星の守護龍 ~覚醒と混沌へのカウントダウン~

雪月 光

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1章~石版の伝承~

28.~未来から過去に託された未来~

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常夜の森に向かう途中のジンと麻衣の前にそれは姿を現した。

「な…4神守護獣?!」

突如召喚もしてないのに現れた4匹の守護獣達にジンは慌てた様子で麻衣を庇うようにたった。

”危害を加えるつもりはない…我らは未来から貴方の望みをかなえるために来た”

「俺の望み?」

”そう、未来の貴方の望み…”

「…未来で何があった?!」

”見せよう、これから起こる未来を…”

アルフォリスが虹色に光る宝玉をジンに渡した。

ジンは黙ったままそれを見据えた。

「ジン?」

「……これが…未来……?」

”そう、それを変えることを未来の貴方が望んだ…”

「…少し時間をくれないか?」

”こうしている間に、未来の貴方が苦痛に耐え貴方を信じて待っている”

”今ある未来を変えてくれると…時間は少ない”

”苦痛に耐えれずに意識を持っていかれたら…世界は全てを失う…世界を創り支えている存在を破壊してはいけない…”

ジンは苦笑した、代価を支払うのは未来の自分ではなく、過去の今の自分だ。
自分に係わった全ての者から、自分との記憶が消滅して、力も、今の地位も失って…。
共通していえること…それは、それでも大切な者は失いたくない…ということ。

「ジン?どうしたの?」

ジンは麻衣のほうを見据えて、僅かに微笑んだ。

「心配要らない…全て決着をつけて終わらせてやる、麻衣の望みも、天神との契約も…」

麻衣は訳が分からずに、困惑した表情でジンを見詰める。

「………」

過去に行って石版を破壊したなら、麻衣がこの世界へ来る事も無かったのだろう…世界を混沌にすることもなくて。

出会うことも無くて…永遠に失うよりはマシなのだろうか…

「?!」

ジンは麻衣の唇に唇を重ね、離れ際に耳元で小さく囁く。

”答えを聞こう…”

「石版を破壊する、力を貸してくれ」

”承知した!”

4神守護獣とともにジンはその場から麻衣を残して消えた。

「…何よ…さようならって…私との契約どうするのよ?!代価いらないの?!」

何もない空間に向かって麻衣は叫んだ。

あの時に…

15年前石版捜索のために、3世界全てに戦争を仕掛けるほどの力を持つその男がその力を振るい、世界を混沌に染めたあの時代。
空間は崩壊し石版が世に現れ、男の手に渡り…。

「……ここか…」

”その身の全魔力をもって破壊を…”

体の烙印が、生きているかのように脈を打っていて、熱い。油断すると引きずられるようなそんな変な感覚。
石版が鍵を呼んでいる…。

「契約、遂行させてもらおう…」

「…過去の俺か…」

少し離れたところで全魔力を両手に溜め込んでいく。
過去のジンが大勢の魔族をその男に襲い掛からせた。もちろん回りには他の種族が応戦していた。白き羽根の種族たちが。
石版には近づかず魔力を凝縮させ、遠くからその塊を石版に向かって打ち込む、過去の自分の攻撃にあわせて、全魔力を一緒にぶつけた。

「なッ!!」

男の唖然とする表情、粉々に砕け散る石版。
石版は力を失い塵となって消滅していく。
過去の自分が、横から攻撃をあわせた未来の自分を見据えた。一瞬驚いた表情をしたが、すぐに冷静な顔つきに戻った。

「……助かった…ありがとう」

小さく呟く。僅かに微笑み過去のジンは風のようにその場から消えた。

「…これで…いいんだろう?未来の俺…」

”貴方はもとの時空にもどします”

”未来が変わる…”

自分を中心に回りの時間だけが急速に流れていく。

天神との契約も遂行し、麻衣がこの異世界に来る事ももう無い。
急速に動いてた時間はとまり、もと自分が飛ばされたあの時間のあの場所に移動したのだろう、見慣れた森に来ていた。

城の裏の森。

”我らは消えるそして未来の貴方を救う…”

その場で守護獣達は消えた。

「……今はどんな状況なんだ?」

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