水のところで待ち合わせしようか」
そんな話をしていたら先生が教室に来て授業が始まった。
(夜が楽しみだ・・・)
十夜はワクワクしていた。あっというまに授業が終わり、放課後になった。
十夜は帰宅部なので、さっさと帰路につく。
(津にはああいってもらったけれど、少しは自分でレベル上げしておこうかな・・・)
家に着くと早速自分の部屋に行きパソコンを立ち上げ、ゲームを起動。
キャラ選択画面でゼノンを選択し、ゲームの世界へログインした。
<前回までの冒険の記録をみますか?>
ウインドウが表示された。
これは自分が寝てからの自動探索の記録だろう。
記録を見るをクリック。
初心者の草原マップ、
スライム12匹、ドロップアイテム:なし
木漏れ日の森マップ、
パピーウルフ4匹、ドロップアイテム:小さな爪4
ホワイトサーベルボア2、ドロップアイテム:白く堅い毛皮2、ボアの肉2
レベルが1上がりました。
と表示されていた。
(ホワイトサーベルボアってなんだろう?)
街の中を横切りパピーウルフが居た森、木漏れ日の森というマップに足を運ぶ。
比較的低レベルのモンスターが多く居て初心者用の狩り場の一つだ。
十夜は森を歩きながら見つけたモンスターを倒していく。
暫くしてふと足を止めた。
目の前の草むらには2m位あろうかという大きなイノシシがいた。
長い2本の牙、堅そうな白い毛並みの体。
(うわあ・・・自動冒険機能であれ、倒したの?!僕に倒せるのかなあ?)
無闇に斬りかかるのは危険そうなので取り敢えずスキルをチェック。
何か使えそうなスキルはないかなとスキル一覧を表示させる。
十字斬り 消費魔力10
居合い 消費魔力5
真空波 消費魔力30
(この3つかあ・・・コンボみたいに使えばいけるかなぁ?)
ふとホワイトサーベルボアが十夜の方に気付き視線を向けた。
『プギャアアア!!』
ホワイトサーベルボアが突然突進してきた。
「え?!」
僕は慌てて突進を躱しながら、ホワイトサーベルボアの側面に十字斬りを発動した。
多少は堅いけど、攻撃は通るようだ。
直ぐに真空波を放つ。
ホワイトサーベルボアは方向転換の最中だったのか、避けられずに真空波をまともに食らい、その巨体を地面に倒した。
体は光の破片となり消えるとそこには、ボアの肉と、白い堅い毛皮が落ちていた。
肉と毛皮を回収し、再び森の中を探索し始めた。
その後ボア6匹、パピーウルフ20匹ほど倒しレベルも20になった。
時計を確認するともう18時30分になろうとしていた。
母が作ってくれた夕飯を食べ、19時過ぎには津との待ち合わせの噴水前に来た。
(そういえば、津のゲームキャラの名前知らないや・・・・僕も教えるの忘れていたかも・・)
不安になりスマホを手に取り連絡しようとしたら、パソコンのチャット画面にピンク色の文字で、
秘密「十夜であってる?」
とチャットがでた、一瞬慌てた、こんな大勢のところでリアルネームを出すなんて・・・と。
しかしよく見ると、秘密とチャットの前に表示されていた、どうやって返すんだろうと思いながらも感情モーション
というウインドウを見つけて、頷くモーションを使用すると直ぐにパーティ申請ウインドウが画面に表示された。
承諾を押すとパーティメンバーの位置がマップに緑の点で表示された。
直ぐ横にいたらしい。
津のキャラは、後ろで1つに結わえてある長い金髪、薄い青い瞳、平均的な体型の人間族だった。
防具も武器も強そうなのを身につけている。
カーソルを合わせクリックする。
名前:リーヴァス
種族:人間族
レベル:67
職業:聖騎士
体力:10680
魔力:2600
力:650
知力:240
俊敏:360
(すごい・・・聖騎士・・・67レベルって・・・)
パーティ『十夜、早速レベル上げにいこうぜ!』
パーティ『津、レベル高いね、それにその職業って』
パーティ『ああ、剣士の上位職業だ、50レベルになって、条件をクリアしていれば選択できる』
パーティ『取り敢えず、何処がいいかなあ・・・壁は出来るから、十夜の攻撃が1撃でも当たるところ・・・』
