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新しい世界の始まり

魔物の巣窟で強化訓練1

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魔物やモンスターを倒しまくる、時にはダンジョンに籠もったりもした。

食料は現地調達だったが、調理セット買っておいたので料理して空腹をしのげた。

料理はレベルが低かったので初めは、焦げた肉とか、皮をむいただけの歪な木の実だった。

木の実とか皮をむいたら殆ど食べるところがなくなった。

まぁそれでもないよりはましなので、食べるけど。ジンさんはあまり口にしてないけど平気なのだろうか・・・

料理はやっているうちに多少は上達はした。



戦闘も、色々魔法を使えた。

大量のモンスターが来たときにまとめて倒せる、ファイアーレインインパクト。

炎を纏った隕石が雨のように上から地上目掛けて振ってくる火の魔法。隕石といっても拳くらいの大きさだが。

他にも色々な属性や効果を持つ魔法を本に記した。


想像した魔法が自動で書かれた本をみると、魔方陣と魔法の効果と魔法名が記されていた。

記された魔法は使いたい意思、つまりは魔法名を口に出せば発動する仕組みらしい。


「体術や剣術はあまり得意ではないんだ・・・」


そう言いながらもジンは武器を振るったときは結構強い。


「剣術スキルがあるから、何とか敵は倒せますけど・・・」

「・・・・実際にそれを使えるか?」

「実際に?リアルで、ってことですか?」

「ああ」

「無理です!、僕は運動神経皆無です!体力もなくて泳げませんし!」


自信満々に答えてから、呆れられたかもしれないと、ハッとしてジンの方を見た。


「・・・・それが普通だ、常に剣を持つ者でさえ敵を前にしたら、生死の覚悟を決めることは容易ではないからな」


取り敢えず運動神経皆無という話には突っ込まれなくてホッとしていると。


「しかし、ある程度は必要だな?防御出来なければ切り伏せられてしまうだろう?」

「・・・・そうですね」

「体が無意識で反応できるくらいだといいんだが、まずは動体視力からか?」


刀を手にジンと訓練をし、魔物を討伐する日々が続いたある日。


堅い外郭の魔物との戦闘の時だった、星夜の刀・幻が・・・折れて砕けたのだ。


「な・・・ッ」


武器を失ったゼノンに魔物の強烈な一撃が腹にクリティカルヒットした。

数十メートルも吹き飛ばされ木々を薙ぎ倒した。

体力ゲージが一気に3分の1まで減った。

画面がジワジワと赤くなっていく。


(うわあ・・・)


「・・・ゼノン、大丈夫か?」

「はい、なんとか・・・」


ヨロリと立ち上がる。手には折れた愛刀の柄の部分だけが残っていた。

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