津は少し悩んでから、付いてくるように指示して、噴水の反対側にいたNPCに話しかけた。
パーティ『十夜、この人に話しかけて、上から2個目の海底遺跡を選んで』
パーティ『分かった』
指示に従いNPCに話しかけると、どうやらダンジョンと呼ばれる特殊マップに無料で転送してくれるらしい。
海底遺跡をクリック。
画面が黒いロード画面になり直ぐに青い海の中のマップに切り替わった。
そこは一面青い海底を模したマップで珊瑚やら、沈んだ遺跡後みたいな建物があった。
パーティ『すごい・・・綺麗だね・・・』
十夜がチャットを打ち込んでいると、津が音声チャットのが楽だからそっちにしようと提案してきた。
戦闘中にチャットをキーボードで打ち込むのはしんどそうなので十夜も承諾した。
マイク付きヘッドホンを装着してパソコンの画面を見つめる。
「まず、俺が敵の注意を引くから、後ろから殴れ」
「分かったー」
津が咆哮スキルを使い敵を集め、敵の注意を引きつけた。
敵は海の中ってこともあり、ヤドカリや、タコ、イカ、魚型のモンスターが多い。
よくよく見ると、津は殆どの攻撃を受けているが、ダメージはどれも1・・。
HPは1づつ減っても直ぐに回復して全快を繰り返していた。
(流石67レベル・・・堅いんだなあ・・装備の効果もあるのかな)
訓練用の片手剣でぺシペシ、ちまちまと叩いていると、見かねた津がトレード画面を表示させてきた。
「何?」
「そんな武器じゃいつまでたっても終わらないぞ、これやるから、これ使え」
そういって津がよこしたのは、雷属性が付いた高級な片手剣。
ゼピュロスソード
ランク:高級
片手剣
特性:雷属性をもった片手剣。
魔力を込めると攻撃力が上がる。
早速装備して津に群がるタコを叩いてみた。
さっきまで5~6発で倒していたのに、剣を変えただけで1撃で倒せるようになった。
「凄いね!!」
「水には雷よく効くからなぁ、さぁこの調子でどんどん倒すぞ!」
倒しては集めを繰り返し、気付は時計は12時を回っていた。
何匹倒したかなんてもう覚えても居ない。
津は十夜が倒したモンスターのドロップアイテムを回収しながら敵を集めつつ壁をしていた。
「十夜、レベルどんくらいになった?」
「えっと、・・・」
ステータスをクリック。
名前:ゼノン
種族:鬼人族
レベル:37
職業:剣士
体力:2150
魔力:890
力:390
知力:80
俊敏:190
「37だって、一気に上がったよ・・・」
「もう遅いし、明日また同じ時間に同じ場所で待ち合わせな?さっさと2次職に転職しようぜ」
「うん」
「じゃあ、もどるか。」
「うん・・・・・ところでどうやって戻るの?」
「え?」
津が驚いたような声を出した。
それにつられ十夜も「え?」と声を出す。
「帰還の書、商店で買ってない?」
「何ソレ?」
「・・・・・・よし、分かった、十夜装備全部外せ」
「うん?」
言われたとおりに装備を全てはずし裸になる。
「どうすんのこれ?」
「そのまま、あの敵の群れに特攻だ!!」
そう言いながらモンスターが数匹集まっている箇所に視線を向けた。
「え・・・死んじゃうよ?!」
「いや、大丈夫だ、それでいい、ゲームには死んだら最後にいた街に帰還する奥義がある」
「お、おお?」
「その名も・・・・・デスルー○!!」
「・・・・・」
「大丈夫1次職と初心者は死んでもペナルティないから、装備したまま死んだら装備の耐久は減るけど脱げば大丈夫だ」
「・・・・・分かった・・・明日は帰還の書買っておく・・・」
「おう、そうしたらいい、狩りをちゃんとしてればそんなに高くないからな、じゃあ俺は寝る!またな!」
そういって津は消えた。
「・・・・仕方ない」
十夜は敵の群れに特攻してタコ殴りにあって死亡した。
画面が真っ暗になり目を覚ますと裸で城砦都市の入り口に立っていた。
人に見られる前に慌てて防具を装備し、今日はログアウトした。
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